戲為六句,六首之三とえば四傑に詩文を作らせたとして、それは漢魏が『詩経』、「楚辞」に近いおもむきがあるのとくらべれば劣るにしても、どうして四傑の作品はたいしたものではないか。

 

2013年8月2日  同じ日の紀頌之5つのブログ
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戲為六
句,六首之三 蜀中転々 杜甫 <515>  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2770 杜甫詩1000-515-748/1500

 

 

1(戲れということで六句をつくってみた,六首の一番目)

北周の庾信はその詩文章は老年になってからさらに成熟している、雲をもしのぐほどの健筆、その意は縦横無尽にのべられている。

今の時代の軽薄文士たちは伝来の庚信の賦をあれこれと鼻先で笑うなどしている。孔子が「後生長るべし」といわれた意味を知っていないのは残念なことであり、庚信は後生ではあるが畏るべき人なのである。

戲れに六句を為る,六首の一

庾信が文章老いて更に成る、凌雲 健筆 意 縱橫。

今人 嗤点す 流伝の賦、覚らず前賢後生を畏れしことを。

 

 

2 戲為六句,六首之二

(戲れということで六句をつくってみた,六首の二番目)

楊王盧駱當時體,輕薄為文哂未休。

初唐、則天武后の時代に楊・王・盧・駱の四傑が華麗な詩文を作った。そのころの文体をいまの軽薄文士どもは小馬鹿にしていることを批判する。

爾曹身與名俱滅,不廢江河萬古流。

汝ら皆はからだも、名も共に滅びてしまうものであるが、四傑の作品は長江、黄河の大河が万古濠濠として流れてつきないように滅びることなどないものなのである。

つきぬごとくすたることのないものなのである。

 

3戲為六句,六首之三

(戲れということで六句をつくってみた,六首の三番目)

縱使盧王操翰墨,劣于漢魏近風騷。

たとえば四傑に詩文を作らせたとして、それは漢魏が『詩経』、「楚辞」に近いおもむきがあるのとくらべれば劣るにしても、どうして四傑の作品はたいしたものではないか。

龍文虎脊皆君馭,塊過都見爾曹。

竜文虎青のすがたをした駿馬のごとくみな人の馭すべき乗りものたるに十分なるものである。而してそれをわらう汝らこそは馳せて国都をすぐるとき塊を歴てつまずく駕馬のごとく、そのときはじめて汝らの驚馬たるを見うるならん。

 

縦【たと】い盧王【ろおう】をして翰墨【かんぼく】を操ること、漢魏の風騒に近きより劣らしむるも。

竜文 虎脊【こせき】皆 君が馭なり、歴塊【れきかい】過都【かと】爾が曹を見ん。

 

 

『戲為六句,六首之三』  現代語訳と訳註

(本文)

戲為六句,六首之三

縱使盧王操翰墨,劣于漢魏近風騷。

龍文虎脊皆君馭,塊過都見爾曹。

 

 

(下し文)

縦【たと】い盧王【ろおう】をして翰墨【かんぼく】を操ること、漢魏の風騒に近きより劣らしむるも。

竜文 虎脊【こせき】皆 君が馭なり、歴塊【れきかい】過都【かと】爾が曹を見ん。

 

 

(現代語訳)

(戲れということで六句をつくってみた,六首の三番目)

たとえば四傑に詩文を作らせたとして、それは漢魏が『詩経』、「楚辞」に近いおもむきがあるのとくらべれば劣るにしても、どうして四傑の作品はたいしたものではないか。

竜文虎青のすがたをした駿馬のごとくみな人の馭すべき乗りものたるに十分なるものである。而してそれをわらう汝らこそは馳せて国都をすぐるとき塊を歴てつまずく駕馬のごとく、そのときはじめて汝らの驚馬たるを見うるならん。

岳陽樓詩人0051

















 

 

(訳注)

戲為六句,六首之三

(戲れということで六句をつくってみた,六首の三番目)

此の第三首は初唐四傑を弁護する点で第二首と似ている。

 

 

縱使盧王操翰墨,劣于漢魏近風騷。

たとえば四傑に詩文を作らせたとして、それは漢魏が『詩経』、「楚辞」に近いおもむきがあるのとくらべれば劣るにしても、どうして四傑の作品はたいしたものではないか。

縱使 この二字は次句までへかかる。

盧王 前詩にみえる、ここは慮王をいって楊齢をいわないがすべて四傑についていったものであろう。

操翰墨 ふでとすみをとる、文章をつづることをいう。○漢魏近風騷 風騒は「詩経」の詩には〇風で編纂しているをさしていう、騒は『楚辞、離騒』で屈原宋玉らの韻文をいう。漢覿時代の作品は風騒のおもかげがあると称せられる。

 

龍文虎脊皆君馭,塊過都見爾曹。

竜文虎青のすがたをした駿馬のごとくみな人の馭すべき乗りものたるに十分なるものである。而してそれをわらう汝らこそは馳せて国都をすぐるとき塊を歴てつまずく駕馬のごとく、そのときはじめて汝らの驚馬たるを見うるならん。

龍文虎脊 駿馬の姿をいう、四傑を駿馬にたとえる、竜文の語は「漢書」西域伝費にみえ、虎青は漢の「天馬歌」にみえる。

君馭 駁は御におなじ、馬をあやつること、ここはあやつるのにたえるものの意、君の字は人君をさすとする説と一般人をさすとする説とがあるが、余は一般人とみる。

塊過都 漢の王褒の「聖主ノ賢臣ヲ得ル頒」の「都ヲ過ギ国ヲ越エルトキハ蹴(ツマズ)クコト塊ヲ歴ルガ若シ」に本づく。ただしここはつまずくという意に用いたもののごとくである、「都を過ぐるとき塊を歴てつまずくごとく」といぅほどの意。

爾曹 軽薄文士の四傑をわらう者をさす。