江畔獨步尋花七絕句 其七 杜甫 成都(4部)浣花渓の草堂(4 - 38)  



2013年4月3日 同じ日の紀頌之5つのブログ
●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩
Ⅰ李白と李白に影響を与えた詩種葛篇 曹植 魏詩<62-#1> 女性詩722 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2158
●唐を代表する中唐の韓愈の儒家としての考えのよくわかる代表作の一つ
Ⅱ中唐詩・晩唐詩九辯 第三段-#2 宋玉  <00-#6回目>Ⅱもっとも影響を与えた詩文 635 漢文委員会kanbuniinkai 紀頌之の漢詩ブログ2159
●杜甫の全作品1141首を取り上げて訳注解説 ●理想の地を求めて旅をする。"
Ⅲ杜甫詩1000詩集江畔獨步尋花七絕句 其七 成都浣花渓 杜甫 <443>  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2160 杜甫詩1000-443-626/1500
●これまで分割して掲載した詩を一括して掲載・改訂掲載・特集  不遇であった詩人だがきめの細やかな山水詩をかいている
Ⅳブログ漢・唐・宋詞詩集斎中讀書 謝霊運<32> kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞ブログ 2161 (04/02)
●森鴎外の小説 ”激しい嫉妬・焦燥に下女を殺してしまった『魚玄機』”といわれているがこれに疑問を持ち異なる視点で解釈して行く。唐時代にここまで率直な詩を書く女性が存在した奇跡の詩
Ⅴ.唐五代詞詩・宋詞詩・女性聯句 光威裒姉妹三人、小孤而始姸乃有是作。・・・因次其韻。-#5 魚玄機  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-123--#5  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2162
 
 ■今週の人気記事(漢詩の5ブログ各部門)
 ■主要詩人の一覧・詩目次・ブログindex

安世房中歌十七首(1) 唐山夫人 漢詩 http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67710265.html
為焦仲卿妻作 序 漢詩<143>古詩源 巻三 女性詩 http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67729401.html
於凊河見輓船士新婚別妻一首 曹丕(魏文帝) 魏詩 http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67759129.html
朔風 (一章) 曹植 魏詩<25-#1>文選 雑詩 上  http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67780868.html
謝靈運詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/1901_shareiun000.html 謝靈運詩 六朝期の山水詩人。この人の詩は上品ですがすがしい男性的な深みのある詩である。後世に多大な影響を残している。
謝靈運が傲慢で磊落だったというが彼の詩からはそれを感じさせるということは微塵もない。謝靈運、謝朓、孟浩然は好きな詩人である。
登永嘉緑嶂山詩 #1 謝霊運 <20> 詩集 386ー http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67474554.html
登池上樓 #1 謝霊運<25>#1  ー http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67502196.html
孟浩然の詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/209mokonen01.html 孟浩然の詩 盛唐初期の詩人であるが謝霊運の詩に傾倒して山水詩人としてとてもきれいな詩を書いている。特に山水画のような病者の中で細やかな部分に動態を感じさせる表現力は素晴らしい。

李商隠詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/3991_rishoin000.html
李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。
女性詩人 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人 古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。
孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
李商隠詩 http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150首

 

江畔獨步尋花七絕句 其七 成都浣花渓 杜甫 <443>  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2160 杜甫詩1000-443-626/1500

詩 題:江畔獨步尋花七絕句 杜甫 成都(4部)浣花渓の草堂(4 - 38) 
作時761年5月杜甫50歳 
掲 載; 杜甫1000首の443首目-場面4 – 38
杜甫ブログ1500回予定の-626回目   40736




7
江畔獨步尋花七絕句 其七 
不是愛花即欲死,只恐花盡老相催。
この浣花渓に住まいして花を愛すことだできないくらいなら死んでもかまわないと思う。ただ今、恐れていることは、花が散り尽くすこと、わが身に老いていくことがたがいに起こり進んでいることだ。
繁枝容易紛紛落,嫩蕊商量細細開。

この庭にもいっぱいに花をつけた枝があり、すぐにハラハラ散りやすい様子である。わかい花の蕊たちは相談し合って小さくていい、少しずつ咲かせてほしいとおもっている。

是れ花を愛するならずんば即ち死せんと欲す、只だ恐る花盡きて老の相い催【もよお】さむことを。
繁枝は容易に紛紛として落ち、嫩蕊【どんずい】は商量して細細に開かん。


『江畔獨步尋花七絕句 其七』 現代語訳と訳註

花蕊と蜂01(本文) 江畔獨步尋花七絕句 其七 
不是愛花即欲死,只恐花盡老相催。
繁枝容易紛紛落,嫩蕊商量細細開。


(下し文)
是れ花を愛するならずんば即ち死せんと欲す、只だ恐る花盡きて老の相い催【もよお】さむことを。
繁枝は容易に紛紛として落ち、嫩蕊【どんずい】は商量して細細に開かん。


(現代語訳)
この浣花渓に住まいして花を愛すことだできないくらいなら死んでもかまわないと思う。ただ今、恐れていることは、花が散り尽くすこと、わが身に老いていくことがたがいに起こり進んでいることだ。
この庭にもいっぱいに花をつけた枝があり、すぐにハラハラ散りやすい様子である。わかい花の蕊たちは相談し合って小さくていい、少しずつ咲かせてほしいとおもっている。


(訳注)
江畔獨步尋花七絕句 其七 
江のほとりをひとりあるいて花をたずねてつくった詩。杜甫は陶淵明の気分であり、浣花渓は文字通り桃源郷なのだ。
上元二年の晩春から夏の作である。

