《述古,三首之二》こんなのはたとえば『荘子』でいう、膏は燃やせば火で明るくなるけれど自らを煎じてしまう。(接着するのに剥がし、燃えて明るくするが自分を煮煎じている、あべこべの政治を揶揄している。)

 

2013年9月22日  同じ日の紀頌之5つのブログ
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Ⅰ李商隠150首

 

654 《述古,三首之二》 蜀中転々 杜甫 <559>  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3025 杜甫詩1000-559-799/1500      

 

卷 別: 卷二一九  文體: 五言古詩 

詩 題: 述古,三首之二 

作地點: 梓州(劍南道北部 / 梓州 / 梓州

作時:763年 廣德元年 

杜甫51歳 掲 載; 杜甫1000首の559首目-場面

杜甫ブログ1500回予定の-799回目   40898

 

 

述古,三首之二 

(古へのことをのべる。その二)

市人日中集,於利競錐刀。

市場の人人は日ざかりに集まって、利益にかけては錐刀の先のようなわずかな利益でもこれをきそっている。

置膏烈火上,哀哀自煎熬。

こんなのはたとえば『荘子』でいう、膏は燃やせば火で明るくなるけれど自らを煎じてしまう。(接着するのに剥がし、燃えて明るくするが自分を煮煎じている、あべこべの政治を揶揄している。)

農人望稔,相率除蓬蒿。

農民というものは、歳柄の盛りの良いの(豊年満作)を望んでいて、ともどもによもぎ草をとり除くなどして働くものである。

所務穀為本,邪贏無乃勞。

農民の務める所は穀物を得るというのが本筋である、これにくらべると市場のものが競争して不正の手段でもうけを得るのはあまりにごくろうなことではなかろうか。(今の政治家はこの市場の利を競わせることで贈収賄が生まれる。そうした不正がいけないという意である。)

舜舉十六相,身尊道何高。

根本的にいうと、むかし舜は十六人の賢相をあげて用いた、それで自身は尊くなり、その道は高尚である。(粛宗も宰相16人であるがとても酷いものが多いということ。)

秦時任商鞅,法令如牛毛。

秦の時である、秦の孝公は商に一任して法令が実に牛毛の如く綿密にして秦の富強をはかったというではないか。

(古を述ぶ 三首 その二)

市人 日中に集まり、利に於て錐刀を競う。

膏を烈火の上に置き、裏表 自ら煎熬す。

農人 歳の稔るを望み、相率いて蓬嵩を除く。

務むる所は穀を本と為し、邪贏は乃ち労すること無からんや。

舜は十六相を挙ぐ、身尊くして 道 何ぞ高からん。

秦の時 商鞅に任じ、法令 牛毛の如し。

八女茶 畑 

 

『述古,三首之二』 現代語訳と訳註

(本文)

述古,三首之二

市人日中集,於利競錐刀。

置膏烈火上,哀哀自煎熬。

農人望稔,相率除蓬蒿。

所務穀為本,邪贏無乃勞。

舜舉十六相,身尊道何高。

秦時任商鞅,法令如牛毛。

 

 

(下し文)

(古を述ぶ 三首 その二)

市人 日中に集まり、利に於て錐刀を競う。

膏を烈火の上に置き、裏表 自ら煎熬す。

農人 歳の稔るを望み、相率いて蓬嵩を除く。

務むる所は穀を本と為し、邪贏は乃ち労すること無からんや。

舜は十六相を挙ぐ、身尊くして 道 何ぞ高からん。

秦の時 商鞅に任じ、法令 牛毛の如し。

 

 

(現代語訳)

(古へのことをのべる。その二)

市場の人人は日ざかりに集まって、利益にかけては錐刀の先のようなわずかな利益でもこれをきそっている。

こんなのはたとえば『荘子』でいう、膏は燃やせば火で明るくなるけれど自らを煎じてしまう。(接着するのに剥がし、燃えて明るくするが自分を煮煎じている、あべこべの政治を揶揄している。)

農民というものは、歳柄の盛りの良いの(豊年満作)を望んでいて、ともどもによもぎ草をとり除くなどして働くものである。

農民の務める所は穀物を得るというのが本筋である、これにくらべると市場のものが競争して不正の手段でもうけを得るのはあまりにごくろうなことではなかろうか。(今の政治家はこの市場の利を競わせることで贈収賄が生まれる。そうした不正がいけないという意である。)

