杜甫 《相逢歌贈嚴二別駕》我々はこの度、東川節度使の本拠地に入る。門から十歩入って、そこでグルット見回すのである。の城郭も中心部も少し前まで叛乱があり、さびしげな風が吹きさらしているのを止めることが出来たところだ。私の浣花渓の草堂はまたどうにかなっているのだろうか。

 

2013年6月21日 同じ日の紀頌之5つのブログ
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相逢歌贈嚴二別駕 楽府(七言歌行) 成都6-(23) 杜甫 <485>  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2565 杜甫詩1000-485-707/1500 



作時:762年 寶應元年 杜甫51歳 
卷別: 卷二二○  文體: 樂府 
詩題: 相逢歌贈嚴二別駕【相從行贈嚴二別駕】【嚴別駕相逢歌】 
掲 載; 杜甫1000首の485首目-場面6-(23)
杜甫ブログ1500回予定の-707回目   40806
作地點: 梓州(劍南道北部 / 梓州 / 梓州) 
及地點:  草堂 (劍南道北部 益州 成都) 別名:一室、西郭茅舍     
劍南東川節度使 (無第一級行政層級 無第二級行政層級 劍南東川節度使) 別名:東川     
交遊人物/地點: 嚴別駕 書信往來(劍南道北部 梓州 梓州)


相逢歌贈嚴二別駕
(「相逢歌」を作って、同行している別の車に乗る厳武君に贈る)
我行入東川,十步一回首。
城都亂罷氣蕭颯,浣花草堂亦何有。 
我々はこの度、東川節度使の本拠地に入る。門から十歩入って、そこでグルット見回すのである。
の城郭も中心部も少し前まで叛乱があり、さびしげな風が吹きさらしているのを止めることが出来たところだ。私の浣花渓の草堂はまたどうにかなっているのだろうか。

梓中豪俊大者誰,本州從事知名久。 
梓州の州都に豪傑俊才の素晴らしい人が誰アラン居るのだ。この州は事があってもそれを見事に沈めたことにより名声もひろく久しく知れ渡っている。
把臂開尊飲我酒,酒酣擊劍蛟龍吼。 
肘を抱えて大盃を開いて我々は酒を呑むことになる。おいしい酒を与えられ、剣をうちふるって舞うと、天上の竜も水中の蛟も叫ぶのである。
烏帽拂塵青騾粟,紫衣將炙緋衣走。 
成人以上の者たちは烏帽子の塵を払って若い元気のよい騾馬や粟のようにやくだってくれ、紫衣の官職のものは自分の肉を炙るかのように頑張り、緋衣の職にあるものでさえ自ら走って頑張ったのである。

銅盤燒蠟光吐日,夜如何其初促膝。 
黃昏始扣主人門,誰謂俄頃膠在漆。 
萬事盡付形骸外,百年未見歡娛畢。
神傾意豁真佳士,久客多憂今愈疾。

高視乾坤又可愁,一軀交態同悠悠。
垂老遇君未恨晚,似君須向古人求。


「相逢歌」別に駕する嚴二に贈る
我れ行きて東川に入り,十步 一たび首を回らす。
城都には亂れて蕭颯たるを氣するを罷む,浣花の草堂は亦た何ず有らん。 
梓中 豪俊 大いる者誰あらん,本州 事に從って知名久す。 
臂を把めば開尊し我も酒を飲まん,酒酣 擊劍 蛟龍の吼。 
烏帽 塵を拂い青騾の粟,紫衣 將って炙り緋衣の走。 

銅盤 燒蠟 光吐日,夜如何其 初促膝。 
黃昏 始扣 主人門,誰謂 俄頃 膠在漆。 
萬事 盡付 形骸外,百年 未見 歡娛畢。
神傾 意豁 真佳士,久客 多憂 今愈疾。

高視 乾坤 又可愁,一軀 交態 同悠悠。
垂老 遇君 未恨晚,似君 須向 古人求。


『相逢歌贈嚴二別駕』 現代語訳と訳註
(本文)
我行入東川,十步一回首。
城都亂罷氣蕭颯,浣花草堂亦何有。 
梓中豪俊大者誰,本州從事知名久。 
把臂開尊飲我酒,酒酣擊劍蛟龍吼。 
烏帽拂塵青騾粟,紫衣將炙緋衣走。 


(下し文)
「相逢歌」別に駕する嚴二に贈る
我れ行きて東川に入り,十步 一たび首を回らす。
城都には亂れて蕭颯たるを氣するを罷む,浣花の草堂は亦た何ず有らん。 
梓中 豪俊 大いる者誰あらん,本州 事に從って知名久す。 
臂を把めば開尊し我も酒を飲まん,酒酣 擊劍 蛟龍の吼。 
烏帽 塵を拂い青騾の粟,紫衣 將って炙り緋衣の走。