不是愛花即欲死,只恐花盡老相催。
この浣花渓に住まいして花を愛すことだできないくらいなら死んでもかまわないと思う。ただ今、恐れていることは、花が散り尽くすこと、わが身に老いていくことがたがいに起こり進んでいることだ。


繁枝容易紛紛落,嫩蕊商量細細開。
この庭にもいっぱいに花をつけた枝があり、すぐにハラハラ散りやすい様子である。わかい花の蕊たちは相談し合って小さくていい、少しずつ咲かせてほしいとおもっている。
・繁枝 いっぱい花をつけている枝。
・紛々 盛んに乱れる形容。
・嫩蕊 嫩はわかい。蕊は花のずい。
・商量 相談する。考えはかる。




寒梅901


江畔濁歩尋花七絶句


江上被花惱不徹,無處告訴只顛狂。
走覓南鄰愛酒伴,經旬出飲獨空床。

稠花亂蕊裹江濱,行步敧危實怕春。
詩酒尚堪驅使在,未須料理白頭人。

江深竹靜兩三家,多事紅花映白花。
報答春光知有處,應須美酒送生涯。

東望少城花滿煙,百花高樓更可憐。
誰能載酒開金盞,喚取佳人舞繡筵?

黃師塔前江水東,春光懶困倚微風。
桃花一簇開無主,可愛深紅愛淺紅?

黃四娘家花滿蹊,千朵萬朵壓枝低。
留連戲蝶時時舞,自在嬌鶯恰恰啼。

不是愛花即欲死,只恐花盡老相催。
繁枝容易紛紛落,嫩蕊商量細細開。





1
江上被花惱不徹,無處告訴只顛狂。
浣花渓の水面にまで花がせき、乱れ散るのに私を悩ませるのはこの花を見るのを盡し切れないことがあるからだ。そのことを訴えようにも訴えるところがないのだ。真剣に考えるあまり、ほかの事が全く考えられないほどになっている。
走覓南鄰愛酒伴,經旬出飲獨空床。
そこで南隣の隣人であり酒を愛し、酒の友である、朱山人の斛斯六官の所へ急いて来てみたのである。するとどうも酒を呑みに行って10日前後もたっているだろうその部屋には空しく寝台がポツンと一つあるだけである。
2
稠花亂蕊裹江濱,行步敧危實怕春。
多くの花がさきあふれ、花びらが落ち始め、みだれた花蕊がむき出しになるものが出始める晩春の濯錦江のほとりをつつみかこんでいる、それをながめながらあるく自分の足つきは酒によってあぶなげであり、これでは酒をすすませる春をおそろしいものとおもう。
詩酒尚堪驅使在,未須料理白頭人。
そうはいってもまだわたしは詩と酒に充分にこきつかわれているわけでもないし、十分存在かんをたもっているのである。まだまだ、この白髪のあたまの隠棲者を料理されるほどくたばってはいないのだ。(まだまだ飲めるぞ)


江深竹靜兩三家,多事紅花映白花。
濯錦江のくびれは水面深く、竹林のしずけさをおとしている三軒の家がある。それなのになやまされる沢山の事が、今もこうして赤い花が咲き、白い花がさきほこるのである。
報答春光知有處,應須美酒送生涯。
これに加えて春の暖かい光がここに降り注ぐところがあることを知るので、子ににも酬答えてやらねばいけないのである。だから春の新酒の美酒を用意してわが生涯における今のこのひと時を送ろうというのである。


東望少城花滿煙,百花高樓更可憐。
自分の家から東のかた少城をながめると花にいっぱい咲き、朝もやに包まれている。百か繚乱の向こうに高楼があり、そこからの景色がとても良くてうらやましく思われるものでだろう。
誰能載酒開金盞,喚取佳人舞繡筵?
成都のまちではだれがそこへ満載した酒をもってきて金の新酒の甕壺を開き、美人たちをよんで花の宴のうつくしい筵で舞をさせて見せてくれるだろう。

5
黃師塔前江水東,春光懶困倚微風。
私の家から濯錦江の東側に江水を前にして黄法師の墓がある。春の風光のなかひとり歩くのも暖かで体も気怠くなり、ひとやすみするとそよ風に気怠い心を支えられる。
桃花一簇開無主,可愛深紅愛淺紅?

そこには桃の花がひとかたまり咲いている、見てくれる主もなく咲いているのだ。しかし、わたしはその愛する花のなかで紅色を愛すべきなのか、うす紅色の花を愛すべきなのか考えるが、どちらも美しくさいているのだ。だからどちらも愛すべきなのだ。

6
黃四娘家花滿蹊,千朵萬朵壓枝低。
黄師塔のちかくに黄さんの四番目の老婆の家があり、花がいっぱいに咲き乱れた小路がある。そこには千のえだに、万の枝に花をつけていて、花の重さで枝は低く垂れている。
留連戲蝶時時舞,自在嬌鶯恰恰啼。

その花には長が戯れて舞っており、そこを去ることを知らず居つづけている、千朵萬朵の花枝のかごのなかに可愛がられている鶯がいて、おもしろく自由にホーッ、ホケキョと啼いている。

7
不是愛花即欲死,只恐花盡老相催。
この浣花渓に住まいして花を愛すことだできないくらいなら死んでもかまわないと思う。ただ今、恐れていることは、花が散り尽くすこと、わが身に老いていくことがたがいに起こり進んでいることだ。
繁枝容易紛紛落,嫩蕊商量細細開。

この庭にもいっぱいに花をつけた枝があり、すぐにハラハラ散りやすい様子である。わかい花の蕊たちは相談し合って小さくていい、少しずつ咲かせてほしいとおもっている。