杜甫 《贈虞十五司馬》 成都(3部)浣花渓の草堂(5-(10-2))

2013年4月22日 同じ日の紀頌之5つのブログ
●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩
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●唐を代表する中唐の韓愈の儒家としての考えのよくわかる代表作の一つ
Ⅱ中唐詩・晩唐詩九辯 第六・七・八段 まとめ 宋玉  <00-#26>Ⅱもっとも影響を与えた詩文 655 漢文委員会kanbuniinkai 紀頌之の漢詩ブログ2259
●杜甫の全作品1141首を取り上げて訳注解説 ●理想の地を求めて旅をする。"
Ⅲ杜甫詩1000詩集贈虞十五司馬 成都5-(10-2) 杜甫 <463-#2>  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2265 杜甫詩1000-463-#2-647/1500 
●これまで分割して掲載した詩を一括して掲載・改訂掲載・特集  不遇であった詩人だがきめの細やかな山水詩をかいている
Ⅳブログ漢・唐・宋詞詩集道路憶山中 謝霊運<52> kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞ブログ 2261 (04/22)
●●森鴎外の小説『魚玄機』、芸妓で高い評価を受けた『薛濤』の詩。唐時代にここまで率直な詩を書く女性が存在した奇跡の詩
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李商隠詩 http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150首

 

贈虞十五司馬  成都5-(10-2) 杜甫 <463-#2>  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2265 杜甫詩1000-463-#2-647/1500  



詩 題:贈虞十五司馬 杜甫 成都(3部)浣花渓の草堂(5-(10-2)) 
作時761年7・8月杜甫50歳 
掲 載; 杜甫1000首の463-#2首目-場面5-(10-2)
杜甫ブログ1500回予定の-647回目    
贈虞十五司馬 杜甫 成都(3部)浣花渓の草堂(5-(10-2)) 

贈虞十五司馬
遠師虞秘監,今喜得玄孫。
承遠大師は初唐の三大家の一人、虞世南という官を辞し隠棲した人であった。今喜ばしいことにその玄孫の方がおられるという。
形象丹青逼,家聲器宇存。
容姿もはっきりとして疑う余地のないものであり、家柄としても知れ渡っており、お逢いしてみるとこころの持ち方も広いものがある。
淒涼憐筆勢,浩蕩問詞源。
書画に表れた筆の勢いを哀れみ、ひえびえとしてうらさびしいところがある。作詩の内蔵力、能力を問われば広広として大きなものを感じさせる。
爽氣金天豁,清談玉露繁。
あなたが持つ雰囲気は黄金のように輝いた廣い心持っている。学芸学問の高尚なものを語らせば宝飾のような露がいくらでもあるようである。
佇鳴南嶽鳳,欲化北溟鯤。
立って啼いているようすは五岳の一つ、南岳にいる鳳凰のようであり、「荘子」逍遥遊でいうところの北限の大魚「鯤」のようになってもらいたいのである。

#2
交態知浮俗,儒流不異門。
交際の有様については浮世、世俗によって知ればよいことで、私のように儒学を志すものにとっては違った学問の世界なのです。
過逢聯客位,日夜倒芳尊。
こうしてお逢いして去って行くことによってまた次の客へと続いていくことである。日夜こうした交際を積み重ねていくことである香草が成長するを大切な事と思うことなのである。
沙岸風吹葉,雲江月上軒。
岷江の渚の堤には風にそよぐ葉擦れの音がしている。岷江に雲が湧いていて月は高楼の軒先の上に上がっている。
百年嗟已半,四座敢辭喧。
人生百年と云い、ああもうその半分を過ごしている。人生も、この宴席もあえて退席すべく申し上げねばならないであろう。
書籍終相與,青山隔故園。
書物は互いに持っているものを見せ合って書き写して製本までできた。それにしてもこうして過ごしたここ青城山は互いの故郷から離れているのである。

(虞十五司馬に贈る)
遠師 虞秘監,今 喜ぶ 玄孫を得るを。
形象して 丹青に逼り,家聲しては 器の宇 存る。
淒涼 筆勢を憐み,浩蕩 詞源を問う。
爽氣 金天の豁,清談 玉露の繁。
佇鳴して南嶽の鳳,化せんと欲す北溟の鯤。
#2
交態 浮俗を知り,儒流 門の異ならず。
過逢して 客位に聯じ,日夜 芳尊に倒る。
沙岸 風吹の葉,雲江 月軒に上る。
百年 嗟已に半なり,四座 敢えて辭喧す。
書籍 終に相い與り,青山 故園を隔つ。