(現代語訳)
(「相逢歌」を作って、同行している別の車に乗る厳武君に贈る)
我々はこの度、東川節度使の本拠地に入る。門から十歩入って、そこでグルット見回すのである。
の城郭も中心部も少し前まで叛乱があり、さびしげな風が吹きさらしているのを止めることが出来たところだ。私の浣花渓の草堂はまたどうにかなっているのだろうか。
梓州の州都に豪傑俊才の素晴らしい人が誰アラン居るのだ。この州は事があってもそれを見事に沈めたことにより名声もひろく久しく知れ渡っている。
肘を抱えて大盃を開いて我々は酒を呑むことになる。おいしい酒を与えられ、剣をうちふるって舞うと、天上の竜も水中の蛟も叫ぶのである。
成人以上の者たちは烏帽子の塵を払って若い元気のよい騾馬や粟のようにやくだってくれ、紫衣の官職のものは自分の肉を炙るかのように頑張り、緋衣の職にあるものでさえ自ら走って頑張ったのである。

楠樹02







(訳注)
相逢歌贈嚴二別駕
「相逢歌」を作って、同行している別の車に乗る厳武君に贈る


我行 入 東川 ,十步 一 回首 。
我々はこの度、東川節度使の本拠地に入る。門から十歩入って、そこでグルット見回すのである。
東川」剣南東川節度使の略称。行政地名、東川。


城都 亂罷氣 蕭颯 ,浣花 草堂 亦何有 。
この城郭も中心部も少し前まで叛乱があり、さびしげな風が吹きさらしているのを止めることが出来たところだ。私の浣花渓の草堂はまたどうにかなっているのだろうか。
「城」梓城。
「都」都城。
「浣花」浣花溪。杜甫の草堂のある地域のこと。
「草堂」室屋廬の草堂。


梓中 豪俊 大者 誰 ,本州 從事 知名 久 。
梓州の州都に豪傑俊才の素晴らしい人が誰アラン居るのだ。この州は事があってもそれを見事に沈めたことにより名声もひろく久しく知れ渡っている。
「梓」梓州。
「豪俊」尊稱美稱で、豪傑俊才をいう。
「大者」素晴らしい人、大者。
「從事」徐知道の乱を平らげたことを云う。


把臂 開尊 飲 我酒 ,酒酣 擊劍 蛟龍 吼 。
肘を抱えて大盃を開いて我々は酒を呑むことになる。おいしい酒を与えられ、剣をうちふるって舞うと、天上の竜も水中の蛟も叫ぶのである。
「把臂」臂をかかえる。一般的に戦闘態勢のことを謂うが、ここでは酒を呑む前の姿勢。
「開尊」尊は樽で大きめの盃のこと。
「酒酣」酒を呑み醉うこと。
「擊劍」剣を持って踊ること。
「蛟」水中にいる伝説の動物で、鬚のない竜、蛟。
「龍」天上界を支配する龍。


烏帽 拂塵 青騾 粟 ,紫衣 將炙 緋衣 走 。
成人以上の者たちは烏帽子の塵を払って若い元気のよい騾馬や粟のようにやくだってくれ、紫衣の官職のものは自分の肉を炙るかのように頑張り、緋衣の職にあるものでさえ自ら走って頑張ったのである。
「烏帽」成人になってかぶる烏帽子、黑である。
「」器物、絲帛服飾(衣冠腰帶)、帽。
「拂塵」身繕いをする。制服に着替える。脱俗する。
「青騾」若い元気のよい騾馬。役に立つ喩えに使われる。《神仙別傳》李少君死,後有人見之,在河東蒲阪,乗靑騾。
「」語義類別:物、生物、動物專名(走獸)、騾。
「粟」【粟】あわ. イネ科の一年草。五穀の一つ。 Wikipedia「アワ」. 【粟立つ】かゆ. 寒さや恐怖などのために毛穴が収縮して、皮膚に 粟 ( あわ ) 粒のようなぶつぶつができる。鳥肌が立つ。 「あまりの恐怖で、総身に粟立つ」. 【粟米草】ざくろそう. ザクロソウ科の一年草。
「紫衣」絲帛服飾(衣冠腰帶)、官から与えられた制服(紫衣)。
「炙」語義類別:物、飲食、食材、肉。
「緋衣」絲帛服飾(衣冠腰帶)、五位以上の官服(緋衣)。