《得廣州張判官叔卿書使還以詩代意》廣州の張判官叔卿の書簡を使いの段功曹から得たことで、今の思いを詩にして廣州に帰る段功曹に預けるので受け取ってください。張判官の故郷の関所塞は異民族の騎馬から遠く離れている。この天下は蜀の城郭の方に不安ことが偏ってしまっている。


2013年7月26日 同じ日の紀頌之5つのブログ
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得廣州張判官叔卿書使還以詩代意【案:叔卿,魯人,見甫雜述。】 蜀中転々 杜甫 <508>  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2735 杜甫詩1000-508-741/1500


詩 題: 作時:762年 寶應元年 杜甫51歳 
掲 載; 杜甫1000首の508首目-場面
杜甫ブログ1500回予定の-741回目
卷別: 卷二二七  文體: 五言律詩 
詩題: 得廣州張判官叔卿書使還以詩代意【案:叔卿,魯人,見甫雜述。】 
作地點: 成都(劍南道北部 / 益州 / 成都) 
及地點:  廣州 (嶺南道東部 廣州 廣州)     
明月峽 (山南西道 渝州 巴縣) 別名:月峽     
交遊人物/地點: 張叔卿 書信往來(嶺南道東部 廣州 廣州)
詩文:
得廣州張判官叔卿書使還以詩代意
(廣州の張判官叔卿の書簡を使いの段功曹から得たことで、今の思いを詩にして廣州に帰る段功曹に預けるので受け取ってください。)
鄉關胡騎遠,宇宙蜀城偏。
張判官の故郷の関所塞は異民族の騎馬から遠く離れている。この天下は蜀の城郭の方に不安ことが偏ってしまっている。
忽得炎州信,遙從月峽傳。
そんな時にあなたの炎州の方から書信が届いた。はるか、かなたに明月峡日の風流を伝えお送りするものである。
雲深驃騎幕,夜隔孝廉船。
雲は高く深く、ここの幕府には驃騎将軍がいるし、夜になっても遠く離れていても親孝行なものは舟手出掛けるのである。
卻寄雙愁眼,相思淚點懸。
そんなこともあって愁いを帯びた二つ並んだ眼で見た思いを送ります。互いに思っていることを考えると、涙がしたたり落ちて來るものである。
 
廣州張判官叔卿の書を得て、使いのもの還るに、以て代意を詩す。
鄉關 胡騎 遠く,宇宙 蜀城 偏る。
忽として得る 炎州の信を,遙かに從る 月峽の傳。
雲深く 驃騎の幕,夜隔て 孝廉の船。
卻って雙愁の眼を寄せ,相い思う 淚點の懸。


月明峡01


















『得廣州張判官叔卿書使還以詩代意』 現代語訳と訳註
(本文)
鄉關胡騎遠,宇宙蜀城偏。
忽得炎州信,遙從月峽傳。
雲深驃騎幕,夜隔孝廉船。
卻寄雙愁眼,相思淚點懸。


(下し文)
廣州張判官叔卿の書を得て、使いのもの還るに、以て代意を詩す。
鄉關 胡騎 遠く,宇宙 蜀城 偏る。
忽として得る 炎州の信を,遙かに從る 月峽の傳。
雲深く 驃騎の幕,夜隔て 孝廉の船。
卻って雙愁の眼を寄せ,相い思う 淚點の懸。


(現代語訳)
(廣州の張判官叔卿の書簡を使いの段功曹から得たことで、今の思いを詩にして廣州に帰る段功曹に預けるので受け取ってください。)
張判官の故郷の関所塞は異民族の騎馬から遠く離れている。この天下は蜀の城郭の方に不安ことが偏ってしまっている。
そんな時にあなたの炎州の方から書信が届いた。はるか、かなたに明月峡日の風流を伝えお送りするものである。
雲は高く深く、ここの幕府には驃騎将軍がいるし、夜になっても遠く離れていても親孝行なものは舟手出掛けるのである。
そんなこともあって愁いを帯びた二つ並んだ眼で見た思いを送ります。互いに思っていることを考えると、涙がしたたり落ちて來るものである。


(訳注)
得廣州張判官叔卿書使還以詩代意
(廣州の張判官叔卿の書簡を使いの段功曹から得たことで、今の思いを詩にして廣州に帰る段功曹に預けるので受け取ってください。)
・廣州 現在の広東省に位置する。杜甫『送段功曹歸廣州』「南海春天外,功曹幾月程。峽雲籠樹小,湖日落船明。交趾丹砂重,韶州白葛輕。幸君因旅客,時寄錦官城。」
・使 段功曹


鄉關 胡騎 遠 ,宇宙 蜀城 偏。
千畳敷0010張判官の故郷の関所塞は異民族の騎馬から遠く離れている。この天下は蜀の城郭の方に不安ことが偏ってしまっている。
「鄉關」語義類別:地、地理、特殊場域、家鄉。
「胡騎」語義類別:人、稱謂、指代稱謂、胡騎。


忽得 炎州 信 ,遙從 月峽 傳 。
そんな時にあなたの炎州の方から書信が届いた。はるか、かなたに明月峡日の風流を伝えお送りするものである。
「炎州」中國から南へ九万里、方円二千里。この世界には不思議なドウブツがいるので名高い。
・「月峽」明月峽。明月峡古桟道は別名朝天峡、古蜀桟道の一部で、広元北23キロの嘉陵江東岸の絶壁に掘られた古蜀から中原に入る唯一の交通要道であった。戦国時代から宋時代まで歴代の蜀人が絶えずに修復し、新しく掘り続け、この蜀の桟道は数百キロも続く。
 


雲深 驃騎 幕 ,夜隔 孝廉 船 。
雲は高く深く、ここの幕府には驃騎将軍がいるし、夜になっても遠く離れていても親孝行なものは舟手出掛けるのである。
「驃騎」驃騎将軍(ひょうきしょうぐん)は、前漢以降の官職名。軍を率いる将軍位の一つ。票騎将軍と記述されることもある。 前漢の武帝元狩2年(紀元前121年)に霍去病が就任したことに始まり、元狩4年(紀元前119年)には大将軍と同等の秩禄とされた。身軽に装備した騎兵。軽騎兵。
「幕」幕府。剣南東川幕府。
「孝廉」① 孝行で欲が少なく、正直なこと。また、そのさま。②㋐中国漢代に、朝廷が各郡に推挙させた人物の徳目の一。また、その徴士の名称。㋑郷試合格者である、挙人の称。
「船」語義類別:物、器物、交通工具(水路)、船。


卻寄 雙 愁眼 ,相思 淚點 懸 。
そんなこともあって愁いを帯びた二つ並んだ眼で見た思いを送ります。互いに思っていることを考えると、涙がしたたり落ちて來るものである。
「寄」語義類別:人、行為動作、一般行為(宀部)、寄。
「雙」語義類別:其他、數詞、定量數詞、雙。
「愁眼」秋の夕べに愁いを帯びた眼でみることをいう。杜甫『遺懷』「愁眼看霜露,寒城菊自花。天風隨斷柳,客淚墮清笳。水靜樓陰直,山昏塞日斜。夜來歸鳥盡,啼殺後棲鴉。」。