根本的にいうと、むかし舜は十六人の賢相をあげて用いた、それで自身は尊くなり、その道は高尚である。(粛宗も宰相16人であるがとても酷いものが多いということ。)

秦の時である、秦の孝公は商に一任して法令が実に牛毛の如く綿密にして秦の富強をはかったというではないか。

 

 

(訳注)

述古,三首之二

(古へのことをのべる。その二)

此の篇は、政治というものは市利を追うよりは農を重んずるのがよい。最上の方法は賢徳によって治めることであるとの意をのべている。当時、第五琦、李揆、蕭華、裴遵慶、元載らの宰相が市利を追い、法を設けて重税を取ったのをそしったものであるという。

 

市人日中集,於利競錐刀。

市場の人人は日ざかりに集まって、利益にかけては錐刀の先のようなわずかな利益でもこれをきそっている。

○市人 市場の人。商人など。

〇日中 日のさかり。

〇錐刀 きりやかたなのさきほどのわずかな利益。

 

置膏烈火上,哀哀自煎熬。

こんなのはたとえば『荘子』でいう、膏は燃やせば火で明るくなるけれど自らを煎じてしまう。(接着するのに剥がし、燃えて明るくするが自分を煮煎じている、あべこべの政治を揶揄している。)

○置膏二句 (接着するのに剥がし、燃えて明るくするが自分を煮煎じている、あべこべの政治を揶揄している。)杜甫『遣興五首其三』「漆有用而割,膏以明自煎;蘭摧白露下,桂折秋風前。府中羅舊尹,沙道故依然。赫赫蕭京兆,今為人所憐。」

遣興五首其三 杜甫 <248>遣興22首の⑰番 kanbuniinkai 紀頌之の漢詩ブログ1193 杜甫特集700- 362

『荘子、人間世』に基づく。功用あるものは、その功用あることが身に禍してそこなわれるにいたることをいう。

「山木自寇也、膏火自煎也、桂可食故伐之、漆可用故割之、人皆知有用之用、而莫知无用之用也。山の木は自らに寇(あだ)なし、膏火(灯火)は自ら煎(に)ている。桂は食べられるが故に伐(き)られ、漆は役にたつが故に割(さ)かれる。人は皆、”有用之用”は知っているが、”无用之用”は知らない。この聯の意味をこれ以降の聯句で比喩している。

 

農人望稔,相率除蓬蒿。

農民というものは、歳柄の盛りの良いの(豊年満作)を望んでいて、ともどもによもぎ草をとり除くなどして働くものである。

〇農人 ひゃくしょう。

○稔 さくもつのよくできること。

○相率 ともどもに。

○蓬嵩 よもぎのくさ。

 

所務穀為本【所務農為本】,邪贏無乃勞。

農民の務める所は穀物を得るというのが本筋である、これにくらべると市場のものが競争して不正の手段でもうけを得るのはあまりにごくろうなことではなかろうか。(今の政治家はこの市場の利を競わせることで贈収賄が生まれる。そうした不正がいけないという意である。)

○穀 こくもつ。

邪贏 よこしまなもうけ、詐欺によって得る利益をいう、あるいはそれを打ち消す賄賂などをいう。

○無乃労 あまりにごくろう千万なことではあるまいか、その事の無用なことをいう。

 

舜舉十六相,身尊道何高。

根本的にいうと、むかし舜は十六人の賢相をあげて用いた、それで自身は尊くなり、その道は高尚である。(粛宗も宰相16人であるがとても酷いものが多いということ。)

〇十六相 八元八憶と称する十六人のかしこい宰相をいう、事は「左伝」(文公十八年)にみえる。この時粛宗が任じたは宰相が16人であったためにこういう表現をしたのである。

宰相十六人 韋見素・崔圓・房琯・裴冕・崔渙・李麟・苗晉卿・張鎬・王璵・呂李峴・第五琦・李揆・蕭華・裴遵慶・元載。

 

秦時任商鞅,法令如牛毛。 

秦の時である、秦の孝公は商に一任して法令が実に牛毛の如く綿密にして秦の富強をはかったというではないか。

○商 衛の国の公子で秦の孝公に仕え法によって秦の富強をはかった人。

○如牛毛 法令の密なことをいう。
denen03350