楽府 《徐卿二子歌》 杜甫 成都(5部)浣花渓の草堂(5-(21)) 

君は見るだろう。剣南兵馬使徐知道の二子が特別優れた才能を持って生まれてきたことを。そして、感性の置いても吉兆の運を持っておりそれが成長するに伴って現れているのだ。

2013年5月3日 同じ日の紀頌之5つのブログ
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徐卿二子歌楽府(七言歌行) 成都5-(21) 杜甫 <470>  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2315 杜甫詩1000-470-657/1500


卷別: 卷二一九  文體: 樂府
詩 題:徐卿二子歌 楽府(七言歌行) 杜甫 成都(5部)浣花渓の草堂(5-(21)) 
作時761年10月杜甫50歳 
掲 載; 杜甫1000首の470首目-場面5-(21)
杜甫ブログ1500回予定の-657回目


徐卿二子歌
君不見徐卿二子生絕奇,感應吉夢相追隨。
君は見るだろう。剣南兵馬使徐知道の二子が特別優れた才能を持って生まれてきたことを。そして、感性の置いても吉兆の運を持っておりそれが成長するに伴って現れているのだ。
孔子釋氏親抱送,並是天上麒麟兒!
それは孔子とお釈迦様が親しくしてくれと抱かれたいとは知ってくるようであるし、誰も比べることが出来ないほどの将来素晴らしい大物になると期待される少年なのだ。
大兒九齡色清澈,秋水為神玉為骨。
上の子供は10歳になり顔つきはさわやかで凛々しい。秋の澄み切った水のような心は神のようであり、輝かしい宝玉でその身の骨を作られている。
小兒五歲氣食牛,滿堂賓客皆回頭。
下の子は5歳でありながら精気・元気ですでに牛を食べるというし、宴席に集まった賓客でさえ全員が顔を見合わせて驚くという。
吾知徐公百不憂,積善袞袞生公侯。
わたしはここにおられる徐卿には人生における「百憂」なんかありはしないだろうと思うし、仁徳・善徳を積み重ね、立派な九等爵位の諸侯としてこれからも相い続いて絶えないことでありましょう。
丈夫生兒有如此二雛者,名位豈肯悲微休!

こんなにも健康に恵まれて生まれてきた寵児であってこれに匹敵するものがありはしない。名を挙げ、くらいをたかめていくものであり、どうして低い身分などのことを考える必要があろうか。

徐卿二子の歌
君見ずや徐卿の二子 絕奇に生れしを,感 應に吉夢相いに追隨す。
「孔子」 「釋氏」 親として抱送し,是れと並ぶは天上の麒麟兒!
大兒九齡は 色 清澈たり,秋水神と為して玉は骨と為す。
小兒五歲は氣 食牛し,滿堂の賓客 皆頭を回らす。
吾知る 徐公 「百」憂えず,積善 袞袞として公侯に生ず。
丈夫 兒を生みて二雛の者を此の如く有り,名位 豈に肯に悲しむは微休なり!

成都遂州00




















『徐卿二子歌』 現代語訳と訳註
(本文)
徐卿二子歌
君不見徐卿二子生絕奇,感應吉夢相追隨。
孔子釋氏親抱送,並是天上麒麟兒!
大兒九齡色清澈,秋水為神玉為骨。
小兒五歲氣食牛,滿堂賓客皆回頭。
吾知徐公百不憂,積善袞袞生公侯。
丈夫生兒有如此二雛者,名位豈肯悲微休!


(下し文)
徐卿二子の歌
君見ずや徐卿の二子 絕奇に生れしを,感 應に吉夢相いに追隨す。
「孔子」 「釋氏」 親として抱送し,是れと並ぶは天上の麒麟兒!
大兒九齡は 色 清澈たり,秋水神と為して玉は骨と為す。
小兒五歲は氣 食牛し,滿堂の賓客 皆頭を回らす。
吾知る 徐公 「百」憂えず,積善 袞袞として公侯に生ず。
丈夫 兒を生みて二雛の者を此の如く有り,名位 豈に肯に悲しむは微休なり!


(現代語訳)
君は見るだろう。剣南兵馬使徐知道の二子が特別優れた才能を持って生まれてきたことを。そして、感性の置いても吉兆の運を持っておりそれが成長するに伴って現れているのだ。
それは孔子とお釈迦様が親しくしてくれと抱かれたいとは知ってくるようであるし、誰も比べることが出来ないほどの将来素晴らしい大物になると期待される少年なのだ。
上の子供は10歳になり顔つきはさわやかで凛々しい。秋の澄み切った水のような心は神のようであり、輝かしい宝玉でその身の骨を作られている。
下の子は5歳でありながら精気・元気ですでに牛を食べるというし、宴席に集まった賓客でさえ全員が顔を見合わせて驚くという。
わたしはここにおられる徐卿には人生における「百憂」なんかありはしないだろうと思うし、仁徳・善徳を積み重ね、立派な九等爵位の諸侯としてこれからも相い続いて絶えないことでありましょう。

こんなにも健康に恵まれて生まれてきた寵児であってこれに匹敵するものがありはしない。名を挙げ、くらいをたかめていくものであり、どうして低い身分などのことを考える必要があろうか。

