進艇 杜甫 成都(5部)浣花渓の草堂(5-(1))  


2013年4月13日 同じ日の紀頌之5つのブログ
●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩
Ⅰ李白と李白に影響を与えた詩聖皇篇 曹植 魏詩<66-#4>古詩源 巻五 女性詩733 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2213
●唐を代表する中唐の韓愈の儒家としての考えのよくわかる代表作の一つ
Ⅱ中唐詩・晩唐詩九辯 第六段-#1 宋玉  <00-#17>Ⅱもっとも影響を与えた詩文 646 漢文委員会kanbuniinkai 紀頌之の漢詩ブログ2214
●杜甫の全作品1141首を取り上げて訳注解説 ●理想の地を求めて旅をする。"
Ⅲ杜甫詩1000詩集進艇 成都5-(1) 杜甫 <454>  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2215 杜甫詩1000-454-637/1500
●これまで分割して掲載した詩を一括して掲載・改訂掲載・特集  不遇であった詩人だがきめの細やかな山水詩をかいている
Ⅳブログ漢・唐・宋詞詩集入東道路詩 謝霊運<43> kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞ブログ 2216 (04/13)
●●森鴎外の小説『魚玄機』、芸妓で高い評価を受けた『薛濤』の詩。唐時代にここまで率直な詩を書く女性が存在した奇跡の詩
Ⅴ.唐五代詞詩・宋詞詩・女性蜀中三首 其二 鄭谷  唐五代詞・宋詩 薛濤-134-6-#2  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2217
 
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為焦仲卿妻作 序 漢詩<143>古詩源 巻三 女性詩 http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67729401.html
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謝靈運詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/1901_shareiun000.html 謝靈運詩 六朝期の山水詩人。この人の詩は上品ですがすがしい男性的な深みのある詩である。後世に多大な影響を残している。
謝靈運が傲慢で磊落だったというが彼の詩からはそれを感じさせるということは微塵もない。謝靈運、謝朓、孟浩然は好きな詩人である。
登永嘉緑嶂山詩 #1 謝霊運 <20> 詩集 386ー http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67474554.html
登池上樓 #1 謝霊運<25>#1  ー http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67502196.html
孟浩然の詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/209mokonen01.html 孟浩然の詩 盛唐初期の詩人であるが謝霊運の詩に傾倒して山水詩人としてとてもきれいな詩を書いている。特に山水画のような病者の中で細やかな部分に動態を感じさせる表現力は素晴らしい。

李商隠詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/3991_rishoin000.html
李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。
女性詩人 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人 古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。
孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
李商隠詩 http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150首

 

進艇  成都5-(1) 杜甫 <454>  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2215 杜甫詩1000-454-637/1500

蜀州へ旅をするため出発の前、家族団らんで過ごしたことを述べる。


詩 題:進艇 杜甫 成都(5部)浣花渓の草堂(5-(1)) 
作時761年5月杜甫50歳 
掲 載; 杜甫1000首の454首目-場面5-(1)
杜甫ブログ1500回予定の-637回目    



進艇
南京久客耕南畝,北望傷神坐北窗。
南京であるこの成都で久しく旅客となってもう2年になる。こうして南の畑を耕している。北の空遠く見れば未だ戦乱がやまず心痛めるのである。北側の窓辺では、ただ座るだけである。
晝引老妻乘小艇,晴看稚子浴清江。
夏のある日の昼の事、歳をかさねたわが妻の手を引いて江亭前で小舟に乗った。その日は晴れているので子供たちを清流で水浴びをさせてやり夫婦でこれを見守った。
俱飛蛺蝶元相逐,並蒂芙蓉本自雙。
並んで共に飛んでいる小さな腸を夫婦で初めて一緒に追い回した。又二人して芙蓉を腰に佩びとめて本来のように一対となった。
茗飲蔗漿攜所便,瓷罌無謝玉為缸。
お茶を飲んだり、サトウキビの搾り汁を用意できるに任せて持参しているし、盛酒漿等をいれる陶器でつくられた容器については富貴のものの持つ輝くような甕缶にひけを取ることはない。

(艇を進める)
南京 久しく客となり 南畝を耕じ,北望して傷神し北窗に坐る。
晝に老妻を引いて 小艇に乘り,晴れるに稚子を看【みは】りて 清江に浴す。
俱に蛺蝶飛び元【はじ】めて相い逐う,並びに芙蓉【ふよう】を蒂び 本【もと】にて自ら雙ぶ。
蔗漿【しゃしょう】を茗飲【めいいん】し便する所を攜え,瓷罌【しおう】謝無くして 玉 缸【こう】と為す。


