杜甫《謁文公上方》この地にポツンと建っているお寺は、灌木の陰に隠れている。その山寺の僧侶は高い所に居をして降りてくる。

2013年6月29日 同じ日の紀頌之5つのブログ
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卷別: 卷二二○  文體: 五言古詩 
詩題: 謁文公上方 
作時:762年 寶應元年 杜甫51歳 
掲 載; 杜甫1000首の491首目-#1
杜甫ブログ1500回予定の-714回目

作地點: 梓州(劍南道北部 / 梓州 / 梓州) 
交遊人物/地點: 文公 當地交遊(劍南道北部 梓州 梓州)
 

謁文公上方
野寺隱喬木,山僧高下居。
石門日色異,絳氣橫扶疏。
窈窕入風磴,長蘆紛卷舒。
庭前猛虎臥,遂得文公廬。
(文公に謁見して、この詩をたてまつる)
この地にポツンと建っているお寺は、灌木の陰に隠れている。その山寺の僧侶は高い所に居をして降りてくる。
その石門には日光があたるがその色を色々異にする。夕暮れの赤色の霞がかかり、木々の枝が 四方に広がって横たわっている。
風の吹き荒ぶ石の多い坂道へゆっくりとはいっていく。長い蘆がそこに入ったものの出処進退を紛らわせる。
この寺の庭園には風が吹いて猛々しい虎の声がしているようでそこに伏せているのだろう。とは言いながら遂に、国内の内紛を避けて潜んだ分校の庵ともいうべきところに着くことができた。

#2
俯視萬家邑,煙塵對階除。
吾師雨花外,不下十年餘。
長者自布金,禪龕只晏如。
大珠脫玷翳,白月當空虛。
甫也南北人,蕪蔓少耘鋤。
#3
久遭詩酒污,何事忝簪裾。
王侯與螻蟻,同盡隨丘墟。
願聞第一義,回向心地初。
金篦刮眼膜,價重百車渠。
無生有汲引,茲理儻吹噓。


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野寺隱喬木,山僧高下居。
石門日色異,絳氣橫扶疏。
窈窕入風磴【窅窕入風磴】,長蘆紛卷舒。
庭前猛虎臥,遂得文公廬。
俯視萬家邑,煙塵對階除。
吾師雨花外,不下十年餘。
長者自布金,禪龕只晏如。
大珠脫玷翳【火珠脫玷翳】,白月當空虛【白日當空虛】。
甫也南北人,蕪蔓少耘鋤。
久遭詩酒污,何事忝簪裾。
王侯與螻蟻,同盡隨丘墟。
願聞第一義,回向心地初。
金篦刮眼膜,價重百車渠。
無生有汲引,茲理儻吹噓。

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『謁文公上方』 現代語訳と訳註
(本文)

野寺隱喬木,山僧高下居。
石門日色異,絳氣橫扶疏。
窈窕入風磴,長蘆紛卷舒。
庭前猛虎臥,遂得文公廬。


(下し文)
(文公に謁【まみ】えて 方を上【たてま】つる)
野寺 喬木に隱る,山僧 高くして居より下る。
石門 日色 異り,絳氣【こうき】 扶疏に橫たわる。
窈窕として 風磴に入る,長蘆 紛として舒を卷く。
庭前 猛虎臥し,遂に文公の廬を得んや。


(現代語訳)
(文公に謁見して、この詩をたてまつる)
この地にポツンと建っているお寺は、灌木の陰に隠れている。その山寺の僧侶は高い所に居をして降りてくる。
その石門には日光があたるがその色を色々異にする。夕暮れの赤色の霞がかかり、木々の枝が 四方に広がって横たわっている。
風の吹き荒ぶ石の多い坂道へゆっくりとはいっていく。長い蘆がそこに入ったものの出処進退を紛らわせる。
この寺の庭園には風が吹いて猛々しい虎の声がしているようでそこに伏せているのだろう。とは言いながら遂に、国内の内紛を避けて潜んだ分校の庵ともいうべきところに着くことができた。


(訳注)
謁文公上方
文公に謁見して、この詩をたてまつる


野寺 隱 喬木 ,山僧 高 下居 。
この地にポツンと建っているお寺は、灌木の陰に隠れている。その山寺の僧侶は高い所に居をして降りてくる。
「喬木」植物泛稱 灌木。


石門日色 異 ,絳氣 橫 扶疏 。
その石門には日光があたるがその色を色々異にする。夕暮れの赤色の霞がかかり、木々の枝が 四方に広がって横たわっている。
「日色」日光の色。
「異」形容詞彙、對比詞、異同(異)。
「絳氣」赤色霞光。夕暮れの赤色の霞がかかる。
「扶疏」木々の枝が 四方に広がる。ゆらゆらとゆらめくさま。


窈窕入 風磴 ,長蘆 紛卷舒 。
風の吹き荒ぶ石の多い坂道へゆっくりとはいっていく。長い蘆がそこに入ったものの出処進退を紛らわせる。
「窈窕」美しくしとやかなさま。上品で奥ゆかしいさま。奥深いさま。陶淵明『帰去来辭』「既窈窕以尋壑、亦崎嶇而經丘。」(既に窈窕として以て壑を尋ね、亦た崎嶇として丘を経。)奥深い谷に降りたり、けわしい丘に登ったりする。頭がよく顔も美しいしとやかな美人。『詩経、周南、關睢』「窈窕淑女、君子好逑」(窈窕たる淑女は、君子の好逑)
「風磴」風橙 風のわたる石段の路、また、石の多い坂道。
「長蘆」對比狀態、長い蘆葦。
「卷舒」(1)巻いたりのばしたりすること。広げることとしまうこと。 (2)出処進退。


庭前 猛虎 臥 ,遂得文公 廬 。
この寺の庭園には風が吹いて猛々しい虎の声がしているようでそこに伏せているのだろう。とは言いながら遂に、国内の内紛を避けて潜んだ分校の庵ともいうべきところに着くことができた。
「庭」、園林院落の庭。
「虎」動物專名(走獸)、虎。
「文公」文公。紀元前696年 - 紀元前628年、在位紀元前636年 - 紀元前628年)は、中国春秋時代の晋の君主。姓は姫、諱は重耳(ちょうじ:Chong'er)、諡は文。晋の公子であったが、国内の内紛をさけて19年間諸国を放浪したのち、帰国して君主となって天下の覇権を握り、斉の桓公と並んで斉桓晋文と称され、春秋五覇の代表格とされる。
「廬」宮室屋廬、廬。