(訳注)
徐卿二子歌

翌年(762)7月に成都で乱を起こす人物の宴席で、この人物を持ち上げる詩を作った。この時は乱を起こすとは思っていなかったようだ。
757年至徳二載正月、丙寅、剣南兵の賈秀等五千人が造反した。将軍席元慶、臨工(「工/里」)太守柳奕が討って、これを誅した。
761年4月剣南東川節度兵馬使の段子璋がそむき、綿州を陥落させ、遂州刺史の嗣虢王李巨がここに死に、節度使の李奐が成都に逃れた。
これらの乱を制圧するための実践での功勲で力をつけて行ったもの。
○この詩で杜甫は徐知道を褒めちぎっているが、おごり高ぶった、独善的な徐知道に対してこういう表現をしたものである。


君 不見 徐卿 二子 生 絕奇,感應 吉夢 相追隨 。
君は見るだろう。剣南兵馬使徐知道の二子が特別優れた才能を持って生まれてきたことを。そして、感性の置いても吉兆の運を持っておりそれが成長するに伴って現れているのだ。
・徐卿 徐知道。剣南兵馬使で劍南道北部、益州において「宣揚功德」といわれて嘱望されていた人物。
宣揚功德とは ・宣揚:広く世の中にはっきりと示すこと。 功德:善い行為には,すぐれた結果を招く力が徳としてそなわっていることをいう。善を積み,あるいは修行の結果,むくいとして得られる果報,恵みという意味で福徳。
・二子 親人眷屬、子。
「感」語義類別:人、感官詞、綜合感覺詞、感。
・吉夢 善い夢。


孔子 釋氏 親抱送 ,並是 天上 麒麟 兒 。
それは孔子とお釈迦様が親しくしてくれと抱かれたいとは知ってくるようであるし、誰も比べることが出来ないほどの将来素晴らしい大物になると期待される少年なのだ。
・孔子 孔丘(周)。
・釋氏 釋迦牟尼。
・是 形容詞彙、對比詞、是非(是)。
・天上 語義類別:地、閬苑仙境、仙境、天上。
・麒麟児 将来素晴らしい大物になると期待される少年。特にすぐれた才能をもつ少年。神童。


大兒 九齡 色清澈,秋水 為神 玉 為骨 。
上の子供は10歳になり顔つきはさわやかで凛々しい。秋の澄み切った水のような心は神のようであり、輝かしい宝玉でその身の骨を作られている。
・兒 ①子供。幼い子。わらべ。②(親に対して)子。「児孫/豚児」③若者。男子。健児・寵児。
・九齡 齢は生まれてからの年数。奇数が縁起の上でよいので、このころの通常は数え年であるから、10歳。
・秋水 秋の長雨に後しばらく晴天が続くと水が澄んでくる。それに青空が映ることできわまりなく澄んだ様子を云う。仲秋から晩秋にかけてをいう。
・神 心神氣力は神というもの。
・玉 玉石、玉。かがやかしいこと。
・骨 身體器官、五臟器官、骨。


小兒 五歲 氣 食牛 ,滿堂 賓客 皆回頭 。
下の子は5歳でありながら精気・元気ですでに牛を食べるというし、宴席に集まった賓客でさえ全員が顔を見合わせて驚くという。
・氣 心神氣力、精気・元気。
・食牛 子供は豚を食べるもので牛はかみきれないものとされる。內涵氣質が食牛するほどであるこという。
・滿 満座のもの。
・堂 奥座敷。講堂。宴席の座敷。
・賓客 一般稱謂、客。宴席に招かれたお客。剣南兵馬使であるから益州において軍事的にはトップということで蜀の富貴の者が集まっている。
・回頭顔を見合わせて驚くというほどの意味。


吾知 徐公 百 不憂 ,積善 袞袞 生 公侯 。
わたしはここにおられる徐卿には人生における「百憂」なんかありはしないだろうと思うし、仁徳・善徳を積み重ね、立派な九等爵位の諸侯としてこれからも相い続いて絶えないことでありましょう。
・徐公 徐知道(唐)。
・百 人生百年、百憂あり。
・積善 仁徳・善徳を積み重ねること。
・袞袞 相い続いて絶えないさま。多少(多)。杜甫『醉時歌』「諸公袞袞登臺省,廣文先生官獨冷。」
仕官している方々は続々として三省六部、九寺、御史台の官庁へ登用されるが、広文先生(鄭虔)は部下ひとりだけのさびしい官についておられる。○諸公 当時、仕官している人々をさす。○袞袞 こんこん相い続いて絶えないさま醉時歌

・公侯 公・侯・伯・子・男を擬古的に復活させた。魏の文帝の黄初年間に王・公・侯・伯・子・男・県侯・郷侯(最初郷侯の下に亭侯が置かれていたが後に省かれる)・関内侯の九等の爵制が定められた。


丈夫 生兒 有 如此二 雛者 ,名位 豈肯 卑微 休。
こんなにも健康に恵まれて生まれてきた寵児であってこれに匹敵するものがありはしない。名を挙げ、くらいをたかめていくものであり、どうして低い身分などのことを考える必要があろうか。
・丈夫 丈夫。健康に恵まれて
・雛者 雛みたいな者。とるにたらないもの。
・名 人の形容詞彙、官位における境遇、名声。
・肯 あえて。ここではかんがえる。。
・卑微 人の形容詞彙、身分背景が卑。低い身分、中途半端な身分。

・公侯 公・侯・伯・子・男を擬古的に復活させた。魏の文帝の黄初年間に王・公・侯・伯・子・男・県侯・郷侯(最初郷侯の下に亭侯が置かれていたが後に省かれる)・関内侯の九等の爵制が定められた。