杜甫《江頭五詠:麗春》 春になって成長する沢山の草々が育つ中、春の花々は互いに競い合っている。麗らかな麗しい春はまさにどんな季節の中で最もいい時節なのである。少ないことと云えば顔色がいいということだ。多いことと云えば、ただ単に春になええ伸びている枝々が余りあるほどだということだ。


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詩 題:江頭五詠:麗春

作時:762年 寶應元年 杜甫51歳 

掲 載; 杜甫1000首の523首目-場面

杜甫ブログ1500回予定の-756回目

 


 

江頭五詠:麗春
百草競春華,麗春應最勝。
春になって成長する沢山の草々が育つ中、春の花々は互いに競い合っている。麗らかな麗しい春はまさにどんな季節の中で最もいい時節なのである。
少須好顏色,多漫枝條賸。
少ないことと云えば顔色がいいということだ。多いことと云えば、ただ単に春になええ伸びている枝々が余りあるほどだということだ。
紛紛桃李枝,處處總能移。
桃や李の枝にはパッ、パッと多くの花をつけている。そしてあちらにもこちらにもどこにも春の景色が移ってくる。
如何貴此重,卻怕有人知。
麗しい春というのはどうしてこんなにもいろんなことを重ねる様にしてくれるのか貴重なものである。しかし厭な事と思うのはこの春もやがて終わるということをひとは知っているということである。

(江頭の五詠:麗春 【れいしゅん】)麗春)
百草 春華を競い,麗春 應に最勝。
少くも須く顏色は好く,多くして漫ろに 枝條は賸る。
紛紛として桃李の枝,處處として總て能く移る。
如何として此れ重しるを貴とせん,卻て人の知る有るを怕る。



『麗春』 現代語訳と訳註
紅梅0021(本文)
百草競春華,麗春應最勝。
少須好顏色,多漫枝條剩。
紛紛桃李枝,處處總能移。
如何貴此重,卻怕有人知。



(下し文)
(江頭の五詠:麗春 【れいしゅん】)麗春)
百草 春華を競い,麗春 應に最勝。
少くも須く顏色は好く,多くして漫ろに 枝條は賸る。
紛紛として桃李の枝,處處として總て能く移る。
如何として此れ重しるを貴とせん,卻て人の知る有るを怕る。


(現代語訳)
春になって成長する沢山の草々が育つ中、春の花々は互いに競い合っている。麗らかな麗しい春はまさにどんな季節の中で最もいい時節なのである。
少ないことと云えば顔色がいいということだ。多いことと云えば、ただ単に春になええ伸びている枝々が余りあるほどだということだ。
桃や李の枝にはパッ、パッと多くの花をつけている。そしてあちらにもこちらにもどこにも春の景色が移ってくる。
麗しい春というのはどうしてこんなにもいろんなことを重ねる様にしてくれるのか貴重なものである。しかし厭な事と思うのはこの春もやがて終わるということをひとは知っているということである。


(訳注)
江頭五詠:麗春
 
律詩の句数ではあるが、【首聯】【頷聯】【頸聯】【尾聯】で構成されていない。おそらく中途のものであろう。また、律詩は同じ四分割の絶句の起承転結の一線の曲折にはならない。中の【頷聯】【頸聯】については対句が絶対条件である。
 

百草 競 春華 ,麗春 應 最勝。
春になって成長する沢山の草々が育つ中、春の花々は互いに競い合っている。麗らかな麗しい春はまさにどんな季節の中で最もいい時節なのである。
・「百草」 春になって成長する沢山の草、百草。
・「春華」 四季、春。春華(しょうか)。春の花、通常は春の花のようにうら若く美しい姿の女性を云う場合が多い。
・「麗春」語義類別:物、生物、植物專名(草本)、麗春。1 形が整って美しい。うるわしい。2 うららか。


少須 好 顏色 ,多漫 枝條 賸 。
少ないことと云えば顔色がいいということだ。多いことと云えば、ただ単に春になええ伸びている枝々が余りあるほどだということだ。
・「」 多少(少)。
・「」 心理能願、須すべからく。
・「」 對比詞、好壞(好)。
・「顏色」 顏色、顏色概稱、顏色。 
・「」 對比狀態、多少(多)。
・「枝條」 枝條。
・「」剩/餘。 残る,余る


紛紛 桃李 枝 ,處處 總能 移 。
桃や李の枝にはパッ、パッと多くの花をつけている。そしてあちらにもこちらにもどこにも春の景色が移ってくる。
・「紛紛」 ・紛紛 わずらわしいさま。 葉蔓にさす月光のゆらいでみだれるさま。おおいさま。杜甫『貧交行』「翻手作雲覆手雨,紛紛輕薄何須數。君不見管鮑貧時交,此道今人棄如土。」。
・「桃李」 1 桃とすもも。また、桃の花とすももの花。2試験官が採用した門下生。自分がとりたてた人材。「満城の桃李春官に属す」の詩句がある。
・「處處」 韓愈『感春四首 其一』「情多地遐兮編処処」(人生のこと、詩文のこと、どこでもぎろんをたたk愛すべきひとはたくさんいる、ただ遠いところにいるだけなのだ。遠いところになら、あちらにも、こちらにも、いっぱいいる。)
感春四首 其一(1) 韓退之(韓愈)詩<57>Ⅱ中唐詩357 紀頌之の漢詩ブログ1150


如何貴此 重,卻怕 有人 知 。
麗しい春というのはどうしてこんなにもいろんなことを重ねる様にしてくれるのか貴重なものである。しかし厭な事と思うのはこの春もやがて終わるということをひとは知っているということである。
・「」 物品形態、貴。 
・「」 (擔驚受怕)、怕。怕い-いやがる意味でのこわさを表す。

①恐い-おそらくは、とか、疑うという意味。
②惧い-びくつく、こわがるの意味。
逆に、肝試しのように前からわかっている場合は恐い。
③畏い-後世おそるべしのような場合にはこれを使う。はかりしれないこわさのこと。
④怕い-いやがる意味でのこわさを表す。
⑤怖い-予期せぬ急なこわさを示すのがこれ。特に驚く場合に使われている。惧いとの違いがわかりにくいところ。
⑥惶い-どうしようかととまどうときのこわい。
⑦懾い-臆病故のこわさの場合。
海棠花021