杜甫《少年行》 馬上で我が物顔で振る舞うのは、どこの富貴の家の御曹司のものだろうか、酒屋のきざはしの前から馬をおり、人が座っていた長椅子に、どっかと腰をかけるのだ。


2013年7月18日 同じ日の紀頌之5つのブログ
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少年行 杜甫 蜀中転々 杜甫 <501>  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2695 杜甫詩1000-501-733/1500


詩 題: 作時:762年 寶應元年 杜甫51歳 
掲 載; 杜甫1000首の501首目-場面
杜甫ブログ1500回予定の-733回目


少年行,二首之一
莫笑田家老瓦盆,自從盛酒長兒孫。 
傾銀注瓦驚人眼,共醉終同臥竹根。 
(富貴の青年の悪行を詠う歌,二首のその一)
農家の古ぼけたかわらけの盃や肴を盛り付ける大皿食器を、笑うことをしてはいけない。こんな農家だとその食器でしか富貴の者の子や孫に提供して酒宴をさかんにするだけなのだ。
銀の飾り物を盃にしたり、瓦の盆にさけをついだり、村の人々を困らせるだけである。あげく、みんな酔っぱらって、ついに同じように静寂で隠棲の場所である竹林で寝てしまうしまつである。

少年行,二首之二
巢燕養雛渾欲去、江花結子也無多。
黄衫年少來宜敷、不見堂前東逝波。
(富貴の青年の悪行を詠う歌,二首のその一)
巣で雛を育てる多くのツバメというものはせいちょうすれば全員去ってゆくものであるということや、濯錦江を花いっぱいにして浣花渓と名付けたのを、わたしの女子供らが見ているのです。
それなのに、片肌脱いだ貴族の息子どもはここに来て勝手に座っているし、奥座敷の前入るやつらはそれがこの国の常識であることを知ってはいないのだろうか。


少年行
(少年行)
DCF00019馬上誰家白面郎、臨階下馬坐人牀。
馬上で我が物顔で振る舞うのは、どこの富貴の家の御曹司のものだろうか、酒屋のきざはしの前から馬をおり、人が座っていた長椅子に、どっかと腰をかけるのだ。
不通姓氏麤豪甚、指點銀瓶索酒嘗。
それから横柄な態度で、何処の誰とも名のらず、「あれをくれ」と、銀の酒瓶を指ざしして酒をもとめ、瓶の紐をもって瓶ごと直に呑んでいるのだ。

(少年行)
馬上 誰が家の白面郎ぞ、馬より下りて階に臨み、人牀に坐す。
姓氏を通ぜず麤豪【そごう】甚し、銀瓶【ぎんべい】を指点して酒を索もとめて嘗【な】む。


『少年行』 現代語訳と訳註
(本文)
少年行
馬上誰家白面郎、臨階下馬坐人牀。
不通姓氏麤豪甚、指點銀瓶索酒嘗。


(下し文)
(少年行)
馬上 誰が家の白面郎ぞ、馬より下りて階に臨み、人牀に坐す。
姓氏を通ぜず麤豪【そごう】甚し、銀瓶【ぎんべい】を指点して酒を索もとめて嘗【な】む。


(現代語訳)
(少年行)
馬上で我が物顔で振る舞うのは、どこの富貴の家の御曹司のものだろうか、酒屋のきざはしの前から馬をおり、人が座っていた長椅子に、どっかと腰をかけるのだ。
それから横柄な態度で、何処の誰とも名のらず、「あれをくれ」と、銀の酒瓶を指ざしして酒をもとめ、瓶の紐をもって瓶ごと直に呑んでいるのだ。


(訳注)
少 年 行
・少年を題材にしたものは盛唐の詩人の間で流行っていたのだろう。杜甫も最初二首詠い、しばらくして、この一首詠っている。どの詩人も貴族の親に向けて、批判はできないが、その息子らの破廉恥な様子を詠うことにより、貴族社会を批判している。
・貴族の子弟が酒屋において傲慢に酒を貪ったさまをうたう。(762)宝応元年、杜甫51歳の成都での作品。李白や、王維の同名の作品は楽府、音楽に合わせて歌うように詩を読むものであるが、杜甫のこの詩は七言絶句の形式の歌行である。同種の『貧孝行』がある。


馬上誰家白面郎、臨階下馬坐人牀。
馬上で我が物顔で振る舞うのは、どこの富貴の家の御曹司のものだろうか、酒屋のきざはしの前から馬をおり、人が座っていた長椅子に、どっかと腰をかけるのだ。
○白面郎 かおのしろいわかもの。過保護で育ち、労働をしていない若者。  
○階 さかやのきざはし。 階は家の一部で道路からはたたきの様な部分があり、道路で下馬し、歩いて階まで行くべきところ、無礼な態度を云う。 
〇人牀 他人が座るべき酒屋の家の長いす。


不通姓氏麤豪甚、指點銀瓶索酒嘗。
それから横柄な態度で、何処の誰とも名のらず、「あれをくれ」と、銀の酒瓶を指ざしして酒をもとめ、瓶の紐をもって瓶ごと直に呑んでいるのだ。
○不通姓氏 だれそれと姓名をなのらぬ。 名乗らず大金を「付け」にして払わないことを云う。 
○麤豪 細慎ならぬことをいう。人も無げな横柄な態度をいう。  
○指点 あれと指ざしする。もっとも無礼な態度。
○銀瓶 銀でこしらえたさかがめ。
○索酒嘗 亀にひもがついており、それを以て、亀の酒を直に飲む様子を云う。
●韻 郎、牀、嘗
DCF00006