杜甫 《徐九少尹見過》 1199五言古詩 成都(5部)浣花渓の草堂(5-(36))  

長史の徐九が配下のもの数騎を引き連れて、草堂を尋ねて来てくれる。
新たな交際の表れを示してくれ嬉しさを隠しきれないし、礼を厚くしてくれ、才能をひけらかすことをしないのでこちらも粗相のないようにして恐れ入っている。


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徐九少尹見過 五言律詩 成都5-(36) 杜甫 <484>  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2390 杜甫詩1000-484-672/1500


詩 題:徐九少尹見過 五言律詩 杜甫 成都(5部)浣花渓の草堂(5-(36)) 
作時:761年上元二年12月杜甫50歳 
掲 載; 杜甫1000首の484首目-場面5-(36)
杜甫ブログ1500回予定の-672回目   40771
卷別: 卷二二六  文體: 五言律詩
詩題: 徐九少尹見過
徐九少尹:當地交遊(劍南道北部 益州 成都) 少尹:副市長。成都副長官。


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徐九少尹見過
徐九成都副長官が立ち寄ってくれた。
aki03晚景孤村僻,行軍數騎來。
夕方になって來るとこの村は孤立し、かけ離れた感じが強くなってくる。そうして時に、成都の副長官である行軍長史の徐九が配下のもの数騎を引き連れて、草堂を尋ねて来てくれる。
交新徒有喜,禮厚愧無才。
新たな交際の表れを示してくれ嬉しさを隠しきれないし、礼を厚くしてくれ、才能をひけらかすことをしないのでこちらも粗相のないようにして恐れ入っている。
賞靜憐雲竹,忘歸步月臺。
夕暮れの景色と靜けさがあるこの繁った竹林をこよなく好きなのだ。月が出て亭の周りを散策していると帰ることさえ忘れるほどなのだ。
何當看花蕊,欲發照江梅?

だけどいつになったら、花が咲き花の蕊を覗かせるようになるのだろうか、そして、この錦江や川沿いの梅の花に月影を照らしてくれるように早くなってほしいものだ。

(徐九少尹に過【よぎ】らる)
晩景【ばんけい】に孤村は僻【へき】なり、行軍 数騎 わがやへ来たる。
交新たむるは徒【いたずら】に喜有り,禮厚くして無才くを愧【おそ】る。
賞靜【しょうせい】雲竹を憐み,忘歸ぼうき月臺を步む。
何當【いつか】 花蕊を看んことを,江梅を照らすを發せんと欲するをや?


『徐九少尹見過』 現代語訳と訳註
(本文)

晚景孤村僻,行軍數騎來。交新徒有喜,禮厚愧無才。
賞靜憐雲竹,忘歸步月臺。何當看花蕊,欲發照江梅?


(下し文)
(徐九少尹に過【よぎ】らる)
晩景【ばんけい】に孤村は僻【へき】なり、行軍 数騎 わがやへ来たる。
交新たむるは徒【いたずら】に喜有り,禮厚くして無才くを愧【おそ】る。
賞靜【しょうせい】雲竹を憐み,忘歸ぼうき月臺を步む。
何當【いつか】 花蕊を看んことを,江梅を照らすを發せんと欲するをや?


(現代語訳)
徐九成都副長官が立ち寄ってくれた。
夕方になって來るとこの村は孤立し、かけ離れた感じが強くなってくる。そうして時に、成都の副長官である行軍長史の徐九が配下のもの数騎を引き連れて、草堂を尋ねて来てくれる。
新たな交際の表れを示してくれ嬉しさを隠しきれないし、礼を厚くしてくれ、才能をひけらかすことをしないのでこちらも粗相のないようにして恐れ入っている。
夕暮れの景色と靜けさがあるこの繁った竹林をこよなく好きなのだ。月が出て亭の周りを散策していると帰ることさえ忘れるほどなのだ。
だけどいつになったら、花が咲き花の蕊を覗かせるようになるのだろうか、そして、この錦江や川沿いの梅の花に月影を照らしてくれるように早くなってほしいものだ。


(訳注)
徐九少尹見過

徐九成都副長官が立ち寄ってくれた。
この詩では、成都の副長官である行軍長史の徐九が配下のもの数騎を引き連れて、草堂を尋ねて来てくれたことを歌ったもの。言うまでもないことだがそれら一聯の句構造では、詩の位置関係を明確にしている。それは村が来て次に草堂が来ることがほとんどである。
 

晚景 孤村 僻 ,行軍 數騎 來 。
夕方になって來るとこの村は孤立し、かけ離れた感じが強くなってくる。そうして時に、成都の副長官である行軍長史の徐九が配下のもの数騎を引き連れて、草堂を尋ねて来てくれる。
・晚景 自然景觀、風景勝蹟(自然景物)、晚景。
・村 地理、郊原村野、村。
・僻 偏遠場域、偏僻。
・行軍數騎 成都の副長官である行軍長史の徐九が配下のもの数騎を引き連れて、草堂を尋ねて来てくれたこと
・騎 職業身份、兵卒。


交新 徒有喜 ,禮厚 愧 無才 。
新たな交際の表れを示してくれ嬉しさを隠しきれないし、礼を厚くしてくれ、才能をひけらかすことをしないのでこちらも粗相のないようにして恐れ入っている。
・交新 新たな交際の表れを示してくれること。
・有喜 正面情感、喜悅欣樂。
・禮厚 礼を厚くしてくれること。
・愧 おそれいること。
・無才 才能をひけらかすことをしない。


賞靜 憐 雲竹 ,忘歸 步 月臺 。
夕暮れの景色と靜けさがあるこの繁った竹林をこよなく好きなのだ。月が出て亭の周りを散策していると帰ることさえ忘れるほどなのだ。
・賞 目で見る夕暮れの景色。
・靜 冬、早春季の夕暮の靜けさ。
・憐 こよなく愛している。
・雲竹 暮れて暗くなっている竹林。
・忘歸 帰ることさえ忘れる。
・月臺 月見台。亭臺樓閣であるが、ここでは草堂にある四阿のことであろう。 


何當看 花蕊 ,欲發 照 江梅 。
だけどいつになったら、花が咲き花の蕊を覗かせるようになるのだろうか、そして、この錦江や川沿いの梅の花に月影を照らしてくれるように早くなってほしいものだ。
・何当 いつ。未来の時についての疑問詞。いつになればと願う気持ちを伴う。
・花蕊 花。蕊は花を開いて蕊を見せることはいっぱいに開くこと。
・發 しょくぶつがいききとしていること。
・照 月明かりが花にあたっている状況を云う。
・江 水澤湖泊のことで、ここは濯錦江。
・梅 百花潭沿いにある梅林の梅が咲き始めた早梅。