1197 杜甫 《不見》五言律詩 成都(5部)浣花渓の草堂(5-(33))  

もう随分久しく李白にあっていない。李白は半狂人のまねをしているというに実に気の毒なものである。
彼は詩才すばやくて忽ち千首の詩をつくりだす、それがおちぶれてはただ一杯の酒にうれいをやるというのだ。


2013年5月15日 同じ日の紀頌之5つのブログ
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李商隠詩 http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150首

 


不見 五言律詩 成都5-(33) 杜甫 <458>  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2375 杜甫詩1000-458-669/1500


詩 題:不見 五言律詩 杜甫 成都(5部)浣花渓の草堂(5-(33)) 
卷別: 卷二二七  文體: 五言律詩
作時:761年11・12月杜甫50歳 
掲 載; 杜甫1000首の458首目-場面5-(33)
杜甫ブログ1500回予定の-669回目   40768  
久しく李白を見ないのでその身のうえをおもって作る。上元二年の作であろう。


不見
不見李生久,佯狂真可哀!
もう随分久しく李白にあっていない。李白は半狂人のまねをしているというに実に気の毒なものである。
世人皆欲殺,吾意獨憐才。
世間の人は彼の行動からこれを殺そうとまでしてというが、わたしだけは彼の才を愛している。
敏捷詩千首,飄零酒一杯。
彼は詩才すばやくて忽ち千首の詩をつくりだす、それがおちぶれてはただ一杯の酒にうれいをやるというのだ。
匡山讀書處,頭白好歸來。

錦州の大匡山か、盧山は書を読んだところである。老境となってははやくそこへ立ち帰えるのがよいこととおもうのである。
(不 見)
見ざるは 李生 久しきを、佯狂 真に哀れむべし。
世が人 皆 殺さんと欲し、吾が意 獨り 才を憐れむ。
敏捷なる詩 千首あり、 飄零なる酒 一杯のみ。
匡山 読書の処、 頭白 好し帰り来たれ。

李白の足跡300

『不見』 現代語訳と訳註
(本文)

不見李生久,佯狂真可哀!
世人皆欲殺,吾意獨憐才。
敏捷詩千首,飄零酒一杯。
匡山讀書處,頭白好歸來。



(下し文)
(不 見)
見ざるは 李生 久しきを、佯狂 真に哀れむべし。
世が人 皆 殺さんと欲し、吾が意 獨り 才を憐れむ。
敏捷なる詩 千首あり、 飄零なる酒 一杯のみ。
匡山 読書の処、 頭白 好し帰り来たれ。


(現代語訳)
もう随分久しく李白にあっていない。李白は半狂人のまねをしているというに実に気の毒なものである。
世間の人は彼の行動からこれを殺そうとまでしてというが、わたしだけは彼の才を愛している。
彼は詩才すばやくて忽ち千首の詩をつくりだす、それがおちぶれてはただ一杯の酒にうれいをやるというのだ。
錦州の大匡山か、盧山は書を読んだところである。老境となってははやくそこへ立ち帰えるのがよいこととおもうのである。

蜀の山50055
(訳注)
不見

○不見 首句の不見李生の不見の二字をとる。
同時期の李白と王維
・758年 李白58歳 関係者の努力で死罪を免れ、流罪に。
・759 王維61歳 賈至も杜甫も岑参もほどなく地方に左遷され、王維だけがひとり残されましたが、このころから終南山の別業(別荘)に親しむようになり、罔川荘は閉じていました 当時、長安の南郊、長安県の香積寺をを訪れている
 「終南別業」
・759 李白59歳 長江上流白帝山付近で放免。「早発白帝城」
・760 王維62歳 給事中から尚書右丞(正四品上)に昇進 ・飢饉に際して、王維は天子の許しを得て自分の禄米のほとんどを窮民に施す。
・761 王維63歳 王維歿す。王縉が長安の西の鳳翔までもどってきていた秋七月のある日、王維は弟に別れの書をかき、また平生親しかった人々へ数篇の別れの書をかいている途中、にわかに筆を落として息絶えたと伝えられています。享年六十三歳、王維は弟に会えないまま、また彼の人生の最後を襲った安史の乱の終息を見ないまま亡くなりました。
  「 終南山」
・760 李白60歳 長江上流と下流の各地に遊ぶ。
・761 李白61歳 宣城を中心に各地に遊ぶ。
杜甫は758年李白が関係者の努力で死罪を免れ、夜郎に流罪になり、狂人のまねをして、岳州・眄州を回ってゆっくりと夜郎に向かったことまでしかわかっていないのである。2年前秦州で夢李白を詠って以来の詩である。


不見李生久,佯狂真可哀!
もう随分久しく李白にあっていない。李白は半狂人のまねをしているというに実に気の毒なものである。
○李生 李白をいう、李白が夜郎に流されてのちの消息を詳らかにしなかったために彼のことを思うのである。
○伴狂 いつわって狂人のまねをする。


世人皆欲殺,吾意獨憐才。
世間の人は彼の行動からこれを殺そうとまでしてというが、わたしだけは彼の才を愛している。
○殺 李白を殺す。
〇才 李白の才。


敏捷詩千首,飄零酒一杯。
彼は詩才すばやくて忽ち千首の詩をつくりだす、それがおちぶれてはただ一杯の酒にうれいをやるというのだ。
○敏捷 すばやい。
○諷零 おちぶれる。


匡山讀書處,頭白好歸來。
錦州の大匡山か、盧山は書を読んだところである。老境となってははやくそこへ立ち帰えるのがよいこととおもうのである。
○匡山 白は蜀の綿州彰明県青蓮郷の人、県南に大匡山があり、白が書を読んだ処だという、一説に彰明県の匡山ではなくて九江の匡盧山、すなわち盧山のことをいうとなす。詩のようすから李白が最も愛した山「盧山」を題材にした詩が多く残されていることからも連想させるものだろう。杜甫が成都にいるので長江下流域にいる李白に成都の山の名称を云ったのである。
戴天山 (劍南道北部 綿州 昌明) 別名:大康山、大匡山、匡山
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○頭白 杜甫より10歳年上の李白がお互いに老いていることをいう。
○帰来 戴天山大匡山へかえってこい。李白は山が好きなのは杜甫もよく知っている。