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2012年12月1日から連載開始
唐五代詞詩・宋詞詩

『菩薩蠻 一』温庭筠   花間集

 
 
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“同谷” 萬丈潭 杜甫1000<339>#1 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1604 杜甫詩1500- 499


詩 題:“同谷” 萬丈潭 作759年11月
掲 載; 杜甫1000の339首目-#1
杜甫ブログ1500-499回目
鈴木虎雄の註には「同谷県にある万丈潭にあそんで竜のことに感じて作る。竜は暗に自己を此したものである。* 〔原注〕 同谷縣作。(同谷県の作)」としている。
乾元2年11月759年 48歳
漆山又四郎注釈杜詩には以下のように述べられている。
「◎杜群.萬丈潭を過ぎてその臠ハの幽峡異常なるを見て此詩を賦せり。萬丈潭は一名鳳凰潭といい、同谷縣に在り。是、乾元二年、.秦より同谷に行きし時のなるべし。」

 よほど印象に残った場所だったのだろう「七首、其六」にも次のように詠っている。
乾元中寓居同谷県作歌七首 其六
南有龍兮在山湫,古木巃嵷枝相樛。
木葉黃落龍正蟄,蝮蛇東來水上游。
我行怪此安敢出,拔劍欲斬且複休。』
嗚呼六歌兮歌思遲,溪壑為我回春姿。』

(乾元中同谷県に寓居し歌を作る 七首其の六)
南に竜有り 山湫に在り、古木 巃嵷 枝 相膠す。
木葉 黄落し 竜正に蟄す、蝮蛇 東来し 水上に沸す。
我行いて此を怪しむ安んぞ敢て出でん、剣を抜き斬らんと欲して且つ復た休す。』
鳴呼 六歌す 歌思遅し、渓壑 我が為めに春姿を廻えさん。』
 

駅亭の池01

萬丈潭 #1
(水面に沿って万丈くらい空に上れば進めば鳳凰山に通じる潭。)
青溪合冥寞,神物有顯晦。
谷に緑を残し、青渓の水は冥漠なる大空と一体になっている。ここには神物が住み、現れたり隠れたりしている。
龍依積水蟠,窟壓萬丈內。
龍は潭の水が深く静かに色を重ねている水の中での隠れている時である、すなわち竜はこのたんとつもっている水に依ってとぐろをまいているのである。その住む巌谷は万丈の石壁の内に圧せられて奥底にある
跼步淩垠堮,側身下煙靄。
自分はそこへ達するために時には這いずりながら歩いてそして岸の崖をのぼるのである。また身体を片方へよせながら煙靄の間を下方へと下っていくのである。
前臨洪濤寬,却立蒼石大。

今度は潭の水べりの前へ進み出てみる、大波が広くおおきく動いている、復た一足下がってみると巨大な蒼色の石壁を背負って立っているのである。
#2
山危一徑盡,岸絕兩壁對。削成根虛無,倒影垂澹濧。
黑知灣寰底,清見光炯碎。孤雲到來深,飛鳥不在外。
高蘿成帷幄,寒木壘旌旆。
#3
遠川曲通流,嵌竇潛泄瀨。造幽無人境,發興自我輩。
告歸遺恨多,將老斯遊最。閉藏脩鱗蟄,出入巨石礙。
何當暑天過,快意風雲會。

青渓 冥寞【めいばく】を含む、神物 顕晦【けんかい】有り
竜は積水に依りて蟠【わだかま】る、窟は圧せらる万丈の内。
跼歩【きょくほ】垠堮【ぎんがく】を凌ぎ、身を側てて煙靄【えんあい】より下る。
前みて洪濤【こうとう】の寛なるに臨む、却立すれば蒼石【そうせき】大なり
#2
山危くして一径尽き、岸絶えて両壁対す。
削成【さくせい】虚無に根す、倒影【とうえい】澹濧【たんたい】たるに垂る。
黒は知る湾寰【わんかん】たる底、清は見る光炯【こうけい】碎【くだ】くるを。
孤雲 到来深し、飛鳥外に在らず。
高羅【こうら】帷幄【いあく】を成す、寒木【かんぼく】旌旆【せいはい】を畳【じょう】す。
#3
遠く川曲りて流れを通じ、嵌竇【かんとう】潜【ひそ】みて瀬【らい】を洩らす。
幽に造る無人の境、興を発するは我が輩よりす。
帰を告ぐるは遺恨多し、将に老いんとして斯の遊最なり。
閉蔵【へいぞう】は鱗蟄【りんちつ】を脩【しゅう】し、出入は巨石に礙【ささ】えらる。
何【いつ】か当【まさ】に炎天に過【よ】ぎりて、快意風雲に会すべき。。


