高楠 杜甫 成都(4部)浣花渓の草堂(4 - 30) 


2013年3月25日 同じ日の紀頌之5つのブログ
●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩
Ⅰ李白と李白に影響を与えた詩薤露行 曹植 魏<58-#2> 女性詩714 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2118
●唐を代表する中唐の韓愈の儒家としての考えのよくわかる代表作の一つ
Ⅱ中唐詩・晩唐詩原毀 韓愈(韓退之) <119-#10>Ⅱ中唐詩627 漢文委員会kanbuniinkai 紀頌之の漢詩ブログ2119
●杜甫の全作品1141首を取り上げて訳注解説 ●理想の地を求めて旅をする。"
Ⅲ杜甫詩1000詩集高楠 杜甫 <435>  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2120 杜甫詩1000-435-618/1500
●これまで分割して掲載した詩を一括して掲載・改訂掲載・特集  不遇であった詩人だがきめの細やかな山水詩をかいている
Ⅳブログ漢・唐・宋詞詩集過白岸亭 謝霊運<24> kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞ブログ 2121 (03/25)
●森鴎外の小説 ”激しい嫉妬・焦燥に下女を殺してしまった『魚玄機』”といわれているがこれに疑問を持ち異なる視点で解釈して行く。唐時代にここまで率直な詩を書く女性が存在した奇跡の詩
Ⅴ.唐五代詞詩・宋詞詩・女性迎李近仁員外 魚玄機  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-115-50-#  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2122
 
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謝靈運詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/1901_shareiun000.html 謝靈運詩 六朝期の山水詩人。この人の詩は上品ですがすがしい男性的な深みのある詩である。後世に多大な影響を残している。
謝靈運が傲慢で磊落だったというが彼の詩からはそれを感じさせるということは微塵もない。謝靈運、謝朓、孟浩然は好きな詩人である。
登永嘉緑嶂山詩 #1 謝霊運 <20> 詩集 386ー http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67474554.html
登池上樓 #1 謝霊運<25>#1  ー http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67502196.html
孟浩然の詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/209mokonen01.html 孟浩然の詩 盛唐初期の詩人であるが謝霊運の詩に傾倒して山水詩人としてとてもきれいな詩を書いている。特に山水画のような病者の中で細やかな部分に動態を感じさせる表現力は素晴らしい。

李商隠詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/3991_rishoin000.html
李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。
女性詩人 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人 古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。
孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
李商隠詩 http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150首

 
高楠 杜甫 <435>  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2120 杜甫詩1000-435-618/1500


詩 題:高楠 杜甫 成都(4部)浣花渓の草堂(4 - 30) 
作時761年3月杜甫50歳 
掲 載; 杜甫1000首の435首目-場面4 – 30
杜甫ブログ1500回予定の-618回目   40728
1168高楠

高楠
楠樹色冥冥,江邊一蓋青。
楠の大樹が鬱蒼と茂って大きな影を作る。濯錦江の川面の木の陰で蓋をするかのようである。
近根開藥圃,接葉製茅亭。
大樹の根の近くに薬草畑で菜園をする。楠の大樹の葉が我が草堂のカヤぶきの屋根の更に二重の屋根を作ってくれている。
落景陰猶合,微風韻可聽。
雄飛のころになると家の影をさらにつつみこむだけの影を落としている。わずかな風がそよいでくると葉音が聞こえ、風化枝を抜けると音が和音として聞える。
尋常絕醉困,臥此片時醒。

まわりからするとこのわずかな広さの中で酔って乱れたりすることはないのだが、ここでしばらくの間横になり、暫くして目を覚ますひと時を過ごすのである。
(高楠)
楠樹【なんじゅ】色 冥冥【めいめい】とし,江邊【こうへん】 一蓋【いちがい】青とす。
根を近くして藥圃【やくほ】を開き,葉に接りて茅亭【ぼうてい】を製す。
落景 猶合【ゆうごう】陰し,微風 韻して聽く可し。
尋常 醉【すいこん】を絕ち,此に臥して片時【へんじ】醒【めざめ】る。


『高楠』 現代語訳と訳註
草堂002(本文)
高楠
楠樹色冥冥,江邊一蓋青。
近根開藥圃,接葉製茅亭。
落景陰猶合,微風韻可聽。
尋常絕醉困,臥此片時醒。


(下し文)
(高楠)
楠樹【なんじゅ】色 冥冥【めいめい】とし,江邊【こうへん】 一蓋【いちがい】青とす。
根を近くして藥圃【やくほ】を開き,葉に接りて茅亭【ぼうてい】を製す。
落景 猶合【ゆうごう】陰し,微風 韻して聽く可し。
尋常 醉【すいこん】を絕ち,此に臥して片時【へんじ】醒【めざめ】る。


(現代語訳)
楠の大樹が鬱蒼と茂って大きな影を作る。濯錦江の川面の木の陰で蓋をするかのようである。
大樹の根の近くに薬草畑で菜園をする。楠の大樹の葉が我が草堂のカヤぶきの屋根の更に二重の屋根を作ってくれている。
雄飛のころになると家の影をさらにつつみこむだけの影を落としている。わずかな風がそよいでくると葉音が聞こえ、風化枝を抜けると音が和音として聞える。
まわりからするとこのわずかな広さの中で酔って乱れたりすることはないのだが、ここでしばらくの間横になり、暫くして目を覚ますひと時を過ごすのである。


(訳注)
kokage01高楠
家の近くにおおきなクスノキがある。杜甫はこの場所が好きだったようだ。杜甫草堂の家を目指すのに遠くからの目標物となった大木である。761年夏の作。


楠樹色冥冥,江邊一蓋青。
楠の大樹が鬱蒼と茂って大きな影を作る。濯錦江の川面の木の陰で蓋をするかのようである。
・冥冥 /瞑瞑 1 暗いさま。2 おくぶかくとおいさま。事情がはっきりせず、見通しの立たないさま。3.人の目に着かないこと。4.愚かなさま。無知なこと。


近根開藥圃,接葉製茅亭。
大樹の根の近くに薬草畑で菜園をする。楠の大樹の葉が我が草堂のカヤぶきの屋根の更に二重の屋根を作ってくれている。
・藥圃 薬草畑。
・接葉 接:つぐ。つづける。つらなる。まじわる。うけとる。てにとる。
・製 裁断する。作る。着物。鄭歳。


落景陰猶合,微風韻可聽。
雄飛のころになると家の影をさらにつつみこむだけの影を落としている。わずかな風がそよいでくると葉音が聞こえ、風化枝を抜けると音が和音として聞える。
・落景 夕日のひかり。夕日の影。
・韻 響き。音色。詩賦。韻を踏む。趣。様子。気風。好み。趣向。


尋常絕醉困,臥此片時醒
まわりからするとこのわずかな広さの中で酔って乱れたりすることはないのだが、ここでしばらくの間横になり、暫くして目を覚ますひと時を過ごすのである。
・尋常 1尋と1常(1尋の2倍)で、普通の長さの意。八尺と一丈六尺。わずかなながさ、ひろさ。 特別でなく、普通であること。また、そのさま。あたりまえ。「―な(の)方法では完成しない」「精神状態が―でない」  見苦しくないこと。目立たず上品なこと。りっぱ。けなげ。すなお。
醉困 酔って乱れ疲れる。
・片時 一時(いつとき)の半分の意ほんのわずかな時間。一瞬。