進艇 杜甫 成都(5部)浣花渓草堂(1) 現代語訳と訳註
芙蓉33302(本文)
進艇
南京久客耕南畝,北望傷神坐北窗。
晝引老妻乘小艇,晴看稚子浴清江。
俱飛蛺蝶元相逐,並蒂芙蓉本自雙。
茗飲蔗漿攜所便,瓷罌無謝玉為缸。


(下し文)
(艇を進める)
南京 久しく客となり 南畝を耕じ,北望して傷神し北窗に坐る。
晝に老妻を引いて 小艇に乘り,晴れるに稚子を看【みは】りて 清江に浴す。
俱に蛺蝶飛び元【はじ】めて相い逐う,並びに芙蓉【ふよう】を蒂び 本【もと】にて自ら雙ぶ。
蔗漿【しゃしょう】を茗飲【めいいん】し便する所を攜え,瓷罌【しおう】謝無くして 玉 缸【こう】と為す。


(現代語訳)
南京であるこの成都で久しく旅客となってもう2年になる。こうして南の畑を耕している。北の空遠く見れば未だ戦乱がやまず心痛めるのである。北側の窓辺では、ただ座るだけである。
夏のある日の昼の事、歳をかさねたわが妻の手を引いて江亭前で小舟に乗った。その日は晴れているので子供たちを清流で水浴びをさせてやり夫婦でこれを見守った。
並んで共に飛んでいる小さな腸を夫婦で初めて一緒に追い回した。又二人して芙蓉を腰に佩びとめて本来のように一対となった。
お茶を飲んだり、サトウキビの搾り汁を用意できるに任せて持参しているし、盛酒漿等をいれる陶器でつくられた容器については富貴のものの持つ輝くような甕缶にひけを取ることはない。


(訳注)
進艇
この時代の詩として驚愕の詩である。閨情詩で妻が登場するのが精いっぱいの時代に老妻の手を引いて舟遊びをしたのである。


南京久客耕南畝,北望傷神坐北窗。
南京であるこの成都で久しく旅客となってもう2年になる。こうして南の畑を耕している。北の空遠く見れば未だ戦乱がやまず心痛めるのである。北側の窓辺では、ただ座るだけである。
・南京 成都。756年、安禄山が6月長安を落し、玄宗は途中楊貴妃を見殺し、成都に逃避した。粛宗を起て霊武を行在所とし、成都を南京とした。翌年には長安に帰る。『建都十二韻』○建都 新たに都を建置することをいう、史によると757年至徳二載に蜀郡を南京となし、鳳翔を西京となし、長安を中京となした。758年上元元年九月改めて南都を荊州に置き荊州を以て江陵府となした。759年二年九月鳳翔の西都及び江陵の南都の号をやめたが、762年宝応元年にはまた旧に復した。『建都十二韻』詩は760年上元元年荊州を南都とするときの作である。荊州を南都とするということは時の荊州刺史呂陻なるものの建議に基づく。作者はこれに反対の意見をのべたのである。

建都十二韻 杜甫 成都(3部)浣花渓の草堂(3)13-#1  杜甫 <399> #1 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1940 杜甫詩1000-399-582/1500


晝引老妻乘小艇,晴看稚子浴清江。
夏のある日の昼の事、歳をかさねたわが妻の手を引いて江亭前で小舟に乗った。その日は晴れているので子供たちを清流で水浴びをさせてやり夫婦でこれを見守った。


俱飛蛺蝶元相逐,並蒂芙蓉本自雙。
並んで共に飛んでいる小さな腸を夫婦で初めて一緒に追い回した。又二人して芙蓉を腰に佩びとめて本来のように一対となった。
・芙蓉 植物の名。 フヨウのこと。とくに蓮と区別するためには「木芙蓉」とも言った。 古くは往々にして蓮(ハス)の花を指した。美女の形容としても多用された表現である。フヨウと区別するために「水芙蓉」とも。


茗飲蔗漿攜所便,瓷罌無謝玉為缸。
お茶を飲んだり、サトウキビの搾り汁を用意できるに任せて持参しているし、盛酒漿等をいれる陶器でつくられた容器については富貴のものの持つ輝くような甕缶にひけを取ることはない。
・茗 茶の木。お茶。「茗園・茗器」[難読]茗荷(みょうが)
・蔗漿 サトウキビの搾り汁。
・瓷罌 盛酒漿等をいれる陶器でつくられた容器。白磁の場合もある。
・玉為缸 輝くような甕缶。富貴のものの甕。