寄楊五桂州譚

2013年2月21日 同じ日の紀頌之5つのブログ
●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、曹植の詩
Ⅰ李白と李白に影響を与えた詩贈白馬王彪 其五-#1 曹植(曹子建) 魏詩<44>文選 贈答二 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1958
●唐を代表する中唐の韓愈の儒家としての考えのよくわかる代表作の一つ
Ⅱ中唐詩・晩唐詩原道 韓愈(韓退之) 13段目-#2<115-23>Ⅱ中唐詩595 漢文委員会kanbuniinkai 紀頌之の漢詩ブログ1959
●杜甫の全作品1141首を取り上げて訳注解説 ●理想の地を求めて旅をする。"
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●これまで分割して掲載した詩を一括して掲載・改訂掲載・特集
Ⅳブログ漢・唐・宋詞詩集送杜十四之江南 孟浩然<34> kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞ブログ 1961 (02/21)
●森鴎外の小説 ”激しい嫉妬・焦燥に下女を殺してしまった『魚玄機』”といわれているがこれに疑問を持ち異なる視点で解釈して行く
Ⅴ.唐五代詞詩・宋詞詩・女性酬李郢夏日釣魚回見示 魚玄機  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-83-19  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1962
 
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謝靈運が傲慢で磊落だったというが彼の詩からはそれを感じさせるということは微塵もない。謝靈運、謝朓、孟浩然は好きな詩人である。
登永嘉緑嶂山詩 #1 謝霊運 <20> 詩集 386ー
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登池上樓 #1 謝霊運<25>#1  ー
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孟浩然の詩
http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/209mokonen01.html 孟浩然の詩 盛唐初期の詩人であるが謝霊運の詩に傾倒して山水詩人としてとてもきれいな詩を書いている。特に山水画のような病者の中で細やかな部分に動態を感じさせる表現力は素晴らしい。李商隠詩
http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/3991_rishoin000.html 李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。
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http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人 古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。
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http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
李商隠詩
http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150首
 



寄楊五桂州譚 杜甫 成都(3部)浣花渓の草堂(3 -17)  杜甫 <403> 五言律詩 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1960 杜甫詩1000-403-586/1500
 
詩 題:寄楊五桂州譚 杜甫 成都(3部)浣花渓の草堂(3 -17) 
作時760年10月杜甫49歳 
掲 載; 杜甫1000首の403首目-#3 -17
杜甫ブログ1500回予定の-586回目  
桂州の刺史楊譚のところへ、その参軍たる段某が赴任するのにつけて寄せた詩。
 中国の南の方は、暑くて毒気が充満しているので病気になるといわれている。桂州は南の方から北西の山に入っていくので生活するに毒気を考えなくてもよい場所だと述べます。当時、マラリアの発病は毒気から来ると思われていたのです。



寄楊五桂州譚
桂州の刺史楊譚によせる。
* 〔原注〕因州参軍段子之任
(成都より桂州の貴下のもとへ赴任する段君の送別に因んで。)
五嶺皆炎熱,宜人獨桂林。
五嶺地方はどこも暑いところで「炎熱」というマラリヤがはやっている。ところが、人体によろしいのはむかしから、ただ桂林ばかりであるという。
梅花萬裡外,雪片一冬深。
そこははるか万里の遠くに在るというのに梅の花がさくという、ただ奥深い所では冬中積雪も深いということだ。
聞此寬相憶,為邦複好音。
この話をきいてわたしはあなたを心配してたのが安堵に変わったのである。そんな場所で長官になるということはこんどはまことに良いお便りを聞くことであろうと思うのであります。
江邊送孫楚,遠附白頭吟。
ここ錦江のほとりでそちらへ段参軍が行かれるのを送り、そしてこの白髪頭が作った詩を送り届ける次第であります。

(楊五桂州譚に寄す)
*(州の参軍段子の任に之くに因る)。
五嶺は皆炎熱なり、人に宜しきは独り桂林のみ。
梅花 万里の外にあり、雪片 一冬に深きなり。
此れを聞いて相憶を寛にし 邦を為むる復好を音にす。
江辺 孫楚を送る 遠く附す白頭の吟。


natsusora01
 
『寄楊五桂州譚』 現代語訳と訳註
(本文)
寄楊五桂州譚
* 〔原注〕因州参軍段子之任
五嶺皆炎熱,宜人獨桂林。
梅花萬裡外,雪片一冬深。
聞此寬相憶,為邦複好音。
江邊送孫楚,遠附白頭吟。


