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”成都紀行(4)” 水會渡 杜甫詩1000 <343>#1 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1639 杜甫1500- 509

 
詩 題:”成都紀行(4)” 水會渡
作 時:759年12月 嘉陵江の上流の渡し場。
掲 載; 杜甫1000の343首目-#1
杜甫ブログ1500-509回目
759年乾元二年十二月一日、ついに同谷より出発して南のかた成都に赴こうした。その旅中のさまを写して凡そ十二首の紀行詩を作った。これはその第四首。水会渡のさまをのべる。

華州から秦州へ、秦州に居る時、同谷を旅立つまではほとんどが律詩で、題材は身近なことをのべている。これは隠遁する場所を見つけるための支援、応援、情報収集のために作ったものである。したがって今度の成都紀行では詩の趣きが全く異なるものとなっている。(だから、杜甫の詩集本では割愛されることが多い。漢文委員会はすべて紹介掲載する。)




白砂渡で船に乗り、水会渡でおりる。

水會渡
山行有常程,中夜尚未安。
山路をゆくには泊まる場所の関係で行くところまで行かないといけない、夜なかでもおちついているわけにゆかないで進行する。
微月沒已久,崖傾路何難!
かすかな月もすでに山陰に没してしまって随分経つ、崖は傾斜していて路はなんとひどくわるいのだ。
大江動我前,洶若溟渤寬。
ところがずいぶん進んだら、前面に大きな江水がうごいているのがわかる、浪がわきたつ様子はひろうみの大波のようである。
蒿師暗理楫,歌笑輕波瀾。

船頭はくらがりにうまく楫を使い、波があっても平気で笑ったり歌ったりしている。
#2
霜濃木石滑,風急手足寒。入舟已千憂,陟巘仍萬盤。
回眺積水外,始知眾星幹。遠遊令人瘦,衰疾慚加餐。

#1
山行常程【じょうてい】有り、中夜尚お未だ安んぜず。
徴月【びげつ】没する己に久し、崖傾いて路何ぞ難き。
大江我が前に動く、洶【きょう】として溟渤【めいぼつ】寬【ひろ】きが若し。
蒿師【こうし】暗きに楫【しゅう】を理【おさ】め,歌笑【かしょう】波瀾【はらん】を輕【かろん】ず。
#2
霜濃【こま】やかにして木石滑らかに,風急にして手足寒し。
舟に入りて已に千憂【せんゆう】,巘【けん】に陟【のぼ】りて仍お萬盤【ばんばん】。
積水の外に回眺【かいちょう】すれば,始めて知る眾星【しゅうせい】の幹【かん】を。
遠遊は人をして瘦せしむ,衰疾【すいしつ】加餐【かさん】に慚【は】ず。

杜甫 体系 地図459同谷紀行

『水會渡』 現代語訳と訳註
(本文)
水會渡
山行有常程,中夜尚未安。微月沒已久,崖傾路何難!
大江動我前,洶若溟渤寬。蒿師暗理楫,歌笑輕波瀾。


(下し文)
山行常程【じょうてい】有り、中夜尚お未だ安んぜず。
徴月【びげつ】没する己に久し、崖傾いて路何ぞ難き。
大江我が前に動く、洶【きょう】として溟渤【めいぼつ】寬【ひろ】きが若し。
蒿師【こうし】暗きに楫【しゅう】を理【おさ】め,歌笑【かしょう】波瀾【はらん】を輕【かろん】ず。


(現代語訳)
山路をゆくには泊まる場所の関係で行くところまで行かないといけない、夜なかでもおちついているわけにゆかないで進行する。
かすかな月もすでに山陰に没してしまって随分経つ、崖は傾斜していて路はなんとひどくわるいのだ。
ところがずいぶん進んだら、前面に大きな江水がうごいているのがわかる、浪がわきたつ様子はひろうみの大波のようである。
船頭はくらがりにうまく楫を使い、波があっても平気で笑ったり歌ったりしている。


(訳注)
水會渡
水会渡 これは嘉陵江が西漢水と合流し、の街に入る渡し場であろう。略陽に入る東谷などの水をあつめる処という。略陽は山南西道興州の県名、今は陝西省漢中府に属する。


山行有常程,中夜尚未安。
山路をゆくに泊まる場所の関係で行くところまで行かないといけない、夜なかでもおちついているわけにゆかないでしんこうする。
・常程 一定のきまった旅程、途中に宿処がないのでそのある処まで必ず進まねばならないということ。
・安 おちついていること。その場所に安屯すること。


微月沒已久,崖傾路何難!
かすかな月もすでに山陰に没してしまって随分経つ、崖は傾斜していて路はなんとひどくわるいのだ。


大江動我前,洶若溟渤寬。
ところがずいぶん進んだらと前面に大きな江水がうごいているのがわかる、浪がわきたつ様子はひろうみの大波のようである。
・大江 嘉陵江。
・洶 水のわきたつさま。
溟渤 ひろうみ。


蒿師暗理楫,歌笑輕波瀾。
船頭はくらがりにうまく楫を使い、波があっても平気で笑ったり歌ったりしている。
蒿師 水竿をあやつる船頭。
・理楫 かいをうまくつかう。




舟に乗った時の詩
白沙渡
畏途隨長江,渡口下絕岸。差池上舟楫,窈窕入雲漢。
天寒荒野外,日暮中流半。我馬向北嘶,山猿飲相喚。

水清石礧礧,沙白灘漫漫。迥然洗愁辛,多病一疏散。
高壁抵嶔崟,洪濤越淩亂。臨風獨回首,攬轡複三嘆。


途を畏るるに長江に隨う,渡り口は絕岸に下る。
差池 上【こいねがわく】は舟楫【しゅうしゅう】なり,窈窕【ようちょう】は雲漢に入る。
天寒く野外荒【すさ】ぶ,日暮れて中流の半。
我馬 北に向いて嘶く,山猿は相い喚ぶを飲む。

水清く 石礧礧【らいらい】,沙白く灘漫漫。
迥然【けいぜん】として愁辛を洗う,多病 一び疏散す。
高壁 嶔崟【きんきん】に抵【こば】む,洪濤【こうとう】淩亂【りょうらん】を越す。風に臨みて獨り首を回す,轡を攬【と】るは 複た三嘆す。