杜甫《畏人》早ざきの花が随所に佳く目立ってさき始めている。かわった土地、違った方向から春を告げる春鳥が啼いている。万里に続くこの清らかな大江のほとりで、もう三年ものあいだ夕日のひくく落ちていくのを見ている。
2013年8月11日 | 同じ日の紀頌之5つのブログ |
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畏人
蜀中転々 杜甫 <524> 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2815 杜甫詩1000-524-757/1500
詩題: 畏人
作時:762年 寶應元年 杜甫51歳
掲 載;
杜甫1000首の524首目-場面
杜甫ブログ1500回予定の-757回目 40856
卷別: 卷二二七 文體: 五言律詩
人をはばかって草堂にわびしくくらすことをのべる。
畏人
(他人をはばかること)
早花隨處發,春鳥異方啼。
早ざきの花が随所に佳く目立ってさき始めている。かわった土地、違った方向から春を告げる春鳥が啼いている。
萬里清江上,三年落日低。
万里に続くこの清らかな大江のほとりで、もう三年ものあいだ夕日のひくく落ちていくのを見ている。
畏人成小築,褊性合幽棲。
他人をはばかって小さな家屋をきずいた。それは自分のかたくなな性質がかかる隠棲生活にあうからだ。
門徑從榛草,無心走馬蹄。
門のそばの小路には榛や草がすきかってに、はえるにまかせている。貴人友人のの馬蹄がいつくるかなどと待つこころは無いのである。
(人を畏る)
早花【そうか】随処に発【ひら】く 春鳥異方に啼く
萬里清江【せいこう】の上【ほとり】、三年落日低【た】る
人を畏れて小築を成す 褊性【へんせい】幽棲【ゆうせい】に合す
門径【もんけい】榛草【しんそう】に従【まか】す 馬蹄を待つに心無し
『畏人』 現代語訳と訳註
(本文)
早花隨處發,春鳥異方啼。
萬里清江上,三年落日低。
畏人成小築,褊性合幽棲。
門徑從榛草,無心走馬蹄。
詩文(含異文):
早花隨處發,春鳥異方啼。
萬里清江上,三年落日低【三峰落日低】。
畏人成小築,褊性合幽棲。
門逕從榛草【徑沒從榛草】,無心走馬蹄【無心待馬蹄】。
(下し文)
(人を畏る)
早花【そうか】随処に発【ひら】く 春鳥異方に啼く
萬里清江【せいこう】の上【ほとり】、三年落日低【た】る
人を畏れて小築を成す 褊性【へんせい】幽棲【ゆうせい】に合す
門径【もんけい】榛草【しんそう】に従【まか】す 馬蹄を待つに心無し
(現代語訳)
(他人をはばかること)
早ざきの花が随所に佳く目立ってさき始めている。かわった土地、違った方向から春を告げる春鳥が啼いている。
万里に続くこの清らかな大江のほとりで、もう三年ものあいだ夕日のひくく落ちていくのを見ている。
他人をはばかって小さな家屋をきずいた。それは自分のかたくなな性質がかかる隠棲生活にあうからだ。
門のそばの小路には榛や草がすきかってに、はえるにまかせている。貴人友人のの馬蹄がいつくるかなどと待つこころは無いのである。
(訳注)
畏人 他人をはばかること、第五句の二字をとって題とする。
早花 隨處 發
,春鳥 異方 啼 。
早ざきの花が随所に佳く目立ってさき始めている。かわった土地、違った方向から春を告げる春鳥が啼いている。
○早花 早くさく花。
○随処 どこででも。
○春鳥 春を告げる鳥。鶯。目白。
○異方 他郷をいう、この成都の地をさすということであり、違った方向から鳴き声が聞こえてくる。いつもの春と違うことを云う。徐知道が春先に反乱を起こしたことを云うのであろう。
萬里 清江 上
,三年 落日 低 。
万里に続くこの清らかな大江のほとりで、もう三年ものあいだ夕日のひくく落ちていくのを見ている。
〇三年落日低 わかりにくい句であるが、毎日毎日夕日を送って三年を経たという意である。乾元二年に成都に入ってから宝応元年春に至るまでの足かけ三年をいう。
畏人 成小築
,褊性 合幽棲 。
他人をはばかって小さな家屋をきずいた。それは自分のかたくなな性質がかかる隠棲生活にあうからだ。
○小築 小さな家屋をたてること。
○褊性 かたくなな性質。
○合 にあう。
○幽棲 隠棲生活ぼしずかなわびずまいをいう。竹藪にかこまれた處。
門逕 從榛草
,無心 走 馬蹄 。
門のそばの小路には榛や草がすきかってに、はえるにまかせている。貴人友人のの馬蹄がいつくるかなどと待つこころは無いのである。
○門径 門より通ずるこみち。
○従榛草 はりの木や草の生えるのにまかせる。
○待馬蹄 貴人・知人・友人の騎ってくる馬の蹄をまつ。