杜甫《奉贈射洪李四丈》-#1年を取られたお方が屋根の上にいる鳥を見ている。その人は鳥のことを好ましく思っている。鳥もまたその人のことを好ましく思っている。

2013年7月2日 同じ日の紀頌之5つのブログ
●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩
Ⅰ李白と李白に影響を与えた詩
  
LiveDoor
《蒿里行》 武帝 魏詩<93-#2>古詩源 巻五 813 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2613
●唐を代表する中唐の韓愈の儒家としての考えのよくわかる代表作の一つ
Ⅱ中唐詩・晩唐詩
LiveDoor
江漢答孟郊 韓愈(韓退之) <147-#2>Ⅱ中唐詩726 漢文委員会kanbuniinkai 紀頌之の漢詩ブログ2614
●杜甫の全作品1141首を取り上げて訳注解説 ●理想の地を求めて旅をする。"
Ⅲ杜甫詩1000詩集 LiveDoor奉贈射洪李四丈 成都 杜甫 <492>  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2615 杜甫詩1000-492-717/1500
●これまで分割して掲載した詩を一括して掲載・改訂掲載・特集  不遇であった詩人だがきめの細やかな山水詩をかいている
Ⅳブログ漢・唐・宋詞詩集 Fc2
●●森鴎外の小説『魚玄機』、芸妓で高い評価を受けた『薛濤』の詩。唐時代にここまで率直な詩を書く女性が存在した奇跡の詩
Ⅴ.唐五代詞詩・宋詞詩・女性 LiveDoor贈遠二首 其一 薛濤 唐五代詞・宋詩 薛濤-215-81-#75  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2622
 
 ■今週の人気記事(漢詩の5ブログ各部門)
 ■主要詩人の一覧・詩目次・ブログindex

『楚辞・九歌』東君 屈原詩<78-#1>505 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1332
http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67664757.html
『楚辞』九辯 第九段―まとめ 宋玉  <00-#35> 664 漢文委員会kanbuniinkai 紀頌之の漢詩ブログ2304
http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10-rihakujoseishi/archives/6471825.html
安世房中歌十七首(1) 唐山夫人 漢詩 http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67710265.html
為焦仲卿妻作 序 漢詩<143>古詩源 巻三 女性詩 http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67729401.html
於凊河見輓船士新婚別妻一首 曹丕(魏文帝) 魏詩 http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67759129.html
朔風 (一章) 曹植 魏詩<25-#1>文選 雑詩 上  http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67780868.html
謝靈運詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/1901_shareiun000.html 謝靈運詩 六朝期の山水詩人。この人の詩は上品ですがすがしい男性的な深みのある詩である。後世に多大な影響を残している。
謝靈運が傲慢で磊落だったというが彼の詩からはそれを感じさせるということは微塵もない。謝靈運、謝朓、孟浩然は好きな詩人である。
登永嘉緑嶂山詩 #1 謝霊運 <20> 詩集 386ー http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67474554.html
登池上樓 #1 謝霊運<25>#1  ー http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67502196.html
孟浩然の詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/209mokonen01.html 孟浩然の詩 盛唐初期の詩人であるが謝霊運の詩に傾倒して山水詩人としてとてもきれいな詩を書いている。特に山水画のような病者の中で細やかな部分に動態を感じさせる表現力は素晴らしい。

李商隠詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/3991_rishoin000.html
李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。
女性詩人 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人 古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。
孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
李商隠詩 http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150首

 

奉贈射洪李四丈  成都 杜甫 <492>  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2615 杜甫詩1000-492-717/1500 

作時:762年 寶應元年 杜甫51歳 蜀中転々
掲 載; 杜甫1000首の492首目
杜甫ブログ1500回予定の-717回目


作年: 寶應元年  762年  51歲 
卷別: 卷二二○  文體: 五言古詩 
詩題: 奉贈射洪李四丈【案:明甫。】 
寫作地點: 梓州(劍南道北部 / 梓州 / 梓州) 
寫及地點:  射洪 (劍南道北部 梓州 射洪)     
益州 (劍南道北部 益州 益州) 別名:南京、成都府     
明月峽 (山南西道 渝州 巴縣) 別名:月峽     
交遊人物/地點: 李明甫 書信往來(劍南道北部 梓州 射洪)
 