(下し文)
(楊五桂州譚に寄す)
*(州の参軍段子の任に之くに因る)。
五嶺は皆炎熱なり、人に宜しきは独り桂林のみ。
梅花 万里の外にあり、雪片 一冬に深きなり。
此れを聞いて相憶を寛にし 邦を為むる復好を音にす。
江辺 孫楚を送る 遠く附す白頭の吟。


(現代語訳)
桂州の刺史楊譚によせる。(成都より桂州の貴下のもとへ赴任する段君の送別に因んで。)
五嶺地方はどこも暑いところで「炎熱」というマラリヤがはやっている。ところが、人体によろしいのはむかしから、ただ桂林ばかりであるという。
そこははるか万里の遠くに在るというのに梅の花がさくという、ただ奥深い所では冬中積雪も深いということだ。
この話をきいてわたしはあなたを心配してたのが安堵に変わったのである。そんな場所で長官になるということはこんどはまことに良いお便りを聞くことであろうと思うのであります。

ここ錦江のほとりでそちらへ段参軍が行かれるのを送り、そしてこの白髪頭が作った詩を送り届ける次第であります。

(訳注)
寄楊五桂州譚
* 〔原注〕因州参軍段子之任

桂州の刺史楊譚によせる。(成都より桂州の貴下のもとへ赴任する段君の送別に因んで。)
○楊五桂州譚 桂州の刺史楊譚。
○参軍段子 楊譚の部下の官である段某、段は成都より桂州へ赴任するのである。

韓愈の地図03

五嶺皆炎熱,宜人獨桂林。
五嶺地方はどこも暑いところで「炎熱」というマラリヤがはやっている。ところが、人体によろしいのはむかしから、ただ桂林ばかりであるという。
〇五嶺 広東・広酉の北にある五つの嶺、始安・越城・臨賀・大庚・腺嶺をいう。南蛮と呼ばれた地域でれきだい統治にも苦労した
竜門閣』 
目眩隕雜花,頭風吹過雨。百年不敢料,一墜那複取!
飽聞經瞿塘,足見度大庾。終身歷艱險,恐懼從此數!
○炎熱 昏炎瘴 炎熱の気、悪い水蒸気におおわれてくらい。瘴癘:マラリア。当時はムッとするような湿気を含んだ暖かい気候は毒ガスであると考えられていたことによる。杜甫『寄岳州賈司馬六丈、巴州嚴八使君兩閣老五十韻』夢李白  二首 其一
死別已吞聲、 生別常惻惻。  
江南瘴癘地、 逐客無消息。』
故人入我夢、 明我長相憶。
恐非平生魂、 路遠不可測。」
夢李白二首 其一 <230-#1>杜甫詩kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1118 杜甫特集700- 337

 ○桂林 桂州をいう、今の広酉省桂林府。


梅花萬裡外,雪片一冬深。
そこははるか万里の遠くに在るというのに梅の花がさくという、ただ奥深い所では冬中積雪も深いということだ。
○梅花 大庚嶺は最も梅を以て有名である、古来、桂林は梅が有名でこれを用いた。
○雪片 嶺南は北回帰線にあるため雪がなく、ただ桂林は北の冷気がおりやすい所にあるので冬雪がある。夏にも他所より涼しい地である。地図参照。


聞此寬相憶,為邦複好音。
この話をきいてわたしはあなたを心配してたのが安堵に変わったのである。そんな場所で長官になるということはこんどはまことに良いお便りを聞くことであろうと思うのである。
○此 梅があり、雪があるとのことをさす。
○寛相憶 おもうこころをくつろがす。心を落ち着ける。安堵する。
○為邦 桂州を治めること、其の地の長官であることをさす。
○好音 良い便り、思うに楊より書信のあったことをさすのであろう。


江邊送孫楚,遠附白頭吟。
ここ錦江のほとりでそちらへ段参軍が行かれるのを送り、そしてこの白髪頭が作った詩を送り届ける次第であります。
○江辺 錦江のほとり。 
○送孫楚 孫楚は晋の石笣の参軍であった。楊を石笣とみなし、段子を孫楚にあてていう。
○附 托すること。 
○白頭吟 此の詩篇をさす。杜甫が後輩の官僚に対して自分をさす言葉として、白頭を使う。 


寄楊五桂州譚
* 〔原注〕因州参軍段子之任
五嶺皆炎熱,宜人獨桂林。
梅花萬裡外,雪片一冬深。
聞此寬相憶,為邦複好音。
江邊送孫楚,遠附白頭吟。

(楊五桂州譚に寄す)
五嶺は皆炎熱なり 人に宜しきは独り桂林のみ
梅花万里の外 雪片一冬深し
此れを聞いて相憶を寛にす 邦を為むる復好音
江辺孫楚を送る 遠く附す白頭吟