村夜 杜甫 成都(3部)浣花渓の草堂(3 -14) 杜甫 <402> 五言律詩 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1955 杜甫詩1000-402-585/1500
詩 題:村夜 杜甫 成都(3部)浣花渓の草堂(3 -14)
作時760年10月杜甫49歳
掲 載; 杜甫1000首の402首目-#3 -14
杜甫ブログ1500回予定の-585回目
真冬の夜は何もすることがない。浣花渓の村、静かな夜のさまをのべる。
村夜
風色蕭蕭暮,江頭人不行。
真冬になりあたりの様子が寂しく変わって日も暮れる。錦江のほとりに行き交う船も通る人もない。
村舂雨外急,鄰火夜深明。
時雨の降りしきる中、遠くに水車の音が聞こえてくる。夜も更けて隣の家の明かりがずっと点いていて、目に残る。
胡羯何多難?漁樵寄此生。
それにつけてもどうして安史の叛乱軍はどうしてこういろんな難儀の輩なのだ。わたしはここで隠遁して山で芝刈りや、猟師の間に寄せて生きているので影響は及ばない。
中原有兄弟,萬裡正含情。
兄弟達はその洛陽・河南池方にいるのだ。遙か彼方のことをいろいろ考えると、まさにじっとふさぎこんでしまう。
(村 夜)
風色 粛粛として暮る、江頭 人行かず。
村春 雨外に急なる、隣火 夜深に明らかなり。
胡羯 何ぞ多難なる、漁樵 寄せて此に生す。
中原に兄弟有り、万里正に情を含む。
『村夜』 現代語訳と訳註
(本文)
村夜
風色蕭蕭暮,江頭人不行。
村舂雨外急,鄰火夜深明。
胡羯何多難?漁樵寄此生。
中原有兄弟,萬裡正含情。
(下し文)
(村 夜)
風色 粛粛として暮る、江頭 人行かず。
村春 雨外に急なる、隣火 夜深に明らかなり。
胡羯 何ぞ多難なる、漁樵 寄せて此に生す。
中原に兄弟有り、万里正に情を含む。
(現代語訳)
真冬になりあたりの様子が寂しく変わって日も暮れる。錦江のほとりに行き交う船も通る人もない。
時雨の降りしきる中、遠くに水車の音が聞こえてくる。夜も更けて隣の家の明かりがずっと点いていて、目に残る。
それにつけてもどうして安史の叛乱軍はどうしてこういろんな難儀の輩なのだ。わたしはここで隠遁して山で芝刈りや、猟師の間に寄せて生きているので影響は及ばない。
兄弟達はその洛陽・河南池方にいるのだ。遙か彼方のことをいろいろ考えると、まさにじっとふさぎこんでしまう。
(訳注)
村 夜
○村夜 江村の夜。
真冬の夜は何もすることがない。浣花渓の村、静かな夜のさまをのべる。
風色蕭蕭暮,江頭人不行。
真冬になりあたりの様子が寂しく変わって日も暮れる。錦江のほとりに行き交う船も通る人もない。
○江頭 錦江のほとり。
村舂雨外急,鄰火夜深明。
時雨の降りしきる中、遠くに水車の音が聞こえてくる。夜も更けて隣の家の明かりがずっと点いていて、目に残る。
○村春 むらびとの米つきのおと、水車を用いてつくのである。
○隣火 となりの家の火。
静かな中の、「風」「人」「雨」「音」「あかり」を描写することで何事もない夜の静けさをあらわす。ここまでの時と景色との動きの表現が素晴らしい。
胡羯何多難?漁樵寄此生。
それにつけてもどうして安史の叛乱軍はどうしてこういろんな難儀の輩なのだ。わたしはここで隠遁して山で芝刈りや、猟師の間に寄せて生きているので影響は及ばない。
○胡羯 安禄山・史思明の党。中国,魏晋南北朝時代の4世紀に北方に侵入した異民族の一つで,匈奴(きょうど)の一種族と考えられる。いわゆる〈五胡〉の一つ。華北に興亡した五胡十六国の一つの後趙(こうちょう)(319年―351年)を建国した石勒(せきろく)は羯人であった。
○漁樵 隠遁者。あるいはそのすること。
中原有兄弟,萬裡正含情。
兄弟達はその洛陽・河南池方にいるのだ。遙か彼方のことをいろいろ考えると、まさにじっとふさぎこんでしまう。
○中原 洛陽・河南池方。
○含情 じっとおもいをむねのうちにもつ。
(村 夜)
風色蕭蕭暮,江頭人不行。村舂雨外急,鄰火夜深明。
胡羯何多難?漁樵寄此生。中原有兄弟,萬裡正含情。
風色粛粛として暮る 江頭人行かず
村春雨外に急に 隣火夜深に明らかなり
胡掲何ぞ多難なる 樵漁に此の生を寄す
中原に兄弟有り 万里正に情を含む