『萬丈潭』 現代語訳と訳註
(本文)
#1
青溪合冥寞,神物有顯晦。龍依積水蟠,窟壓萬丈內。
跼步淩垠堮,側身下煙靄。前臨洪濤寬,却立蒼石大。


(下し文)
青渓 冥寞【めいばく】を含む、神物 顕晦【けんかい】有り
竜は積水に依りて蟠【わだかま】る、窟は圧せらる万丈の内。
跼歩【きょくほ】垠堮【ぎんがく】を凌ぎ、身を側てて煙靄【えんあい】より下る。
前みて洪濤【こうとう】の寛なるに臨む、却立すれば蒼石【そうせき】大なり


(現代語訳)
(水面に沿って万丈くらい空に上れば進めば鳳凰山に通じる潭。)
谷に緑を残し、青渓の水は冥漠なる大空と一体になっている。ここには神物が住み、現れたり隠れたりしている。
龍は潭の水が深く静かに色を重ねている水の中での隠れている時である、すなわち竜はこのたんとつもっている水に依ってとぐろをまいているのである。その住む巌谷は万丈の石壁の内に圧せられて奥底にある
自分はそこへ達するために時には這いずりながら歩いてそして岸の崖をのぼるのである。また身体を片方へよせながら煙靄の間を下方へと下っていくのである。
今度は潭の水べりの前へ進み出てみる、大波が広くおおきく動いている、復た一足下がってみると巨大な蒼色の石壁を背負って立っているのである。


(訳注)
萬丈潭

水面に沿って万丈くらい空に上れば進めば鳳凰山に通じる潭。
万丈潭 同谷県の東南七里(約4km)にある。鳳凰山の谷あいにあったものと思う。それから思うと杜甫が同谷を出発して成都に向かう途中での作と思われるが、成都紀行と補註はない。


青溪合冥寞,神物有顯晦。
谷に緑を残し、青渓の水は冥漠なる大空と一体になっている。ここには神物が住み、現れたり隠れたりしている。
○青渓含冥実 潭の水面が周辺渓谷の色と空が一体化している様子を云う。青渓はここの景色が春をおもわせる様な岩場であり、青色の水をたたえた渓、潭は渓の或る部分に在るのであろう、冥寞は冥漠に同じであろう、天をいうものと思われる、含とはそれを容れることをいう、この青色の渓水は上に天をひたしいれておるということである、
遊龍門奉先寺
己従招提遊、更宿招提境。
陰壑生虚籟、月林散清影。
天闕象緯逼、雲臥衣裳冷。
欲覚間島鐘、令人畿深省。
杜甫 2 遊龍門奉先寺


秦州雑詩二十首 其十一
蕭蕭古塞冷,漠漠秋雲低。
黃鵠翅垂雨,蒼鷹饑啄泥。
薊門誰自北,漢將獨徵西。
不意書生耳,臨衰厭鼓鼙。
秦州雜詩二十首 其十一 杜甫 第3部 <264> kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1241 杜甫詩 700- 378


秦州雑詩二十首 其十二
山頭南郭寺、水号北流泉。
老樹空庭得、清渠一邑伝。
秋花危石底、晩景臥鐘辺。
俛仰悲身世、渓風為颯然。
秦州雜詩二十首 其十二 杜甫 第3部 <265> kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1244 杜甫詩 700- 379このように杜甫は秦州雑詩でもこの「万丈潭」と同じ心境で詠っているのである。
○神物 不思議なもの、竜をいう。
○顕晦 あらわれるとかくれると。


龍依積水蟠,窟壓萬丈內。
龍は潭の水が深く静かに色を重ねている水の中での隠れている時である、すなわち竜はこのたんとつもっている水に依ってとぐろをまいているのである。その住む巌谷は万丈の石壁の内に圧せられて奥底にある
○積水 潭にある水がグラデーションを重ねている様子を云う。積もっている水。○窟 いわやは雲を発生するところであり、雲を吐くのはりゅうであるので竜の住む穴ということ。○万丈 崖壁の色と水面と空の色が同化しており、果てしない高さの山を云う、ここでは鳳凰山のこと。。

“同谷紀行(12)” 鳳凰台 杜甫 1000<331>#1 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1571 杜甫詩 1500- 488


跼步淩垠堮,側身下煙靄。
自分はそこへ達するために時には這いずりながら歩いてそして岸の崖をのぼるのである。また身体を片方へよせながら煙靄の間を下方へと下っていくのである。
○跼歩 這いずりながらあゆむ。
淩垠堮 垠堮は水のそばの岸壁、凌とはそれをのぼること。○側身 身をかたえによせかける。
○下煙靄 高い峠に上って今度は下に降りてゆく様子を云う。


前臨洪濤寬,却立蒼石大。
今度は潭の水べりの前へ進み出てみる、大波が広くおおきく動いている、復た一足下がってみると巨大な蒼色の石壁を背負って立っているのである。
 前進。○洪濤寬 潭面のさま。
○却立一歩しりぞいて立つ。
○蒼石 岸壁をさす、これは壁の実質によっていう。