杜甫《三絕句,三首之二》 ここの門の外に河鵜が去って行きそして戻ってくることはない。川岸の砂浜のほとりに歩いていて猜疑心を持った目で、辺りを見ていることだろう。
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三絕句,三首之二 蜀中転々 杜甫 <511> 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2750 杜甫詩1000-511-744/1500
詩 題: 作時:762年 寶應元年 杜甫51歳
掲 載; 杜甫1000首の511首目-場面
杜甫ブログ1500回予定の-744回目 40843
卷別: 卷二二七 文體: 七言絕句
詩題: 三絕句,三首之二
詩文:
三絕句,三首
1 楸樹馨香倚釣磯,斬新花蕊未應飛。
不如醉裏風吹盡,可忍醒時雨打稀。
2 門外鸕鷀去不來,沙頭忽見眼相猜。
自今已後知人意,一日須來一百回。
3 無數春筍滿林生,柴門密掩斷人行。
會須上番看成竹,客至從嗔不出迎。
三絕句,三首之一
楸樹馨香倚釣磯、斬新花蕊未應飛。
不如醉裏風吹盡,可忍醒時雨打稀。
楸の木々は芳しき香りを漂わせている、その木に寄りかかってここで岸辺に釣り糸を垂れる。咲き始めた新しい花弁はまだまだ飛び散ってはいない。
この庭に宴をしてなかなか酔えないのは、風が吹いて来て酔いを醒ますからだ。酔いがさめる時が我慢できるというのは雨が降ってくることがないほどであるからである。
楸【きささげ】の樹は馨【かお】り香【かぐわ】しくして 釣りばの磯【いそ】に倚り、斬新の花蕊【かずい】は 未だ応【まさ】に飛ぶべからず。
裏 醉うに如かず 風吹き盡す,醒むる時に忍ぶ可く 雨打つは稀れなり。
門外鸕鶿去不來,沙頭忽見眼相猜。
ここの門の外に河鵜が去って行きそして戻ってくることはない。川岸の砂浜のほとりに歩いていて猜疑心を持った目で、辺りを見ていることだろう。
自今已後知人意,一日須來一百回。
それが今のことであり、これから後は人の思いを知ることによってもうすることはないだろう。このカワウは一日に百回くらいは餌をとっていることだろう。
門外 鸕鶿【ろじ】 去りて來らず,沙頭 忽ち見 眼は相に猜【ねた】む。
今自り 已後 知人の意,一日 須らく 一百回も來る。
『三絕句,三首之二』 現代語訳と訳註
(本文)
門外鸕鶿去不來【門外鸕鶿久不來】,沙頭忽見眼相猜。自今已後知人意,一日須來一百回。
(下し文)
門外 鸕鶿【ろじ】 去りて來らず,沙頭 忽ち見 眼は相に猜【ねた】む。
今自り 已後 知人の意,一日 須らく 一百回も來る。
(現代語訳)
ここの門の外に河鵜が去って行きそして戻ってくることはない。川岸の砂浜のほとりに歩いていて猜疑心を持った目で、辺りを見ていることだろう。
それが今のことであり、これから後は人の思いを知ることによってもうすることはないだろう。このカワウは一日に百回くらいは餌をとっていることだろう。
(訳注)
三絕句,三首之二
門外 鸕鶿 去 不來 ,沙頭 忽見 眼 相猜 。
ここの門の外に河鵜が去って行きそして戻ってくることはない。川岸の砂浜のほとりに歩いていて猜疑心を持った目で、辺りを見ていることだろう。
「鸕鶿」・鸕鶿 鵜のとり。中國古代より鵜飼が行われていた。カワウ(河鵜、川鵜、学名:Phalacrocorax carbo)は、ペリカン目(Sibley分類ではコウノトリ目に属する)、ウ科に分類される鳥類の一種。名前の由来は文字通り「川」に生息する「鵜」である。ただし、河川のみならず、河口付近や浅海域でも普通に見ることができる。・鸕鸂 う。鵜飼のこと。鴨ににて黒くのどが白い。水をくぐって魚をとらえるのが巧みである。魚玄機『江行 二首 其二』「煙花已入鸕鶿港,畫舸猶沿鸚鵡洲。醉臥醒吟都不覺,今朝驚在漢江頭。」
・鸂鶒 【けいせき】おしどり。兄弟の喩えにされる鳥。杜甫はよく使う。鸂鶒【けいせき】紫おしどり。謝霊運『鸂鶒賦』「覧水禽之萬族、信莫麗干鸂鶒。」(水禽之萬族を覧るに、信に干鸂鶒麗しきは莫し。)
『卜居』
浣花溪水水西頭,主人為卜林塘幽。
已知出郭少塵事,更有澄江銷客愁。
無數蜻蜓齊上下,一雙鸂鶒對沈浮。
東行萬裡堪乘興,須向山陰上小舟。
ここでは妓女をカワウに比喩している。
「沙頭」川岸の砂浜のほとり。
「猜」そねむそねむ。ねたむ。うたがう。「猜忌・猜疑」
自今 已後 知 人意 ,一日 須來 一百 回 。
それが今のことであり、これから後は人の思いを知ることによってもうすることはないだろう。このカワウは一日に百回くらいは餌をとっていることだろう。
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詩文(含異文):
門外鸕鶿去不來【門外鸕鶿久不來】,沙頭忽見眼相猜。
自今已後知人意,一日須來一百回。