杜甫(大江のほとりで五首を詠う。その花鴨の詩)奇麗な羽をつけた鴨はどろ水にいてもよごれがたかなくて、奇麗だからいつもきざはしの前でもゆっくりとあるいている。


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江頭五詠:花鴨  蜀中転々 杜甫 <522>  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2805 杜甫詩1000-522-755/1500

 

詩 題: 作時:762年 寶應元年 杜甫51歳 

卷別: 卷二二七  文體: 五言律詩 

掲 載; 杜甫1000首の522首目-場面

杜甫ブログ1500回予定の-755回目   40854

花鴨003                       












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 江頭五詠。花鴨

(大江のほとりで五首を詠う。その花鴨の詩)

花鴨無泥滓,階前緩行。

奇麗な羽をつけた鴨はどろ水にいてもよごれがたかなくて、奇麗だからいつもきざはしの前でもゆっくりとあるいている。

羽毛知獨立,黑白太分明。

その羽毛は黒と白とが非常にはっきりしているから、ひとりで立っていてもじきにそれと知られてしまう。

不覺羣心妒,休牽眾眼驚。

彼は他の鳥たちが心で妬んでいることにきづかずにいるが、決して他鳥の眼や注目をひくようなことをしてはいないのだ。(増して媚びることなどありはしない。)

稻粱霑汝在,作意莫先鳴。

十分潤沢に稲梁のたべものがあるのであるから、食べたいと発意したからといって他のものよりさきに声をだしたりはしないものである。

 

花鴨(かおう)

花鴨 泥滓【でいし】無し、階前 毎【つね】に緩行【かんこう】す。

羽毛独立するを知る、黒白太【はなは】だ分明なり。

覚【さと】らず羣心の妬【ねた】むを、衆眼【しゅうがん】の驚きを牽【ひ】くことを休む。

稲梁 汝を霑【うるお】して在り 作意先ず鳴くこと莫し。

 

『江頭五詠。花鴨』 現代語訳と訳註

花鴨002

(本文)

花鴨無泥滓,階前緩行。

羽毛知獨立,黑白太分明。

不覺羣心妒,休牽眾眼驚。

稻粱霑汝在,作意莫先鳴。

 

詩文(含異文)

花鴨無泥滓,階前每緩行【中庭每緩行】。

羽毛知獨立,黑白太分明。

不覺群心妒,休牽眾眼驚。

稻粱霑汝在【稻粱知汝在】,作意莫先鳴。 

 

(下し文)

花鴨(かおう)                         

花鴨 泥滓【でいし】無し、階前 毎【つね】に緩行【かんこう】す。

羽毛独立するを知る、黒白太【はなは】だ分明なり。

覚【さと】らず羣心の妬【ねた】むを、衆眼【しゅうがん】の驚きを牽【ひ】くことを休めよ。

稲梁 汝を霑【うるお】して在り 作意先ず鳴くこと莫れ。

 

(現代語訳)

(大江のほとりで五首を詠う。その花鴨の詩)

奇麗な羽をつけた鴨はどろ水にいてもよごれがたかなくて、奇麗だからいつもきざはしの前でもゆっくりとあるいている。

その羽毛は黒と白とが非常にはっきりしているから、ひとりで立っていてもじきにそれと知られてしまう。

彼は他の鳥たちが心で妬んでいることにきづかずにいるが、決して他鳥の眼や注目をひくようなことをしてはいないのだ。(増して媚びることなどありはしない。)

十分潤沢に稲梁のたべものがあるのであるから、食べたいと発意したからといって他のものよりさきに声をだしたりはしないものである。

 

 

(訳注)

江頭五詠:花鴨

(大江のほとりで五首を詠う。その花鴨の詩)

○江頭 錦江のほとり。

〇五詠 五物を詠じたものとの意。

○花鴨 きれいなかも。自己が朝廷にいた時泥を口にしなかったことを云う。

 

花鴨 無 泥滓 ,階前 每緩行 。

奇麗な羽をつけた鴨はどろ水にいてもよごれがたかなくて、奇麗だからいつもきざはしの前でもゆっくりとあるいている。

〇花鴨 かも。

○泥滓 滓はかす、泥水のよごれをいう。羽や体が汚れないことを云う。

 

羽毛 知 獨立,黑白 太分明 。

その羽毛は黒と白とが非常にはっきりしているから、ひとりで立っていてもじきにそれと知られてしまう。

〇羽毛 羽毛のきれいなことによっての意。

○知独立 独立は鳥がひとりで立っていること。

 

不覺 群心 妒 ,休牽 眾眼 驚 。

彼は他の鳥たちが心で妬んでいることにきづかずにいるが、決して他鳥の眼や注目をひくようなことをしてはいないのだ。(増して媚びることなどありはしない。)

〇群心・衆眼 他の多くの鳥の心、眼。

 

稻粱 霑汝 在 ,作意 莫先 鳴 。

十分潤沢に稲梁のたべものがあるのであるから、食べたいと発意したからといって他のものよりさきに声をだしたりはしないものである。

○稲梁 耕場饒稲梁=耕す場(農地)は稲や粱(あわ/梁ではない)が饒か(ゆたか)である(豊饒である)。

○霑汝在 在の字の主辞は上の稲梁である。

○作意 みずから発意する。食べたいと思うことがあってもほしいなどと媚びたりはしない。

〇先鳴 他鳥よりもさきに鳴く、鳥が鳴くのは食を求めているのである。
 花鴨004