獨酌 杜甫 成都(4部)浣花渓の草堂(4 - 23) 
一日の作業を終えて、草堂付近を散策して一人酒を愉しむ幸せを詩にしている。草堂2年目の晩春の日記。

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獨酌 杜甫 <428>  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2085 杜甫詩1000-428-611/1500



獨酌 杜甫 成都(4部)浣花渓の草堂(4 - 23)  
詩 題:獨酌 杜甫 成都(4部)浣花渓の草堂(4 - 23) 
作時761年3月杜甫50歳 掲 載; 杜甫1000首の428首目-場面4 – 23
杜甫ブログ1500回予定の-611回目



このシリーズは761年3月の日記と題したらいい様なものである。意味の上で連続性のある詩である。

DCF00096春水
三月桃花浪,江流複舊痕。朝來沒沙尾,碧色動柴門。
接縷垂芳餌,連筒灌小園。已添無數鳥,爭浴故相喧。
春の出水のことをのべた。詩題の「春水」は、草堂の建設から一年たった新津から帰っての3月の作である。この年は去年の春雪解けの水より、増水が多く、岸いっぱいに流れたのだ。数え切れないほどたくさんの水鳥がやってきている。互いに争うように水浴びをしてわざわざ、さわざたてているのだ。


江亭
坦腹江亭臥,長吟野望時。水流心不競,雲在意俱遲。
寂寂春將晚,欣欣物自私。故林歸未得,排悶強裁詩。
江のほとりの亭で、おそらく四方に壁のない四阿出会ったのだろう。考えを変えて前向きになるためにこの詩をつくるのである。


早起
春來常早起,幽事頗相關。帖石防頹岸,開林出遠山。
一丘藏曲折,緩步有躋攀。童樸來城市,瓶中得酒還。
自分はいつも早く起きる。それは隠者の自覚をしっかり持ってきたため庭仕事にかかりあうのがたのしいためである。彼は瓶のなかにたのんでいた春の新酒を得てかえってきたのである。


可惜
花飛有底急?老去願春遲。可惜歡娛地,都非少壯時。
寬心應是酒,遣興莫過詩。此意陶潛解,吾生後汝期。
隠遁者の心持は陶淵明が理解していたのだ。私が生まれたのが彼より遅いのであるが彼の境地に達していないのではないだろうかと思っている。


落日
落日在簾鉤,溪邊春事幽。芳菲緣岸圃,樵爨倚灘舟。
啅雀爭枝墜,飛蟲滿院遊。濁醪誰造汝?一酌散千愁。
わたしはひとり酒をのむ。いったいこの楽しい酒をだれがつくりはじめたものか、知らない分けではないけれど、それをちょっとまたいっぱいのめば千万の心配ごとがみな散りうせるものである。


獨酌
步屧深林晚,開樽獨酌遲。仰蜂粘落絮,行蟻上枯梨。
簿劣慚真隱,幽偏得自怡。本無軒冕意,不是傲當時。
家の周りで履く履物で林の奥の方を歩くと日が落ちて暗くなっている。そうすると、酒の樽を開きのんびりと一人酒とするのだ。
  
徐步
整履步青蕪,荒庭日欲晡。芹泥隨燕觜,花蕊上蜂須。
把酒從衣濕,吟詩信杖扶。敢論才見忌?實有醉如愚。
 

寒食
寒食江村路,風花高下飛。汀煙輕冉冉,竹日淨暉暉。
田父要皆去,鄰家問不違。地偏相識盡,雞犬亦忘歸。
  
石鏡
蜀王將此鏡,送死置空山。冥寞憐香骨,提攜近玉顏。
眾妃無複歡,千騎亦虛還。獨有傷心石,埋輪月宇間。 
  
ocha00琴台
茂陵多病後,尚愛卓文君。酒肆人間世,琴台日暮雲。
野花留寶靨,蔓草見羅裙。歸鳳求凰意,寥寥不複聞。


獨酌
步屧深林晚,開樽獨酌遲。
家の周りで履く履物で林の奥の方を歩くと日が落ちて暗くなっている。そうすると、酒の樽を開きのんびりと一人酒とするのだ。
仰蜂粘落絮,行蟻上枯梨。
上の方では蜂がぶら下がった巣にはちみつ溜めている。有の行列はかれかけた梨の実にのぼっている。(こんな夕暮れになってもよく働くものだ))
簿劣慚真隱,幽偏得自怡。
役所での記帳する詩語とは全く苦手であったそれもあってこうして隠遁生活に入ったことは少し慚ことではあるが、こうしたひっそりとした片田舎というものの生活は自然とのんびりできることを喜びをえることができるのだ。
本無軒冕意,不是傲當時。

