1202 王竟攜酒,高亦同過,共用寒字
杜甫 《王竟攜酒,高亦同過,共用寒字》 五言律詩 成都(5部)浣花渓の草堂
昔からの友人はよく客として心に受け入れてくれる。酒を以て訪ねてくれ度重ねて私の健康のことを注意深く見てくれている。ただ私の所には充分な御馳走がないのである。だからこうして仕事の合間を見て馬鞍をよせてゆっくりしてくれるのである
2013年5月21日 | 同じ日の紀頌之5つのブログ |
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詩 題:王竟攜酒,高亦同過,共用寒字 七言律詩 杜甫 成都(5部)浣花渓の草堂(5-(39))
作時:762年1・2月杜甫51歳 掲 載; 杜甫1000首の464首目-場面5-(39)
杜甫ブログ1500回予定の-675回目 40774
作年: 上元二年 761年 50歲
卷別: 卷二二六 文體: 五言律詩
詩題: 王竟攜酒,高亦同過,共用寒字
作地點: 成都(劍南道北部 / 益州 / 成都)
及地點: 草堂 ( 益州 成都) 一室、西郭茅舍
交遊人/地點: 王掄 ・高適
王竟攜酒,高亦同過,共用寒字
(王掄君は結局は酒を携えてきてくれ、高適君はまた同じようにここに立ち寄ってくれる。みんなで詠うのであるが「寒」の一字を用いて作る。)臥疾荒郊遠,通行小徑難。
持病によって臥せがちで成都郊外のここの遠地にある。通行する小路も歩くのに難儀をすることもある。
故人能領客,攜酒重相看。
昔からの友人はよく客として心に受け入れてくれる。酒を以て訪ねてくれ度重ねて私の健康のことを注意深く見てくれている。
自愧無鮭菜,空煩卸馬鞍。
ただ私の所には充分な御馳走がないのである。だからこうして仕事の合間を見て馬鞍をよせてゆっくりしてくれるのである。
移樽勸山簡,頭白恐風寒。
盃で酒を酌み交わし竹林の七賢の山簡のように清談をすすめるのである。山間は白い帽子をかぜにとばしたがわたしは白髪頭を風に吹きさらし寒いばかりが違うというところだろうか。
(王は竟に酒を攜えて,高は亦た過るを同する,共に「寒」の字を用う。)
疾に臥して荒郊の遠にあり,通行は小徑難ある。
故人 能く客を領し,攜酒 相い看ることを重ねる。
自ら 鮭菜無くを愧れ,空く 馬鞍を卸すを煩わす。
樽を移して山簡を勸め,頭白して風寒を恐る。
『王竟攜酒,高亦同過,共用寒字』 現代語訳と訳註
(本文) 臥疾荒郊遠,通行小徑難。
故人能領客,攜酒重相看。
自愧無鮭菜,空煩卸馬鞍。
移樽勸山簡,頭白恐風寒。
(下し文)
(王は竟に酒を攜えて,高は亦た過るを同する,共に「寒」の字を用う。)
疾に臥して荒郊の遠にあり,通行は小徑難ある。
故人 能く客を領し,攜酒 相い看ることを重ねる。
自ら 鮭菜無くを愧れ,空く 馬鞍を卸すを煩わす。
樽を移して山簡を勸め,頭白して風寒を恐る。
(現代語訳)
(王掄君は結局は酒を携えてきてくれ、高適君はまた同じようにここに立ち寄ってくれる。みんなで詠うのであるが「寒」の一字を用いて作る。)
持病によって臥せがちで成都郊外のここの遠地にある。通行する小路も歩くのに難儀をすることもある。
昔からの友人はよく客として心に受け入れてくれる。酒を以て訪ねてくれ度重ねて私の健康のことを注意深く見てくれている。
ただ私の所には充分な御馳走がないのである。だからこうして仕事の合間を見て馬鞍をよせてゆっくりしてくれるのである。
盃で酒を酌み交わし竹林の七賢の山簡のように清談をすすめるのである。山間は白い帽子をかぜにとばしたがわたしは白髪頭を風に吹きさらし寒いばかりが違うというところだろうか。
(訳注)
