寄杜位 杜甫 成都(3部)浣花渓の草堂(5-(6))
寄杜位 成都5-(6) 杜甫 <459> 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2240 杜甫詩1000-459-642/1500
詩 題:寄杜位 杜甫 成都(3部)浣花渓の草堂(5-(6))
作時 :761年7・8月杜甫50歳
掲 載; 杜甫1000首の459首目-場面5-(6)
杜甫ブログ1500回予定の-642回目
寄杜位
近聞寬法離新州,想見懷歸尚百憂。
あなたのことは近頃情報が入ってきたが寛容なお裁きで五嶺山脈の向こうの新州であるという。いろいろ想像し心配もしてみて懐かしいし、帰りたいと思うのだ。
逐客雖皆萬裡去,悲君已是十年流!
あなたの家族もみんな追われて旅のそれではるか万里に去って行った。あなたを悲しく思いつつかれこれ10年の歳月が流れたのだ。
干戈況複塵隨眼,鬢發還應雪滿頭。
あれから戦乱は未だに終わらず何処に目をやっても戦争が終わってはいないのだ。鬢も頭髪にももうすでに雪のようなものが頭にいっぱいに載っているようなものだ。
玉壘題書心緒亂,何時更得曲江遊?
いい詩詞を書いて随分たまっているが心の中では戦争のことで落ち着きはしない。いつになったらまたあの曲江での遊宴ができるようになるのだろうか。
寄杜位
近ごろ聞く 寬法により離れて新州にあると,想見して 歸らんと懷えど 尚お百憂あり。
客を逐われ皆萬裡に去ると雖も,君を悲むは已に是れ 十年流る!
干戈【かんか】 況んや複た 塵眼に隨う,鬢發 還た應に 滿頭に雪つ。
玉壘して書を題すは心緒亂れ,何時 更に曲江の遊を得んや?
『寄杜位』 現代語訳と訳註
(本文)
近聞寬法離新州,想見懷歸尚百憂。
逐客雖皆萬裡去,悲君已是十年流!
干戈況複塵隨眼,鬢發還應雪滿頭。
玉壘題書心緒亂,何時更得曲江遊?
(下し文) 寄杜位
近ごろ聞く 寬法により離れて新州にあると,想見して 歸らんと懷えど 尚お百憂あり。
客を逐われ皆萬裡に去ると雖も,君を悲むは已に是れ 十年流る!
干戈【かんか】 況んや複た 塵眼に隨う,鬢發 還た應に 滿頭に雪つ。
玉壘して書を題すは心緒亂れ,何時 更に曲江の遊を得んや?
(現代語訳)
あなたのことは近頃情報が入ってきたが寛容なお裁きで五嶺山脈の向こうの新州であるという。いろいろ想像し心配もしてみて懐かしいし、帰りたいと思うのだ。
あなたの家族もみんな追われて旅のそれではるか万里に去って行った。あなたを悲しく思いつつかれこれ10年の歳月が流れたのだ。
あれから戦乱は未だに終わらず何処に目をやっても戦争が終わってはいないのだ。鬢も頭髪にももうすでに雪のようなものが頭にいっぱいに載っているようなものだ。
いい詩詞を書いて随分たまっているが心の中では戦争のことで落ち着きはしない。いつになったらまたあの曲江での遊宴ができるようになるのだろうか。
(訳注)
寄杜位
10年前襄陽の当時一族で出世頭であった杜位に手紙を寄せている。
『杜位宅守歲』
守歲阿戎家,椒盤已頌花。
盍簪喧櫪馬,列炬散林鴉。
四十明朝過,飛騰暮景斜。
誰能更拘束?爛醉是生涯。
・守歲 おおみそかの晩に眠らずに元日の朝を迎えること。
・戎家 中国の五帝時代から戦国時代にかけて、中国の西および北に住んでいた遊牧民族。たびたび中国の歴代王朝に侵入しては略奪をおこなった。大別して西の戎を西戎といい、北の戎を北戎という。
・椒盤 椒酒を進め酒を飲む器季節 新年分類 人事.
その杜位が五嶺山脈を越えて広東の新州に左遷されたという情報がもたらされた。そのことに寄せて返事を寄せたものである。
近聞寬法離新州,想見懷歸尚百憂。
あなたのことは近頃情報が入ってきたが寛容なお裁きで五嶺山脈の向こうの新州であるという。いろいろ想像し心配もしてみて懐かしいし、帰りたいと思うのだ。
・寬法 寛大なおとがめ。寛容なお裁き。
・新州 河南省に三国時代に設置された州。新州 (広東省) -南北朝時代に設置された州。南北朝時代、梁により広州より分割設置された。605年(大業元年)、隋朝により廃止され、管轄県は広州に統合された。現在の雲浮市及び江門市一帯に相当する。杜位がいるところは嶺南道東部 新州 新州。
逐客雖皆萬裡去,悲君已是十年流!
あなたの家族もみんな追われて旅のそれではるか万里に去って行った。あなたを悲しく思いつつかれこれ10年の歳月が流れたのだ。
干戈況複塵隨眼,鬢發還應雪滿頭。
あれから戦乱は未だに終わらず何処に目をやっても戦争が終わってはいないのだ。鬢も頭髪にももうすでに雪のようなものが頭にいっぱいに載っているようなものだ。
・干戈 1 武器。また、武力。 2 戦争。
・塵隨眼 どっちを向いても戦争での蒙塵でいっぱいということ。
・鬢發 びんと頭髪。
・雪滿頭 しらがあたま。
玉壘題書心緒亂,何時更得曲江遊?
いい詩詞を書いて随分たまっているが心の中では戦争のことで落ち着きはしない。いつになったらまたあの曲江での遊宴ができるようになるのだろうか。
・玉壘 宝玉をうずたかく積み上げること。
・題書 詩を詠って書として残していること。