もともと、天子の車についたり、 高位高官になることなど自分の本位ではなかったのだ。しかし、だからといってもしその時が来てどうなのかといわれれば侮られることはないようにはしておきたいと思っている。

(獨酌)
步屧【ほしょう】深林の晚,樽を開けて獨酌遲し。
仰蜂 落絮に粘し,行蟻 枯梨に上る。
簿劣 真に隱すを慚じ,幽偏 自ら怡ぶことを得る。
本【もとも】と軒冕【けんべん】の意無く,是れ時に當って傲【あなど】らず。


『獨酌』 現代語訳と訳註
(本文)
步屧深林晚,開樽獨酌遲。
仰蜂粘落絮,行蟻上枯梨。
簿劣慚真隱,幽偏得自怡。
本無軒冕意,不是傲當時。


(下し文) (獨酌)
步屧【ほしょう】深林の晚,樽を開けて獨酌遲し。
仰蜂 落絮に粘し,行蟻 枯梨に上る。
簿劣 真に隱すを慚じ,幽偏 自ら怡ぶことを得る。
本【もとも】と軒冕【けんべん】の意無く,是れ時に當って傲【あなど】らず。


(現代語訳)
家の周りで履く履物で林の奥の方を歩くと日が落ちて暗くなっている。そうすると、酒の樽を開きのんびりと一人酒とするのだ。
上の方では蜂がぶら下がった巣にはちみつ溜めている。有の行列はかれかけた梨の実にのぼっている。(こんな夕暮れになってもよく働くものだ))
役所での記帳する詩語とは全く苦手であったそれもあってこうして隠遁生活に入ったことは少し慚ことではあるが、こうしたひっそりとした片田舎というものの生活は自然とのんびりできることを喜びをえることができるのだ。
もともと、天子の車についたり、 高位高官になることなど自分の本位ではなかったのだ。しかし、だからといってもしその時が来てどうなのかといわれれば侮られることはないようにはしておきたいと思っている。


(訳注)
獨酌

早起きをして作業し、夕方になるとしもべの子に飼った鼓させたお酒を一人で飲む。


步屧深林晚,開樽獨酌遲。
家の周りで履く履物で林の奥の方を歩くと日が落ちて暗くなっている。そうすると、酒の樽を開きのんびりと一人酒とするのだ。
步屧 ふだんのはきもの。屧 しきわら。くつしき。


仰蜂粘落絮,行蟻上枯梨。
上の方では蜂がぶら下がった巣にはちみつ溜めている。有の行列はかれかけた梨の実にのぼっている。(こんな夕暮れになってもよく働くものだ))
・この二句は、自分は朝早起きをして、農業をしているが夕暮れになっての楽しみはお酒を呑むことであるということであるが、この蜂と蟻の観察にこそ杜甫の変化を示すものである。この頃からの観察が細やかなものに向けられることが出てきているのである。農業が好きになったのではないだろうか。


簿劣慚真隱,幽偏得自怡。
役所での記帳する詩語とは全く苦手であったそれもあってこうして隠遁生活に入ったことは少し慚ことではあるが、こうしたひっそりとした片田舎というものの生活は自然とのんびりできることを喜びをえることができるのだ。
・簿劣 紙をとじた冊子。帳面。帳簿。会計簿。
・自怡 自然とのんびりできることを喜ぶ。


本無軒冕意,不是傲當時。
もともと、天子の車についたり、 高位高官になることなど自分の本位ではなかったのだ。しかし、だからといってもしその時が来てどうなのかといわれれば侮られることはないようにはしておきたいと思っている。
・軒冕 1 古代中国で、大夫(たいふ)以上の人の乗る車と、かぶる冠。 2 高位高官。また、その人。
李白『贈孟浩然
吾愛孟夫子、風流天下聞。
紅顔棄軒冕、白首臥松雲。
酔月頻中聖、迷花不事君。
高山安可仰、従此揖清芬。
贈孟浩然 李白14

・不是傲當時 何か事があってそれに立ち向かうとすれば、人に侮られることなどないようにしようと思っている、というほどの意味。それが隠遁者の心の準備というものであろう。隠遁していることは『三顧の礼』で迎えられたいということを心に思って生活しているのである。
しかし始祖の事は積極的に仕官したいというのとは違うのである。