杜甫《奉和嚴中丞西城晚眺十韻》 前漢の汲黯に比すべき君は天子のわるいところをしばしば切諌し、戦国の廉頗である君は頻りに武将として地方へ出られる。


2013年7月22日 同じ日の紀頌之5つのブログ
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奉和嚴中丞西城晚眺十韻  蜀中転々 杜甫 <505-#1>  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2715 杜甫詩1000-505-#1-737/1500 



詩 題: 作時:762年 寶應元年 杜甫51歳 
卷別: 卷二二七  文體: 五言古詩 
掲 載; 杜甫1000首の505-#1首目-場面
杜甫ブログ1500回予定の-737回目   40836

厳武が西城晩眺の詩を作ったのについて、それに和してつくった詩。宝応元年春の作


奉和嚴中丞西城晚眺 十韻 #1
(厳武中丞が成都の西城にあって夕がた景色をながめたことをよんだ詩。)
汲黯匡君切,廉頗出將頻。
前漢の汲黯に比すべき君は天子のわるいところをしばしば切諌し、戦国の廉頗である君は頻しきりに武将として地方へ出られる。
直詞才不世,雄略動如神。
君の直言は世毎には出ぬほどまれなものであり、君の雄略はそのはたらき神がかり的なものであるといわれる。
政簡移風速,詩清立意新。
政ごとにかんしては簡単でしかも速かに悪風俗をかえ、また詩才があってその詩は清らかで意匠は新しいのである。
層城臨暇景,絕域望餘春。』
君の政治姿勢は威風高い城で遠き風景に臨みてみ下し、蜀のごとき絶域において春のおわりの景色をながめられる風流を兼ね備えている。』  
千畳敷0010#2
旗尾蛟龍會,樓頭燕雀馴。地平江動蜀,天闊樹浮秦。』
帝念深分閫,軍須遠算緡。花羅封蛺蝶,瑞錦送麒麟。
辭第輸高義,觀圖憶古人。征南多興緒,事業闇相親。』


(厳中丞が西城晩眺を和し奉る 十韻)
汲黯【きゅうあん】君を匡【ただ】すこと切なり、廉頗【れんぱ】出將【しゅっしょう】頻【しき】りなり。
直詞才世ならず、雄略動くこと神の如し。
政 筒にして風を移すこと速やかに、詩清くして意を立つること新たなり。
層城 暇景に臨み、絶域 余春を臨む。
#2
旗尾尾蚊竜 会す、楼頭 燕雀 馴る。
地平らかにして江 蜀に動き、天闊くして樹秦に浮かぶ。
帝念 分閫【ぶんこん】に深く、軍須【ぐんしゅ】算緡【さんびん】を遠ざく。
花羅【から】蛺蝶【きょうちょう】を封じ、瑞錦【ずいきん】麟鱗【きりん】を送る。
辞第 高義を輸【いた】し、観図古人を憶う。
征南 興緒【きょうしょ】多し、事業 闇【あん】に相い親しむ。


『奉和嚴中丞西城晚眺 十韻』 現代語訳と訳註
(本文)
#1
汲黯匡君切,廉頗出將頻。直詞才不世,雄略動如神。
政簡移風速,詩清立意新。層城臨暇景,絕域望餘春。』


(下し文)
(厳中丞が西城晩眺を和し奉る 十韻)
汲黯【きゅうあん】君を匡【ただ】すこと切なり、廉頗【れんぱ】出將【しゅっしょう】頻【しき】りなり。
直詞才世ならず、雄略動くこと神の如し。
政 筒にして風を移すこと速やかに、詩清くして意を立つること新たなり。
層城 暇景に臨み、絶域 余春を臨む。


(現代語訳)
(厳武中丞が成都の西城にあって夕がた景色をながめたことをよんだ詩。)
前漢の汲黯に比すべき君は天子のわるいところをしばしば切諌し、戦国の廉頗である君は頻しきりに武将として地方へ出られる。
君の直言は世毎には出ぬほどまれなものであり、君の雄略はそのはたらき神がかり的なものであるといわれる。
政ごとにかんしては簡単でしかも速かに悪風俗をかえ、また詩才があってその詩は清らかで意匠は新しいのである。
君の政治姿勢は威風高い城で遠き風景に臨みてみ下し、蜀のごとき絶域において春のおわりの景色をながめられる風流を兼ね備えている。』


(訳注)
奉和嚴中丞西城晚眺 十韻

○厳中丞 厳武。杜甫は厳武に着いて、これまでも多く詩に詠っている。

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西城晩眺 厳武が作った詩の題である、成都の西城にあって夕がた景色をながめたことをよんだ。



汲黯匡君切,廉頗出將頻。
前漢の汲黯に比すべき君は天子のわるいところをしばしば切諌し、戦国の廉頗である君は頻しきりに武将として地方へ出られる。
○汲黯(きゅうあん生没年不詳) 前漢の人。濮陽の人で、字は長儒。漢の武帝の時代の大臣。大中大夫となったのでしばしば切諌した。
○匡君 君の悪事を正す。
○廉頗(れんぼ生没年不詳)は、中国戦国時代の趨の将軍。藺相如との関係が「刎頸の交わり」として有名。紀元前283年、将軍となり秦を討ち、昔陽を取る。紀元前282年、斉を討ち、陽晋(現在の山東省)を落とした。この功により上卿に任ぜられ、勇気のあることで諸侯の間で有名となる。
○出将 他の地へ出て将となること、厳武が処処へ節度使となってでたことをいう。


直詞才不世,雄略動如神。
君の直言は世毎には出ぬほどまれなものであり、君の雄略はそのはたらき神がかり的なものであるといわれる。
○直詞 直言を吐くこと、「匡君」の句を承ける、不世、不二世出】の意、まれにしかでない。
○雄略 おおしいはかりごと、「出将」の句を承ける。


政簡移風速,詩清立意新。
政ごとにかんしては簡単でしかも速かに悪風俗をかえ、また詩才があってその詩は清らかで意匠は新しいのである。
○政簡 政治の仕方が簡単である。
○移風 民の悪風を良風にかえる。
○詩清 清はさっぱりとしていること。
○立意 意匠のたでかた。


層城臨暇景,絕域望餘春。』
君の政治姿勢は威風高い城で遠き風景に臨みてみ下し、蜀のごとき絶域において春のおわりの景色をながめられる風流を兼ね備えている。』
○層城 いくえかかさなった城。
○暇景 暇は遇の誤字であろう、追景ははるかな景色。
○絶域 かけはなれたばし上、成都の地をさす。
○余春 春ののこりのけしき。
成都遂州00