絶句漫興九首其五 杜甫 成都(5部)浣花渓の草堂(4 - 44)  


2013年4月7日 同じ日の紀頌之5つのブログ
●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩
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●唐を代表する中唐の韓愈の儒家としての考えのよくわかる代表作の一つ
Ⅱ中唐詩・晩唐詩九辯 第五段-#1 宋玉  <00-#11>Ⅱもっとも影響を与えた詩文 640 漢文委員会kanbuniinkai 紀頌之の漢詩ブログ2184
●杜甫の全作品1141首を取り上げて訳注解説 ●理想の地を求めて旅をする。"
Ⅲ杜甫詩1000詩集絶句漫興九首 其五 成都浣花渓 杜甫 <449>  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2190 杜甫詩1000-449-632/1500
●これまで分割して掲載した詩を一括して掲載・改訂掲載・特集  不遇であった詩人だがきめの細やかな山水詩をかいている
Ⅳブログ漢・唐・宋詞詩集夜宿石門詩 謝霊運<37>kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞ブログ 2186 (04/07)
●森鴎外の小説 ”激しい嫉妬・焦燥に下女を殺してしまった『魚玄機』”といわれているがこれに疑問を持ち異なる視点で解釈して行く。唐時代にここまで率直な詩を書く女性が存在した奇跡の詩
Ⅴ.唐五代詞詩・宋詞詩・女性折楊柳 魚玄機  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-128-56-#  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2187
 
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絶句漫興九首 其五 成都浣花渓 杜甫 <449>  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2190 杜甫詩1000-449-632/1500


詩 題:絶句漫興九首其五 杜甫 成都(5部)浣花渓の草堂(4 - 44) 
作時761年3・4・5月頃杜甫50歳 
掲 載; 杜甫1000首の449首目-場面4 – 44
杜甫ブログ1500回予定の-632回目



4 – 44絶句漫興 九首 其五 
腸斷春江欲盡頭,杖藜徐步立芳洲。
春についての思いの高まりが消失していく濯錦江に春景色が終わろうとしている。仙人が持つ藜の杖をついておもむろにあるき、そして花が咲き誇り香が漂う中洲に立つのである。
顛狂柳絮隨風去,輕薄桃花逐水流。

柳絮が吹雪のように飛び交いまるで狂うほど乱舞し、強いか座が吹いて遠く飛ばされている。桃の花がさいてはいるが値打ちが低くなっている落ちた花弁は水の流れに消えていくのである。
杏の花001
腸斷 春江 盡きんと欲するの頭【ほと】り,藜【あかざ】に杖して徐【おもむろ】に步み芳洲に立つ。
顛狂 柳絮 風に隨って去り,輕薄 桃花 水流に逐う。




『絕句漫興九首』其五 現代語訳と訳註
(本文)

腸斷春江欲盡頭,杖藜徐步立芳洲。
顛狂柳絮隨風去,輕薄桃花逐水流。


(下し文)
腸斷 春江 盡きんと欲するの頭【ほと】り,藜【あかざ】に杖して徐【おもむろ】に步み芳洲に立つ。
顛狂 柳絮 風に隨って去り,輕薄 桃花 水流に逐う。


(現代語訳)

初夏001春についての思いの高まりが消失していく濯錦江に春景色が終わろうとしている。仙人が持つ藜の杖をついておもむろにあるき、そして花が咲き誇り香が漂う中洲に立つのである。
柳絮が吹雪のように飛び交いまるで狂うほど乱舞し、強いか座が吹いて遠く飛ばされている。桃の花がさいてはいるが値打ちが低くなっている落ちた花弁は水の流れに消えていくのである。


(訳注)
絶句漫興九首(絶句漫興 九首)
興にふれてふとつくった絶句、上元二年春浣花の草堂にあっての作

  
腸斷春江欲盡頭,杖藜徐步立芳洲。
春についての思いの高まりが消失していく濯錦江に春景色が終わろうとしている。仙人が持つ藜の杖をついておもむろにあるき、そして花が咲き誇り香が漂う中洲に立つのである。
○腸斷 思いのたかまりが消失していくこと。
○春江 春景色の濯錦江。
○欲盡頭 春を盛りにしていた景色の構成要素が消滅していくこと。
○藜 アカザ科の一年草。空き地や路傍に生え、高さ約1.5メートル。茎は堅い。葉はひし形に近い卵形で、縁は波形。若葉は紅色をし、食べられる。晩夏、黄緑色の小花が穂状に密生する。中国の原産。近縁種にシロザがある。仙人にとっては必携の「アカザの杖(あかざのつえ)」であるが、中風の予防になるとして昔から有名である。
江畔独歩尋花○徐步 おもむろにあるく。杜甫『徐步』
整履步青蕪,荒庭日欲晡。芹泥隨燕觜,花蕊上蜂須。
把酒從衣濕,吟詩信杖扶。敢論才見忌?實有醉如愚。
おもむろにあるく。前詩『獨酌』では酔っていない段階の詩を書き、酔い覚ましに散歩した様子を詠う。
○芳洲 草堂の前の中洲に『江畔獨步尋花七絕句』で詠っているので参照。杜甫の草堂で濯錦江はコの字に湾曲している。そこには大きな洲が出来ていた。


顛狂柳絮隨風去,輕薄桃花逐水流。
柳絮が吹雪のように飛び交いまるで狂うほど乱舞し、強いか座が吹いて遠く飛ばされている。桃の花がさいてはいるが値打ちが低くなっている落ちた花弁は水の流れに消えていくのである。
○顛狂 気が狂う。動作が落ち着かないことの喩え。顛:てっぺん。物の先端。逆さになる。ひっくり返る。
○柳絮 白い綿毛のついた柳の種子。また、それが春に飛び漂うこと。《季 春》。
○輕薄 (1)言動に慎重さを欠いて、誠意や真実みの感じられないさま。考えが浅くて信頼できないさま。おちつきがない。 (2)相手の機嫌をとるような言葉や行動。おべっか。ついしょう。 (3)軽くて薄いこと。きょうはく。(4)値打ちが低い。