奉贈射洪李四丈
丈人屋上烏,人好烏亦好。
人生意氣豁,不在相逢早。
南京亂初定,所向邑枯槁。
遊子無根株,茅齋付秋草。

東征下月峽,掛席窮海島。
萬里須十金,妻孥未相保。
蒼茫風塵際,蹭蹬騏驎老。
志士懷感傷,心胸已傾倒。

(射洪李四丈に贈り奉る)
丈人 屋上の烏,人は好む 烏亦た好むを。
人生 意氣豁く,相い逢う早きこと在らざる。
南京 亂 初めて定り,向う所 邑 枯槁なり。
遊子 根株無く,茅齋【ぼうさい】秋草を付く。
#2
東征 月峽を下る,席を掛け 海島に窮む。
萬里 十金を須いる,妻孥【さいど】未だ相い保たず。
蒼茫として風塵の際,蹭蹬【そうとう】して 騏驎老ゆ。
志士 感傷を懷【いたみ】み,心胸 已に傾倒す。
 

『奉贈射洪李四丈』 現代語訳と訳註
sora001(本文)
奉贈射洪李四丈
丈人屋上烏,人好烏亦好。
人生意氣豁,不在相逢早。
南京亂初定,所向邑枯槁。
遊子無根株,茅齋付秋草。


(下し文)
(射洪李四丈に贈り奉る)
丈人 屋上の烏,人は好む 烏亦た好むを。
人生 意氣豁く,相い逢う早きこと在らざる。
南京 亂 初めて定り,向う所 邑 枯槁なり。
遊子 根株無く,茅齋【ぼうさい】秋草を付く。


(現代語訳)
(梓州射洪で李四丈殿にこの詩を贈り奉る)
年を取られたお方が屋根の上にいる鳥を見ている。その人は鳥のことを好ましく思っている。鳥もまたその人のことを好ましく思っている。
その人の生き方は意気軒昂で広くゆったりとしている。ここで互いにどちらかが少し早く動けばそこにはいないというものだ。
そんな時、成都の徐知道の乱は早くも平定されたようだ。ただ、今は。成都の街に向かっても、街は荒れ果ててしまっているだろう。
家を離れているので生活の基盤がなくなってしまっている。茅葺の私の書斎はきっと秋の雑草が生えていることだろう。


(訳注)
奉贈射洪李四丈
(梓州射洪で李四丈殿にこの詩を贈り奉る)

丈人 屋上 烏 ,人好 烏 亦好 。
年を取られたお方が屋根の上にいる鳥を見ている。その人は鳥のことを好ましく思っている。鳥もまたその人のことを好ましく思っている。
「丈人」1 年寄りを敬っていう語。 2 妻の父。岳父。
「屋」宮室屋廬、屋。
「好」對比詞、好壞(好)。
「烏」語義類別:物、生物、動物專名(飛禽)、烏鴉。


人生 意氣 豁 ,不在 相逢 早 。
その人の生き方は意気軒昂で広くゆったりとしている。ここで互いにどちらかが少し早く動けばそこにはいないというものだ。
「人生」語義類別:人、形容詞彙(人)、人生機遇、人生。


南京 亂初定 ,所向 邑 枯槁 。
そんな時、成都の徐知道の乱は早くも平定されたようだ。ただ、今は。成都の街に向かっても、街は荒れ果ててしまっているだろう。
「南京」行政地名、南京。成都を示す。
「定」語義類別:人、行為動作、戰爭活動、平定。
「枯槁」[1]草木がしぼみ枯れること。氷雪の野を蔽ひて草木の―せしが如く〔出典: 雪中梅(鉄腸)〕 [2]人が痩せ衰えること。やつれること。


遊子 無 根株 ,茅齋 付秋草 。
家を離れているので生活の基盤がなくなってしまっている。茅葺の私の書斎はきっと秋の雑草が生えていることだろう。
「遊子」語義類別:人、稱謂、指代稱謂、遊人。