杜甫《觀薛稷少保書畫壁》#2 書面一杯に三文字が画かれていて、蛟と龍が高い所で纏いついている。
又、西方浄土のかわったものを筆をふるっているし、その地から屋根の軒先にもたすけるようにからんでいる。


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觀薛稷少保書畫壁【稷,汾陰人,工書畫,官至太子少保,封晉國公,以太平公主亂,坐知謀賜死。】  成都 杜甫 <495-#2>  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2660 杜甫詩1000-495-#2-726/1500 

詩 題: 作時:762年 寶應元年 杜甫51歳 
掲 載; 杜甫1000首の495首目#2-蜀中転々場面
杜甫ブログ1500回予定の-726回目   40825


詩文:
觀薛稷少保書畫壁
(薛稷少保が書画を壁にするを観る。)
少保有古風,得之陝郊篇。
薛稷の詩は文體が古詩である。それは彼の「陝郊篇」の詩に得る所がある。
惜哉功名忤,但見書畫傳。
惜しむべきところは、功名というものには逆らっていたことである。ただし、彼の書画については後世に伝わっている。
我游梓州東,遺蹟涪江邊。
われわれは梓州の東を旅遊している。ここには名所旧跡が涪江のあたりにあるのだ。
畫藏青蓮界,書入金榜懸。
書画が仏教寺院の中におさめられている。初についても金の賦がついて壁に架けられている。
仰看垂露姿,不崩亦不騫。
上を見上げてみればつが滴る姿がえがかれ、崩れ若しなし又飛び上がりもしない。
#2
鬱鬱三大字,蛟龍岌相纏。
書面一杯に三文字が画かれていて、蛟と龍が高い所で纏いついている。
又揮西方變,發地扶屋椽。
又、西方浄土のかわったものを筆をふるっているし、その地から屋根の軒先にもたすけるようにからんでいる。
慘澹壁飛動,到今色未填。
あれこれと心を砕いて壁に飛んだり動いたりしていて、今ここに色は付けられてはいないが間もなくほどこされるのだろう。
此行叠壯觀,郭薛俱才賢。
ここへの旅行は壮観なことが重なっているし、それも、初唐の郭震と薛稷少保と共に才能ある賢者であった者たちである。
不知百載後,誰複來通泉。
確かに100年後のことは分からないが、誰もがまたこの通泉というところへは來ることであろう。
  
觀薛稷【せつしょく】少保書畫壁 #1
少保 古風有り,之は陝郊篇を得る。
惜い哉 功名忤【さか】ふる,但し書畫の傳うるを見る。
我れ游ぶは 梓州の東,遺蹟 涪江の邊。
畫藏 青蓮の界,書入金榜懸。
仰ぎ看る 垂露の姿,崩れず 亦た騫【かか】らず。
#2
鬱鬱として三大の字,蛟龍 岌相【きゅうそう】の纏。
又た西方の變を揮い,地を發っす 屋椽を扶くを。
慘澹とし壁は飛動し,今に到るは色未だ填【はま】らず。
此れ行くは叠壯【じょうそう】の觀,郭【かく】薛【せつ】俱に才賢。
百載の後を知らず,誰か複た通泉に來る。


『觀薛稷少保書畫壁』 現代語訳と訳註
 (本文)
#2
鬱鬱三大字,蛟龍岌相纏。
又揮西方變,發地扶屋椽。
慘澹壁飛動,到今色未填。
此行叠壯觀,郭薛俱才賢。
不知百載後,誰複來通泉。


(下し文) #2
鬱鬱として三大の字,蛟龍 岌相【きゅうそう】の纏。
又た西方の變を揮い,地を發っす 屋椽を扶くを。
慘澹とし壁は飛動し,今に到るは色未だ填【はま】らず。
此れ行くは叠壯【じょうそう】の觀,郭【かく】薛【せつ】俱に才賢。
百載の後を知らず,誰か複た通泉に來る。


(現代語訳)
(薛稷少保が書画を壁にするを観る。)#2
書面一杯に三文字が画かれていて、蛟と龍が高い所で纏いついている。
又、西方浄土のかわったものを筆をふるっているし、その地から屋根の軒先にもたすけるようにからんでいる。
あれこれと心を砕いて壁に飛んだり動いたりしていて、今ここに色は付けられてはいないが間もなくほどこされるのだろう。
ここへの旅行は壮観なことが重なっているし、それも、初唐の郭震と薛稷少保と共に才能ある賢者であった者たちである。
確かに100年後のことは分からないが、誰もがまたこの通泉というところへは來ることであろう。


(訳注)
觀薛稷少保書畫壁
(薛稷少保が書画を壁にするを観る。)#2
薛稷(せつしょく、貞観23年(649年) - 開元元年(713年))は、中国唐代の書家・画家である。欧陽詢・虞世南・褚遂良とともに初唐の四大家に挙げられる。 字は嗣通。蒲州汾陰(現在の山西省万栄県)の人。高級官僚を代々輩出する名門一族の出身で、曽祖父に詩人の薛道衡を持ち、伯父の魏徴は有力な政治家だった。武則天のとき進士に及第し、官位は太子少保、礼部尚書まで上る。薛少保と人々から呼ばれた。 


鬱鬱 三 大字 ,蛟龍 岌相纏 。
書面一杯に三文字が画かれていて、蛟と龍が高い所で纏いついている。
「鬱鬱」 1 心の中に不安や心配があって思い沈むさま。 2 草木がよく茂っているさま。
「三」數詞、定量數詞、三。
「蛟」水中奥深い所に住むという、龍と同じ姿の世で髯がないもの。
「龍」神物(動物)、龍。
岌 山の高いことをいう。
「纏」絵の中で、蛟と龍が絡んでいる、交纏。


又揮 西方 變,發地 扶屋椽 。
又、西方浄土のかわったものを筆をふるっているし、その地から屋根の軒先にもたすけるようにからんでいる。
「揮」筆を手部により揮う。
「西方」西方浄土。佛家語、西方。


慘澹 壁 飛動 ,到今 色 未填 。
あれこれと心を砕いて壁に飛んだり動いたりしていて、今ここに色は付けられてはいないが間もなくほどこされるのだろう。
「慘澹」(1)いたましくて見るに忍びないさま。 「―たる結果に終わる」「―たる殺戮を世上に見るのみなりき/日本開化小史(卯吉)」 (2)あれこれと心を砕くさま。
「填」行為動作、一般行為(土部)、填。はまる【填まる/嵌まる】とは。意味や解説。[動ラ五(四)]1 穴の部分にぴったりとはいる。うまくはいっておさまる。「栓が―・る」「ボタンが―・る」「型に―・る」2 うまくあてはまる。


此行 疊 壯觀 ,郭薛 俱才賢 。
ここへの旅行は壮観なことが重なっているし、それも、初唐の郭震と薛稷少保と共に才能ある賢者であった者たちである。
「疊」語義類別:物、形容詞彙(物)、景物形態、疊。叠(疊)(曡)とは。意味や日本語訳。[動](1) 積み重ねる叠五层五層に重ねる.重叠重なる.(2) 折り畳む叠衣服服を畳む.叠床架屋 die chuang jia wū《成》ベッドにベッドを重ねる,屋上屋を重ねる,重複する.
「壯觀」景物形態、壯觀。
「郭薛」郭震(唐)と薛稷(唐)。
「才」詩文を作る才能。
「賢」賢者。


不知 百載 後 ,誰復 來 通泉 。
確かに100年後のことは分からないが、誰もがまたこの通泉というところへは來ることであろう。
「百載」百年後。
「通泉」地名、行政地名、通泉。