『贈虞十五司馬』 現代語訳と訳註
pla006(本文)
#2
交態知浮俗,儒流不異門。
過逢聯客位,日夜倒芳尊。
沙岸風吹葉,雲江月上軒。
百年嗟已半,四座敢辭喧。
書籍終相與,青山隔故園。


(下し文)#2
交態 浮俗を知り,儒流 門の異ならず。
過逢して 客位に聯なり,日夜 倒芳 尊ぶ。
沙岸 風吹の葉,雲江 月軒に上る。
百年 嗟已に半なり,四座 敢えて辭喧す。
書籍 終に相い與り,青山 故園を隔つ。


菖蒲03(現代語訳)
交際の有様については浮世、世俗によって知ればよいことで、私のように儒学を志すものにとっては違った学問の世界なのです。
こうしてお逢いして去って行くことによってまた次の客へと続いていくことである。日夜こうした交際を積み重ねていくことである香草が成長するを大切な事と思うことなのである。
岷江の渚の堤には風にそよぐ葉擦れの音がしている。岷江に雲が湧いていて月は高楼の軒先の上に上がっている。
人生百年と云い、ああもうその半分を過ごしている。人生も、この宴席もあえて退席すべく申し上げねばならないであろう。
書物は互いに持っているものを見せ合って書き写して製本までできた。それにしてもこうして過ごしたここ青城山は互いの故郷から離れているのである。


(訳注) #2
贈虞十五司馬
虞司馬に贈る。
・中央政府では兵部尚書を,地方官では府同治のことを司馬と雅称するもの。地方幕府の軍の最高司令者。


交態知浮俗,儒流不異門。
交際の有様については浮世、世俗によって知ればよいことで、私のように儒学を志すものにとっては違った学問の世界なのです。
・交態 交際の有様。交際の仕方。 
・浮俗 浮世、世俗。
・儒流 儒学を志すもの。


過逢聯客位,日夜倒芳尊。
こうしてお逢いして去って行くことによってまた次の客へと続いていくことである。日夜こうした交際を積み重ねていくことである香草が成長するを大切な事と思うことなのである。
・倒芳 香草が萎れていくことが逆になる、香草が成長すること。


沙岸風吹葉,雲江月上軒。
岷江の渚の堤には風にそよぐ葉擦れの音がしている。岷江に雲が湧いていて月は高楼の軒先の上に上がっている。


百年嗟已半,四座敢辭喧。
人生百年と云い、ああもうその半分を過ごしている。人生も、この宴席もあえて退席すべく申し上げねばならないであろう。
・四座
杜甫『羌村三首 其三』「歌罷仰天嘆、四座涙縦横。」
歌い終えると天に向かって嘆くのである、この宴座の人は  涙で頬を濡らしているのだ。
羌村三首 其三 杜甫 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ 杜甫特集700- 222

杜甫『夜聽許十一誦詩愛而有作』「誦詩渾遊衍,四座皆闢易。」
君が詩を誦するのをきくとすべてゆったりとくつろいでいる、満座のものみなあと素樽をして開いた。
夜聽許十一誦詩愛而有作 杜甫 : kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ 誠実な詩人杜甫特集 101
・辭喧 宴席でやかましく話すことを止める。宴席をお開きにすること。


書籍終相與,青山隔故園。
書物は互いに持っているものを見せ合って書き写して製本までできた。それにしてもこうして過ごしたここ青城山は互いの故郷から離れているのである。
・相与①動詞 つきあう,交際する.⇒相处 xiāngchǔ .用例此人不像外人讲得那么难相与。=この人はよその人が言うようにそんなにつきあいにくくはない.②副詞 相互に,互いに.[動]交際する,付き合う很难相与付き合いにくい.━ [副]互いに,ともども相与偕老ともに白髪の生えるまで.
・書籍(しょせき|しょじゃく)とは木、竹、絹布、紙等の軟質な素材に、文字、記号、図画等を筆写、印刷し、糸、糊等で装丁・製本したもの(銭存訓(1990))。図書、本、書物