杜甫《屏跡,三首之二わたしは世わたりがへたなままで自己の主義をたもっている、それで竹林の奥のしずかな生活をして事物のこころそのものに近づいている。

 

2013年8月13日  同じ日の紀頌之5つのブログ
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Ⅱ中唐詩・晩唐詩
 
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李商隠詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/3991_rishoin000.html  
李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。  
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http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。  
李商隠詩 
http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150

 

 

屏跡,三首之二  蜀中転々 杜甫 <526>  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2825 杜甫詩1000-526-759/1500      

 

 

詩題:  屏跡,三首之二

卷別:  卷二二七        文體: 五言律詩

作時:762年 寶應元年 杜甫51歳 

掲 載; 杜甫1000首の526首目-場面

杜甫ブログ1500回予定の-759回目   40858

 

 

 屏跡 三首  之二

(浣花草堂において人とのまじらいをせず隠遁生活していることをのべる。その2)

用拙存吾道,幽居近物情。

わたしは世わたりがへたなままで自己の主義をたもっている、それで竹林の奥のしずかな生活をして事物のこころそのものに近づいている。

桑麻深雨露,燕雀半生成。

桑や麻は雨露のめぐみをふかくうけて生長するものであり、そして燕や雀も半分は生育して巣立っていくものだ。

村鼓時時急,漁舟個個輕。

せわしく打ち鳴らされる村の太鼓の音が聞こえてくる、軽やかに浮かぶ漁舟が、こっち、あっちにういてゆく。

杖藜從白首,心跡喜雙清。

こんなさまをみながらあかぎの杖をついてあるき、あたまが白くなろうと頓着はしない、ただ心と行いとがともにけがれに染まないことをうれしくおもうている。 

(屏跡 三首 之二)

初夏001拙を用て吾が道を存す、幽居物情に近づく。

桑麻 雨露深く、燕雀 半ば生成す。

村鼓 時時急なり、漁舟 箇箇軽し。

杖藜 自首に従【まか】す、心跡 双清を喜ぶ。

 

 

『屏跡 三首』之二 現代語訳と訳註

(本文)

屏跡 三首      之二

用拙存吾道,幽居近物情。

桑麻深雨露,燕雀半生成。

村鼓時時急,漁舟個個輕。

杖藜從白首,心跡喜雙清。

 

詩文(含異文)-----------      

晚起家何事,無營地轉幽。

竹光團野色【竹光圍野色】,舍影漾江流【山影漾江流】。失學從兒懶,長貧任婦愁。

百年渾得醉,一月不梳頭。

 

(下し文)

(屏跡 三首 之二)

拙を用て吾が道を存す、幽居物情に近づく。

桑麻 雨露深く、燕雀 半ば生成す。

村鼓 時時急なり、漁舟 箇箇軽し。

杖藜 自首に従【まか】す、心跡 双清を喜ぶ。

 

 

 (現代語訳)

(浣花草堂において人とのまじらいをせず隠遁生活していることをのべる。その2)

わたしは世わたりがへたなままで自己の主義をたもっている、それで竹林の奥のしずかな生活をして事物のこころそのものに近づいている。

桑や麻は雨露のめぐみをふかくうけて生長するものであり、そして燕や雀も半分は生育して巣立っていくものだ。

せわしく打ち鳴らされる村の太鼓の音が聞こえてくる、軽やかに浮かぶ漁舟が、こっち、あっちにういてゆく。

こんなさまをみながらあかぎの杖をついてあるき、あたまが白くなろうと頓着はしない、ただ心と行いとがともにけがれに染まないことをうれしくおもうている。

 

 

(訳注)

屏跡 三首 之二

(浣花草堂において人とのまじらいをせず隠遁生活していることをのべる。その2)

村鼓は春の農作を農民にうながす太鼓の音であろう。せわしく打ち鳴らされる太鼓と軽やかに浮かぶ漁舟が、草堂村の農業風景であることは容易に見て取れる。また孵化して成長し始めている燕や雀が、杜甫の草堂に巣作りしたものであったことも成都に来て間もない『堂成』「頻りに来たりて語る燕は新しき巣を定む」などから十分に想像できる。しかし雨露をうけて栄えている桑と麻が、杜甫のものだと言い切ることはできない。対句のなかで考えれば杜甫の家に属するもので、これが一般的な農村の風景である。

 

 

用拙存吾道,幽居近物情。

わたしは世わたりがへたなままで自己の主義をたもっている、それで竹林の奥のしずかな生活をして事物のこころそのものに近づいている。

○用拙 世わたりがへたなこと。

○存吾道 自己の主義をたもつ。

○幽居 竹林の奥のしずかな生活。隠遁生活。

○物情 事物の精神、すなわち下の桑麻以下の事がら。

 

桑麻深雨露,燕雀半生成。

桑や麻は雨露のめぐみをふかくうけて生長するものであり、そして燕や雀も半分は生育して巣立っていくものだ。

 

村鼓時時急,漁舟個個輕。

せわしく打ち鳴らされる村の太鼓の音が聞こえてくる、軽やかに浮かぶ漁舟が、こっち、あっちにういてゆく。

 

杖藜從白首,心跡喜雙清。

こんなさまをみながらあかぎの杖をついてあるき、あたまが白くなろうと頓着はしない、ただ心と行いとがともにけがれに染まないことをうれしくおもうている。

○藜 あかぎ。

○心跡 心と行跡とふたつ。

○双清 心と行跡とふたつながら汗【けが】れない。

菖蒲02