杜甫 《陳拾遺故宅》才智があり、ざっくばらんであり、優雅でもあることを継承しているし、道理に明るく、知恵があることについては肩を並べるものなどいないのだ。
2013年6月26日 | 同じ日の紀頌之5つのブログ |
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杜甫
作時: 762年 寶應元年51歲
卷別: 卷二二○ 文體: 五言古詩
詩題: 陳拾遺故宅【:宅在射洪縣東七里東武山下。】
作地: 目前尚無資料
地點: 陳拾遺故宅 (劍南道北部 梓州 射洪)
通泉 (劍南道北部 梓州 通泉) 別名:沈家坑
陳拾遺故宅
(陳拾遺の旧宅について)
〔宅在射洪縣東七里東武山下。〕
〔拾遺の邸宅は梓州射洪縣の東七里の所で東武山の麓にある〕
拾遺平昔居,大屋尚修椽。
拾遺はきょうまでの日常,過ぎた日々をこの居宅で平穏に過ごしている。この古い家とはいえ、大屋根はいまなおきっちり反りあがった縁を奇麗にしている。
悠揚荒山日,慘澹故園煙。
天気の良い日は人けのない寂しい山で一日、ゆったりとしてこせこせしないで過ごす。この古い庭園に霞がかかってくるとまるで身動きが取れず惨澹たる過ごし方になる。
位下曷足傷,所貴者聖賢。
栄誉ある爵位ではないとしてもどうして脛に傷を持っているものだと言えようか、このお方は聖人或は賢人というべき人である。
有才繼騷雅,哲匠不比肩。
才智があり、ざっくばらんであり、優雅でもあることを継承しているし、道理に明るく、知恵があることについては肩を並べるものなどいないのだ。
#2
公生揚馬後,名與日月懸。
同遊英俊人,多秉輔佐權。
彥昭超玉價,郭震起通泉。
到今素壁滑,灑翰銀鉤連。
盛事會一時,此堂豈千年。
終古立忠義,感遇有遺編。
陳拾遺の故宅
〔射洪縣の東七里の東武山の下に宅在り。〕
拾遺 昔居に平ぐ,大屋 尚お椽を修む。
悠揚して荒山の日,慘澹たり故園の煙。
位下りて曷んぞ足傷たらんや,貴所 聖賢の者たり。
才有りて騷雅を繼ぐ,哲匠 肩を比べらざり。
#2
公生 揚馬の後,名與し日月懸る。
同遊して英俊の人,多秉りて輔佐の權。
彥昭 玉價を超ゆ,郭震 通泉を起す。
到今 素壁の滑,灑翰 銀鉤の連。
盛事 一時に會し,此堂は豈に千年ならん。
終古 忠義に立ち,感遇して遺編に有る。
陳拾遺故宅 <489-#2>
陳拾遺故宅 #2 杜甫 陳子昂公が生まれるまでは前漢の揚雄と司馬相如の後にに匹敵する人物はまでいない。この名声は、太陽や月にかかるほどである。
陳拾遺故宅 蜀中転々 杜甫 <489-#2> 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2890 杜甫詩1000-489-#2-772/1500
--------------------------------------------------------------------------------詩文(含異文):
拾遺平昔居,大屋尚修椽【大宅尚修椽】。
悠揚荒山日【悠悠荒山日】,慘澹故園煙【慘澹故國煙】【崔崒故園煙】【崔崒故國煙】。
位下曷足傷,所貴者聖賢。有才繼騷雅,哲匠不比肩。公生揚馬後,名與日月懸。同遊英俊人,多秉輔佐權。彥昭【案:趙彥昭,字奐然,甘州人,與郭元振、張說相友善。】超玉價【彥昭趙玉價】,郭震起通泉【案:元振為通泉尉。】。
到今素壁滑,灑翰銀鉤連。盛事會一時,此堂豈千年。終古立忠義【終古占忠義】,感遇有遺編。
--------------------------------------------------------------------------------
『陳拾遺故宅』 現代語訳と訳註
(本文)
〔宅在射洪縣東七里東武山下。〕
拾遺平昔居,大屋尚修椽。
悠揚荒山日,慘澹故園煙。
位下曷足傷,所貴者聖賢。
有才繼騷雅,哲匠不比肩。
(下し文)
陳拾遺の故宅
〔射洪縣の東七里の東武山の下に宅在り。〕
拾遺 昔居に平ぐ,大屋 尚お椽を修む。
