杜甫《奉贈射洪李四丈》-#1年を取られたお方が屋根の上にいる鳥を見ている。その人は鳥のことを好ましく思っている。鳥もまたその人のことを好ましく思っている。
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作時:762年 寶應元年 杜甫51歳 蜀中転々
掲 載; 杜甫1000首の492首目
杜甫ブログ1500回予定の-717回目
作年: 寶應元年 762年 51歲
卷別: 卷二二○ 文體: 五言古詩
詩題: 奉贈射洪李四丈【案:明甫。】
寫作地點: 梓州(劍南道北部 / 梓州 / 梓州)
寫及地點: 射洪 (劍南道北部 梓州 射洪)
益州 (劍南道北部 益州 益州) 別名:南京、成都府
明月峽 (山南西道 渝州 巴縣) 別名:月峽
交遊人物/地點: 李明甫 書信往來(劍南道北部 梓州 射洪)
奉贈射洪李四丈
丈人屋上烏,人好烏亦好。
人生意氣豁,不在相逢早。
南京亂初定,所向邑枯槁。
遊子無根株,茅齋付秋草。
東征下月峽,掛席窮海島。
萬里須十金,妻孥未相保。
蒼茫風塵際,蹭蹬騏驎老。
志士懷感傷,心胸已傾倒。
(射洪李四丈に贈り奉る)
丈人 屋上の烏,人は好む 烏亦た好むを。
人生 意氣豁く,相い逢う早きこと在らざる。
南京 亂 初めて定り,向う所 邑 枯槁なり。
遊子 根株無く,茅齋【ぼうさい】秋草を付く。
#2
東征 月峽を下る,席を掛け 海島に窮む。
萬里 十金を須いる,妻孥【さいど】未だ相い保たず。
蒼茫として風塵の際,蹭蹬【そうとう】して 騏驎老ゆ。
志士 感傷を懷【いたみ】み,心胸 已に傾倒す。
『奉贈射洪李四丈』 現代語訳と訳註(本文)
奉贈射洪李四丈
丈人屋上烏,人好烏亦好。
人生意氣豁,不在相逢早。
南京亂初定,所向邑枯槁。
遊子無根株,茅齋付秋草。
(下し文)
(射洪李四丈に贈り奉る)
丈人 屋上の烏,人は好む 烏亦た好むを。
人生 意氣豁く,相い逢う早きこと在らざる。
南京 亂 初めて定り,向う所 邑 枯槁なり。
遊子 根株無く,茅齋【ぼうさい】秋草を付く。
(現代語訳)
(梓州射洪で李四丈殿にこの詩を贈り奉る)
年を取られたお方が屋根の上にいる鳥を見ている。その人は鳥のことを好ましく思っている。鳥もまたその人のことを好ましく思っている。
その人の生き方は意気軒昂で広くゆったりとしている。ここで互いにどちらかが少し早く動けばそこにはいないというものだ。
そんな時、成都の徐知道の乱は早くも平定されたようだ。ただ、今は。成都の街に向かっても、街は荒れ果ててしまっているだろう。
家を離れているので生活の基盤がなくなってしまっている。茅葺の私の書斎はきっと秋の雑草が生えていることだろう。
(訳注)
奉贈射洪李四丈
(梓州射洪で李四丈殿にこの詩を贈り奉る)
丈人 屋上 烏 ,人好 烏 亦好 。
年を取られたお方が屋根の上にいる鳥を見ている。その人は鳥のことを好ましく思っている。鳥もまたその人のことを好ましく思っている。
「丈人」1 年寄りを敬っていう語。 2 妻の父。岳父。
「屋」宮室屋廬、屋。
「好」對比詞、好壞(好)。
「烏」語義類別:物、生物、動物專名(飛禽)、烏鴉。
人生 意氣 豁 ,不在 相逢 早 。
その人の生き方は意気軒昂で広くゆったりとしている。ここで互いにどちらかが少し早く動けばそこにはいないというものだ。
「人生」語義類別:人、形容詞彙(人)、人生機遇、人生。
南京 亂初定 ,所向 邑 枯槁 。
そんな時、成都の徐知道の乱は早くも平定されたようだ。ただ、今は。成都の街に向かっても、街は荒れ果ててしまっているだろう。
「南京」行政地名、南京。成都を示す。
「定」語義類別:人、行為動作、戰爭活動、平定。
「枯槁」[1]草木がしぼみ枯れること。氷雪の野を蔽ひて草木の―せしが如く〔出典: 雪中梅(鉄腸)〕 [2]人が痩せ衰えること。やつれること。
遊子 無 根株 ,茅齋 付秋草 。
家を離れているので生活の基盤がなくなってしまっている。茅葺の私の書斎はきっと秋の雑草が生えていることだろう。
「遊子」語義類別:人、稱謂、指代稱謂、遊人。