王竟攜酒,高亦同過,共用寒字(王掄君は結局は酒を携えてきてくれ、高適君はまた同じようにここに立ち寄ってくれる。みんなで詠うのであるが「寒」の一字を用いて作る。)
・竟【終に/遂に/竟に】。①長い時間ののちに、最終的にある結果に達するさま。とうとう。しまいに。② ついに。結局は。
臥病 荒郊 遠 ,通行 小徑 難 。
持病によって臥せがちで成都郊外のここの遠地にある。通行する小路も歩くのに難儀をすることもある。
・臥病 疾病。持病、血圧、リュウマチ、喘息。
・荒郊 原村野郊外。
・遠 昔は、長安、洛陽山東省辺りで遊行をふかめた。そこから遠くに来て。
・小徑 難 病気で優れぬ時は家の近くの小道でさえも歩行を困難にしている。
故人 能 領客 ,攜酒 重相看 。
昔からの友人はよく客として心に受け入れてくれる。酒を以て訪ねてくれ度重ねて私の健康のことを注意深く見てくれている。
・領 ①首筋。うなじ。②着物のえり。③重要なところ。「綱領・要領」④中心になって取り仕切る。また、その者。⑤先頭に立って率いる。⑥自分のものとして所有し、支配する。また、その場所。⑦受け取る。⑧ 心に受け入れる。承知する。
自愧 無 鮭菜 ,空煩 卸 馬鞍 。
ただ私の所には充分な御馳走がないのである。だからこうして仕事の合間を見て馬鞍をよせてゆっくりしてくれるのである。
・鮭菜 飲食、食品、鮭菜。ごちそう。
・卸 馬鞍 鞍を降ろして馬をやすめる。ゆっくり過ごすこと。。
移樽 勸 山簡 ,頭白 恐 風寒 。
盃で酒を酌み交わし竹林の七賢の山簡のように清談をすすめるのである。山間は白い帽子をかぜにとばしたがわたしは白髪頭を風に吹きさらし寒いばかりが違うというところだろうか。
・移樽 樽は大きめの盃の事で酒を酌み交わすこと。。
・勸 山簡 竹林の七賢の山簡:山濤。西晋の山簡のこと。襄陽童謡にいう、荊州の知事として湖北省の荊州の地方長官として嚢陽にいたとき、常に酔っぱらっては高陽の池にあそび(野酒)、酩酊したあげく、白い帽子をさかさに被り、馬にのって歩いた。それが評判となり、そのことをうたった歌までできた。山簡は泥酔しているのではなく、この時、談義はしているのである。竹林の七賢人の山濤の子であり、山簡はそのような儒教的・既成の倫理観を捨て, 外聞を気にせず, 己に正直にして自由にふるまった。李白が山簡を詠い讃える重要な点である。李白は儒教的価値観に徹底的に嫌気を示している。山簡を象徴的に詠うのである。
・頭白 白髮。
・風寒 ここでは、杜甫が無冠であること、老人で帽子ではなく白髪であること。髪が少なくなって帽子が止められないことによって恥ずかしいという、冗談で締めくくる。
『九日藍田崔氏荘』「羞将短髪環吹帽、笑倩旁人為正冠。」(晉の孟嘉のように適当なかぶり方にして風が帽子を吹きおとすのは老いの短い髪の毛になっている自分にははずかしいことにおもわれる、笑い話のようであるが自分は孟嘉ほどのものではないので脇の人にこいねがってこの帽のかぶり具合をきちんと治してもらうことにしよう。)
陰暦九月九日重陽の菊の節句の日に藍田県の崔氏の別荘において作った詩。... 晉の孟嘉のように適当なかぶり方にして風が帽子を吹きおとすのは老いの短い髪の毛になっている自分にははずかしいことにおもわれる
九日藍田崔氏荘 杜甫詩kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ 杜甫特集700 ...
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詩文(含異文): 臥病荒郊遠,通行小徑難。故人能領客,攜酒重相看。自愧無鮭菜【自愧無蝦菜】,空煩卸馬鞍。