杜甫《戲為六句,六首之五 諸君は自己が前代のすぐれた作家に及ばないからとて少しも疑いの念をもつにはあたらないのである。我々は前代作家をたがいに祖述しゆくものであってだれを先にせねばならぬとかだれを後にせねばならぬとかいうことはないのである。


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戲為六句,六首之六 蜀中転々 杜甫 <518>  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2785 杜甫詩1000-518-751/1500

 

 

 

6 戲為六句,六首之六

(戲れということで六句をつくってみた,六首のさん六番目)

未及前賢更勿疑,遞相祖述複先誰。

諸君は自己が前代のすぐれた作家に及ばないからとて少しも疑いの念をもつにはあたらないのである。我々は前代作家をたがいに祖述しゆくものであってだれを先にせねばならぬとかだれを後にせねばならぬとかいうことはないのである。

別裁偽體親風雅,轉益多師是汝師。

しかし特別に風雅の正体と風雅の精神を得ない偽体とは区別せねばならぬ、そしてその偽体はこれをきりすてて正体には親しむ。かくしていよいよ我が師とするものが多ければ多いほど、これが諸君にとっての真の良師なのである。

蛺蝶02 















 

『戲為六句,六首之六』 現代語訳と訳註

(本文)

未及前賢更勿疑,遞相祖述複先誰。

別裁偽體親風雅,轉益多師是汝師。

 

 

(下し文)

未だ前賢に及ばざるも更に疑うこと勿れ、遽【たがい】に相祖述す復誰をか先にせん。

別に債饅を裁して風雅に親しむ、轉【うた】た益【ますま】す 多師なるは是れ汝が師なり。

 

 

(現代語訳)

(戲れということで六句をつくってみた,六首のさん六番目)

諸君は自己が前代のすぐれた作家に及ばないからとて少しも疑いの念をもつにはあたらないのである。我々は前代作家をたがいに祖述しゆくものであってだれを先にせねばならぬとかだれを後にせねばならぬとかいうことはないのである。

しかし特別に風雅の正体と風雅の精神を得ない偽体とは区別せねばならぬ、そしてその偽体はこれをきりすてて正体には親しむ。かくしていよいよ我が師とするものが多ければ多いほど、これが諸君にとっての真の良師なのである。

 

 

 

(訳注)

戲為六句,六首之六

(戲れということで六句をつくってみた,六首のさん六番目)

すべての良いものはみな師とすべしということの意をのべる。此の第六首により、杜甫が古今の諸長を集めて大成した所以を知ることができる。

 

 

未及前賢更勿疑,遞相祖述複先誰。

諸君は自己が前代のすぐれた作家に及ばないからとて少しも疑いの念をもつにはあたらないのである。我々は前代作家をたがいに祖述しゆくものであってだれを先にせねばならぬとかだれを後にせねばならぬとかいうことはないのである。

○前賢 第一首の前賢とは語は同じであるが意は異なる、ここは前代の作家をさす。

○祖述 祖として述べる、後人はその前代作家の作品を祖師としてこれに従って我が思想をのぺる。

○先誰 「誰をか先にせん」とは「誰をか先にし、また誰をか後にせん」との意である、甲乙の間に必ずしも優劣の差異を甚しくつけないことをいぅ、つまりいやしくも一長あるものは皆祖述すべしとのいみである。

 

 

別裁偽體親風雅,轉益多師是汝師。

しかし特別に風雅の正体と風雅の精神を得ない偽体とは区別せねばならぬ、そしてその偽体はこれをきりすてて正体には親しむ。かくしていよいよ我が師とするものが多ければ多いほど、これが諸君にとっての真の良師なのである。

○別 特別に。此の語は前代のものすべてを祖述すべしというのではないということを注意したものである。旧解に区別する意としているが、今は従わぬ。

○裁 刀でたってすてる。

○偽体 風雅にそむいているにせのすがた。富貴の者が詩文を買い取り発表するということが多くあったこと。

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