杜甫 《病柏》 五言古詩 成都(5部)浣花渓の草堂(5-(24)) 
こだかい岡に柏樹がはえている。その柏樹はこんもりしていてまるで車の傘のようである。そのうねりくねった姿は竜か虎のようであって、ちょうど風雲の生ずる機会にであうのだ。

2013年5月6日 同じ日の紀頌之5つのブログ
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病柏 五言古詩 成都5-(24) 杜甫 <473-#1>  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2330 杜甫詩1000-473-#1-660/1500


詩 題:病柏五言古詩 杜甫 成都(5部)浣花渓の草堂(5-(24)) 
作時:761年11月杜甫50歳 
掲 載; 杜甫1000首の473-#1首目-場面5-(24)
杜甫ブログ1500回予定の-660回目



病柏
有柏生崇岡,童童狀車蓋。
こだかい岡に柏樹がはえている。その柏樹はこんもりしていてまるで車の傘のようである。
偃蹇龍虎姿,主當風雲會。
そのうねりくねった姿は竜か虎のようであって、ちょうど風雲の生ずる機会にであうのだ。
神明依正直,故老多再拜。
そうしてその樹のまっすぐなところには神明の力がのりうつったのである。古老たちも多くこの樹を見ては再拝したのである。
豈知千年根,中路顏色壞。』

ところが意外にもこの千年の根であることを認知したうえで、これが中途で顔つきがくずれてしまったのである。』
出非不得地,蟠據亦高大。

この樹の生い出した場所は不適当であったのでなく、生長して入り組んで複雑に絡み合って、高くて大きいものとなったのだ。
matsu00歲寒忽無憑,日夜柯葉改,丹鳳領九雛,哀鳴翔其外。
鴟梟誌意滿,養子穿穴內。』客從何鄉來?佇立久籲怪。
靜求元精理,浩蕩難倚賴。』

(病 柏)
柏有り崇岡【すうこう】に生じ、童童【どうどう】車蓋【しゃがい】に状たり。
偃蹇【えんけん】たり竜虎の姿、主に風雲の会に当たる。
神明【しんめい】正直【しょうちょく】に依り、故老多く再拝す。
豈知らんや千年の根、中路【ちゅうろ】顔色壞【くず】る。』
出づること地を得ざるに非ず、蟠據【ばんきょ】亦高大なり。

歳寒【さいかん】忽ち憑る無し、日夜柯葉【かよう】改まる。
丹鳳【たんほう】九雛【きゅうすう】を領し、哀鳴【あいめい】其の外に翔ける。
鴟梟【しきゅう】志意満つ、子を養う穿穴【せんけつ】の内。』
客何の郷より来たれる、佇立【ちょりつ】して久しく籲怪【くかい】す。
静かに元精【げんせい】の理を求むるに、浩蕩【こうとう】として倚賴【いらい】し難し。』



『病柏』 現代語訳と訳註
楠樹06(本文)

有柏生崇岡,童童狀車蓋。偃蹇龍虎姿,主當風雲會。
神明依正直,故老多再拜。豈知千年根,中路顏色壞。』
出非不得地,蟠據亦高大。


(下し文)
(病 柏)
柏有り崇岡【すうこう】に生じ、童童【どうどう】車蓋【しゃがい】に状たり。
偃蹇【えんけん】たり竜虎の姿、主に風雲の会に当たる。
神明【しんめい】正直【しょうちょく】に依り、故老多く再拝す。
豈知らんや千年の根、中路【ちゅうろ】顔色壞【くず】る。』
出づること地を得ざるに非ず、蟠據【ばんきょ】亦高大なり。


(現代語訳)
こだかい岡に柏樹がはえている。その柏樹はこんもりしていてまるで車の傘のようである。
そのうねりくねった姿は竜か虎のようであって、ちょうど風雲の生ずる機会にであうのだ。
そうしてその樹のまっすぐなところには神明の力がのりうつったのである。古老たちも多くこの樹を見ては再拝したのである。
ところが意外にもこの千年の根であることを認知したうえで、これが中途で顔つきがくずれてしまったのである。』
この樹の生い出した場所は不適当であったのでなく、生長して入り組んで複雑に絡み合って、高くて大きいものとなったのだ。


(訳注)
病柏

秋になり病める柏樹についてを詠ずる。詩人は自己の境遇を此して詠う。
上元二年秋以後の作。この病柏・病橘・枯棋・枯柄はほとんど同時の作であろう。


有柏生崇岡,童童狀車蓋。
こだかい岡に柏樹がはえている。その柏樹はこんもりしていてまるで車の傘のようである。
○崇岡 小高いおか。
○童童 こんもりとしたさま。
○状 似ている。
○車蓋 車の上の覆い。


偃蹇龍虎姿,主當風雲會。
そのうねりくねった姿は竜か虎のようであって、ちょうど風雲の生ずる機会にであうのだ。
○偃蹇 うねるさま。
○主当 ちょうどそれにあたる。
風雲 風や雲がここにかかると、樹色の陰森たることをいう。


神明依正直,故老多再拜。
そうしてその樹のまっすぐなところには神明の力がのりうつったのである。古老たちも多くこの樹を見ては再拝したのである。
○神明 神のカ。
○正直 樹木のまっすぐなこと。
○故老 としより。古老。


豈知千年根,中路顏色壞。』
ところが意外にもこの千年の根であることを認知したうえで、これが中途で顔つきがくずれてしまったのである。』
○中路 なかほど。


出非不得地,蟠據亦高大。
この樹の生い出した場所は不適当であったのでなく、生長して入り組んで複雑に絡み合って、高くて大きいものとなったのだ。
○出 生えて出る。
○蟠據 わだかまり、よる。① 輪状に曲がって巻いている。とぐろを巻く。② 入り組んで複雑に絡み合っている。③ 心に不平・不満・不安などがあって晴れ晴れしない。