《述古,三首之一》ひもがながすぎることで栗毛の駿馬はつかれるものだ、万里をゆくだけの能力をもった姿は無いわけではない。馬は悲鳴をあげて、涙を地におとす、いったいこの馬を駁する者はだれであるか、道も知らぬでは馬がかわいそう。
2013年9月21日 | 同じ日の紀頌之5つのブログ |
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653 五言古詩 《述古,三首之一》 蜀中転々 杜甫 <558> 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3020 杜甫詩1000-558-798/1500
作者: 杜甫 763年 廣德元年 52歲
卷別: 卷二一九 文體: 五言古詩
詩題: 述古,三首之一
作地點: 梓州(劍南道北部 / 梓州 / 梓州)
1述古三首 其一
(古へのことをのべる。)
赤驥頓長纓,非無萬里姿。
ひもがながすぎることで栗毛の駿馬はつかれるものだ、万里をゆくだけの能力をもった姿は無いわけではない。
悲鳴淚至地,為問馭者誰。
馬は悲鳴をあげて、涙を地におとす、いったいこの馬を駁する者はだれであるか、道も知らぬでは馬がかわいそう。
鳳凰從東來,何意複高飛。
今度は鳳凰が東から飛来してきた。どういうつもりなのかまた高く飛び去っていったという。
竹花不結實,念子忍朝饑。
竹の花には実がむすばれないということで、きっとおまえは朝ひもじくて、それをがまんしているということなのだろう。
古時君臣合,可以物理推。
此の駿馬と鳳凰の道理で推してかんがえれば、古来賢臣と明君は逢うべくして遭っているということなのだ。
賢人識定分,進退固其宜。
賢い人は本来定まった本分をしっかりと認識しているものだ、進んで仕えるべきときは進んで仕えるし、退いて去るべきときには退いて去ってしまうもので、進もうが退こうがそのどちらも適宜におこなうということである。
(古を述ぶ 三首 その一)
赤旗 長纓に頓し、万里の姿無きに非ず。
悲鳴 涙 地に至り、為に問う駁する者は誰ぞと。
鳳凰 東より来たり、何の意ぞ復た高飛す。
竹花 実を結ばず、子 朝饑を忍ぶことを念う。
古来君臣の合、以て物理 推す可し。
賢人 定分を識り、進退 固より其の宜なり。
『述古三首』 現代語訳と訳註
(本文) 述古三首 其一
赤驥頓長纓,非無萬里姿。
悲鳴淚至地,為問馭者誰。
鳳凰從東來,何意複高飛。
竹花不結實,念子忍朝饑。
古時君臣合,可以物理推。
賢人識定分,進退固其宜。
詩文(含異文):
赤驥頓長纓,非無萬里姿。悲鳴淚至地,為問馭者誰。
鳳凰從東來【鳳凰從天來】,何意復高飛。竹花不結實,念子忍朝飢。
古時君臣合,可以物理推。賢人識定分,進退固其宜【進退因其宜】【進用固其宜】【進用因其宜】。
(下し文)
(古を述ぶ 三首 その一)
赤旗 長纓に頓し、万里の姿無きに非ず。
悲鳴 涙 地に至り、為に問う駁する者は誰ぞと。
鳳凰 東より来たり、何の意ぞ復た高飛す。
竹花 実を結ばず、子 朝饑を忍ぶことを念う。
古来君臣の合、以て物理 推す可し。
賢人 定分を識り、進退 固より其の宜なり。
(現代語訳)
(古へのことをのべる。)
ひもがながすぎることで栗毛の駿馬はつかれるものだ、万里をゆくだけの能力をもった姿は無いわけではない。
馬は悲鳴をあげて、涙を地におとす、いったいこの馬を駁する者はだれであるか、道も知らぬでは馬がかわいそう。
今度は鳳凰が東から飛来してきた。どういうつもりなのかまた高く飛び去っていったという。
竹の花には実がむすばれないということで、きっとおまえは朝ひもじくて、それをがまんしているということなのだろう。
此の駿馬と鳳凰の道理で推してかんがえれば、古来賢臣と明君は逢うべくして遭っているということなのだ。
賢い人は本来定まった本分をしっかりと認識しているものだ、進んで仕えるべきときは進んで仕えるし、退いて去るべきときには退いて去ってしまうもので、進もうが退こうがそのどちらも適宜におこなうということである。
(訳注)
述古三首 其一
(古へのことをのべる。)
此の篇は賢人が明君にであわないことをいう。
○述古 いにしえの逸話・出来事をのべて今の政治・情勢を諷したもの。その一は、玄宗と粛宗のことをいう。
赤驥頓長纓,非無萬里姿。
ひもがながすぎることで栗毛の駿馬はつかれるものだ、万里をゆくだけの能力をもった姿は無いわけではない。
○赤驥 くりげの駿馬。
○頓 つかれること。
○長纓 ながいひものたずな、ひもがじゃまになってつかれる。
○万里姿 一日に万里をゆくだけの能力があるすがた。
悲鳴淚至地,為問馭者誰。
馬は悲鳴をあげて、涙を地におとす、いったいこの馬を駁する者はだれであるか、道も知らぬでは馬がかわいそう。
○為問 このためにとう。道も知らずに馬を走らせることをいう。
鳳凰從東來,何意複高飛。
今度は鳳凰が東から飛来してきた。どういうつもりなのかまた高く飛び去っていったという。
○何意 どんなつもりか。
○高飛 たかく飛び去る。
竹花不結實,念子忍朝饑。
竹の花には実がむすばれないということで、きっとおまえは朝ひもじくて、それをがまんしているということなのだろう。
○竹花不結実 鳳凰は竹の実を食べるといわれる。
○子 おまえ、鳳風をさす。
○朝饑 あさのひもじさ。
古時君臣合,可以物理推。
此の駿馬と鳳凰の道理で推してかんがえれば、古来賢臣と明君は逢うべくして遭っているということなのだ。
○君臣合 合とは際会しあうこと。
○物理推 物事の道理として推進されるということ。
賢人識定分,進退固其宜。
賢い人は本来定まった本分をしっかりと認識しているものだ、進んで仕えるべきときは進んで仕えるし、退いて去るべきときには退いて去ってしまうもので、進もうが退こうがそのどちらも適宜におこなうということである。
○定分 定まった本分。
〇固其宜 退いて去るべきときには退いて去ってしまうもので、進もうが退こうがそのどちらも適宜におこなう。