悠揚して荒山の日,慘澹たり故園の煙。
位下りて曷んぞ足傷たらんや,貴所 聖賢の者たり。
才有りて騷雅を繼ぐ,哲匠 肩を比べらざり。
(現代語訳)
(陳拾遺の旧宅について)
〔拾遺の邸宅は梓州射洪縣の東七里の所で東武山の麓にある〕
拾遺はきょうまでの日常,過ぎた日々をこの居宅で平穏に過ごしている。この古い家とはいえ、大屋根はいまなおきっちり反りあがった縁を奇麗にしている。
天気の良い日は人けのない寂しい山で一日、ゆったりとしてこせこせしないで過ごす。この古い庭園に霞がかかってくるとまるで身動きが取れず惨澹たる過ごし方になる。
栄誉ある爵位ではないとしてもどうして脛に傷を持っているものだと言えようか、このお方は聖人或は賢人というべき人である。
才智があり、ざっくばらんであり、優雅でもあることを継承しているし、道理に明るく、知恵があることについては肩を並べるものなどいないのだ。
(訳注)
陳拾遺故宅
陳拾遺の旧宅について
・もとの家。旧宅。また、古い家。
〔宅在射洪縣東七里東武山下。〕
〔拾遺の邸宅は梓州射洪縣の東七里の所で東武山の麓にある〕
拾遺平昔居,大屋尚修椽。
拾遺はきょうまでの日常,過ぎた日々をこの居宅で平穏に過ごしている。この古い家とはいえ、大屋根はいまなおきっちり反りあがった縁を奇麗にしている。
・平昔 きょうまでの日常,過ぎた日々。
・大屋 屋根は富貴の象徴であり、大きいほど身分定期高いことを謂う。
・縁・椽】. ①人と人を結ぶ,人力を超えた不思議な力。巡り合わせ。 「こうなったのも何かの-」 「ご-があったら,また会いましょう」. ②和風建築で,部屋の外側につけた板張りの細長い床の部分。
悠揚荒山日,慘澹故園煙。
天気の良い日は人けのない寂しい山で一日、ゆったりとしてこせこせしないで過ごす。この古い庭園に霞がかかってくるとまるで身動きが取れず惨澹たる過ごし方になる。
・悠揚 ゆったりとしてこせこせしないさま。落ち着いているさま。ゆるやかにあがること。また、はるか遠くまで届くこと。
・慘澹 (1)いたましくて見るに忍びないさま。(2)あれこれと心を砕くさま。
・荒山 険しく、人けのない寂しい山。
位下曷足傷,所貴者聖賢。
栄誉ある爵位ではないとしてもどうして脛に傷を持っているものだと言えようか、このお方は聖人或は賢人というべき人である。
・位下 栄誉ある爵位を位階といい、そこに至っていないものを位したとする。
・曷 曷は「なんとして」と譯す、輕く詰る意あり。
・足傷 犯罪などの後ろ暗いところがあって、常に不安をいだいていることのたとえ。
・所貴 1 相手を敬って、その住所をいう語。 2 貴人の居所。貴人の御前。
・聖賢 1 聖人と賢人。また、知識・人格にすぐれた人物。「―の道に学ぶ」2 《清酒を聖人、濁酒を賢人というところから》清酒と濁酒。
有才繼騷雅,哲匠不比肩。
才智があり、ざっくばらんであり、優雅でもあることをけいしょうしているし、道理に明るく、知恵があることについては肩を並べるものなどいないのだ。
・騷雅 楚辞の離騒からくる世俗の煩わしさから離脱することであるが、ここでいう「騒」は俗であること、ざっくばらんな事を云う。俗的であり優雅でもあること。
・哲匠 1 道理に明るく、知恵がある。2 徳や知恵のある人。才能・識見のすぐれた人。哲人。3 「哲学」の略。
489-#2 につて手違いで 2013/8/26に記載
陳拾遺故宅 #2 杜甫 陳子昂公が生まれるまでは前漢の揚雄と司馬相如の後にに匹敵する人物はまでいない。この名声は、太陽や月にかかるほどである。
陳拾遺故宅 <489-#2>
#2
公生揚馬後,名與日月懸。
同遊英俊人,多秉輔佐權。
彥昭超玉價,郭震起通泉。
到今素壁滑,灑翰銀鉤連。
盛事會一時,此堂豈千年。
終古立忠義,感遇有遺編。
陳拾遺故宅 蜀中転々 杜甫 <489-#2> 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2890 杜甫詩1000-489-#2-772/1500