絶句漫興九首其四 杜甫 成都(5部)浣花渓の草堂(4 - 43)  


2013年4月6日 同じ日の紀頌之5つのブログ
●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩
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●唐を代表する中唐の韓愈の儒家としての考えのよくわかる代表作の一つ
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●杜甫の全作品1141首を取り上げて訳注解説 ●理想の地を求めて旅をする。"
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●これまで分割して掲載した詩を一括して掲載・改訂掲載・特集  不遇であった詩人だがきめの細やかな山水詩をかいている
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Ⅴ.唐五代詞詩・宋詞詩・女性光・威・裒、姉妹三人の『七言聯句』と魚玄機『光・威・裒、姉妹三人・・・・・因次其韻。』 魚玄機  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-127--#9  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2182
 
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絶句漫興九首 其四 成都浣花渓 杜甫 <448>  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2185 杜甫詩1000-448-631/1500



詩 題:絶句漫興九首其四 杜甫 成都(5部)浣花渓の草堂(4 - 43) 
作時761年3・4・5月頃杜甫50歳 
掲 載; 杜甫1000首の448首目-場面4 – 43
杜甫ブログ1500回予定の-631回目   40741



4-40.
絶句漫興 九首 其一
眼見客愁愁不醒,無賴春色到江亭。
旅客になってその愁いを目を凝らしてみるようになったがその愁いは未だに目覚め、晴れてはくれない。官を辞して仕事に就くことのない生活であるがこの春景色の中でここ浣花渓に面したところに四阿を作るまでになったのである。
即遣花開深造次,便教鶯語太丁寧。
即ち、花が咲き誇るのを奥深い所まで僅かの時をずらして咲くようにしたことであり、即ち、鶯が春を告げてくれるのが花の咲くのに合わせて丁寧に教えてくれるようになっている。

4-41 絶句漫興 九首 其二
手種桃李非無主,野老牆低還是家。

濯錦江の私の農園を「浣花」の花園にする計画で自分が手ずから種えた桃や李は他の主がないところで花を咲かせているものとは同じであるわけはない。一昨年この地にきて隠棲しているこの老人の家の墻はたしかに低いにはひくいがそれでも隠棲している家としてはこんなものだ。
恰似春風相欺得,夜來吹折數枝花。
それにしてもこの隠棲して気に入っている農園を、まるで春風に侮辱されたようなものである、それというのも、ゆうぺからの突風で二三本花の枝が吹き折られてしまったのである。

4-42 絶句漫興 九首 其三
熟知茅齋絕低小,江上燕子故來頻。
銜泥點汙琴書內,更接飛蟲打著人。
もうよく知っているはずであるのだが我家の茅で葺いた家に極端に低くて小さい所に、濯錦江の上に飛んでいるつばめが頻繁にやってくる。
泥を口に銜え巣作りをして懸命にするのはいいのだが、わたしの琴や書籍と部屋内にそれを落して汚していくのだ。そしてさらによくあることは、飛んで行って虫を取るのだけれど家の中から出てきた人にぶっつかってしまうこともあるのだ。

4-43 絶句漫興 九首 其四
二月已破三月來,漸老逢春能幾回。
二月終わってしまって三月がやって来た。ようやく春をここで迎えたがいくつか廻ってきた分だけ老いたのだ。(でも、いい春をむかえたなあ。)
莫思身外無窮事,且盡生前有限杯。

確かに、故郷を離れ、官から離れているけれど仕事を責任を持ち突き詰めてやることはないのである。そしてこの生涯、どんなに頑張っても酒を呑めることには限りがあるというものだ。
(だから心行くまで呑み続けたいものだ。)

二月は已破【や】みて三月來り,漸【ようや】く逢春 能く幾回するも老ゆ。
身外 窮事する無く思う莫れ,且つ盡すは生前 杯に限り有る。

珠櫻003










『絕句漫興九首』其四 現代語訳と訳註
(本文)

二月已破三月來,漸老逢春能幾回。
莫思身外無窮事,且盡生前有限杯。


(下し文)
二月は已破【や】みて三月來り,漸【ようや】く逢春 能く幾回するも老ゆ。
身外 窮事する無く思う莫れ,且つ盡すは生前 杯に限り有る。


(現代語訳)
二月終わってしまって三月がやって来た。ようやく春をここで迎えたがいくつか廻ってきた分だけ老いたのだ。(でも、いい春をむかえたなあ。)

確かに、故郷を離れ、官から離れているけれど仕事を責任を持ち突き詰めてやることはないのである。そしてこの生涯、どんなに頑張っても酒を呑めることには限りがあるというものだ。
(だから心行くまで呑み続けたいものだ。)


(訳注) 4 
二月已破三月來,漸老逢春能幾回。
二月終わってしまって三月がやって来た。ようやく春をここで迎えたがいくつか廻ってきた分だけ老いたのだ。(でも、いい春をむかえたなあ。)
○已破 やむ。破は強意の助詞。「読破」
・杜甫は春を迎えるにつけて、前の年とこの年の春だけ、平穏に迎えている。杜甫にとっては前年より幸福感が大きいはずで、そうした意味を込めてこの二句を作る。


莫思身外無窮事,且盡生前有限杯。
確かに、故郷を離れ、官から離れているけれど仕事を責任を持ち突き詰めてやることはないのである。そしてこの生涯、どんなに頑張っても酒を呑めることには限りがあるというものだ。(だから心行くまで呑み続けたいものだ。)
身外 故郷を離れ、官から離れていること。
○窮事 仕事を責任を持ち突き詰めてやること。
○有限 一定の限界がある。杜甫『前出塞九首 其六』「殺人亦有限,列國自有疆。」人はことごとく殺しつくせるわけのものでない。
江畔独歩尋花

成都(4)杜甫関連図