《發閬中》前には毒蛇がいて道をふさぎ、うしろには猛虎の徐知道が成都で暴れている、朝から晩まで谷川に沿うてゆくが村の土手の様なものはみあたらない。嘉陵江に吹く風はさびしく吹いて雲は地面を払い、山の木はものがなしそうでいまにも雨が降り出しそうな空だ。

 

2013年10月19日 同じ日の紀頌之5つのブログ
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作時:763年 廣德元年 杜甫52歳 

卷別: 卷二二○  文體: 七言古詩 

詩題: 發閬中 

作地點:梓州(劍南道北部 / 梓州 / 梓州

及地點:閬中 (山南西道 閬州 閬中)     

掲 載;杜甫1000首の572首目-5場面

杜甫ブログ1500回予定の-826回目   40925   

閬中から出発して梓州へかえったときの詩。広徳元年十二月の作。

 

 

發閬中

(閬中縣を出発する)

前有毒蛇後猛虎,溪行盡日無村塢。

前には毒蛇がいて道をふさぎ、うしろには猛虎の徐知道が成都で暴れている、朝から晩まで谷川に沿うてゆくが村の土手の様なものはみあたらない。

江風蕭蕭雲拂地,山木慘慘天欲雨。

嘉陵江に吹く風はさびしく吹いて雲は地面を払い、山の木はものがなしそうでいまにも雨が降り出しそうな空だ。

女病妻憂歸意速,秋花錦石誰複數。

書面でむすめは病気でなり、妻は心配しているというもので自分のかえりたいこころはいそいでいるのだ。秋草の花だの錦紋の石などが渓のそばにあったとてそんな風流のものをだれがかぞえたてていられようぞ。

別家三月一得書,避地何時免愁苦。

梓州の家から別れて三ケ月目に一本の手紙がきたのだ。騒乱の土地をさけていて、いつ愁苦から免れることができようか。

 

(閬中より発す)

前には毒蛇有り後には猛虎ある、渓行 尽日 村塢【そんお】無し。

江風 蕭蕭として雲地を払う、山木 惨惨として天雨ふらんと欲す。

女病み 妻憂えて 帰意急なり、秋花 錦石 誰か能く数えん。

家に別れて 三月一書来たる、避地 何の時か 愁苦を免れん。

蜀中転々圖 

 

『發閬中』 現代語訳と訳註

(本文)

發閬中

前有毒蛇後猛虎,溪行盡日無村塢。

江風蕭蕭雲拂地,山木慘慘天欲雨。

女病妻憂歸意速,秋花錦石誰複數。

別家三月一得書,避地何時免愁苦。

 

 

(下し文)

(閬中より発す)

前には毒蛇有り後には猛虎ある、渓行 尽日 村塢【そんお】無し。

江風 蕭蕭として雲地を払う、山木 惨惨として天雨ふらんと欲す。

女病み 妻憂えて 帰意急なり、秋花 錦石 誰か能く数えん。

家に別れて 三月一書来たる、避地 何の時か 愁苦を免れん。

 

aki03

(現代語訳)

(閬中縣を出発する)

前には毒蛇がいて道をふさぎ、うしろには猛虎の徐知道が成都で暴れている、朝から晩まで谷川に沿うてゆくが村の土手の様なものはみあたらない。

嘉陵江に吹く風はさびしく吹いて雲は地面を払い、山の木はものがなしそうでいまにも雨が降り出しそうな空だ。

書面でむすめは病気でなり、妻は心配しているというもので自分のかえりたいこころはいそいでいるのだ。秋草の花だの錦紋の石などが渓のそばにあったとてそんな風流のものをだれがかぞえたてていられようぞ。

梓州の家から別れて三ケ月目に一本の手紙がきたのだ。騒乱の土地をさけていて、いつ愁苦から免れることができようか。

 

 

(訳注)

發閬中

(閬中縣を出発する)

○閬中 閬州の閬中県。

梓州において杜甫は、頻繁に周辺の各地に出かけている。その年の秋には綿州に行き、冬には射洪県、通川県に行き、翌年の春には涪城県に出向き、梓州に帰ってくると、すぐまた塩亭県に行く。その次には漢州に出かけて夏まで逗留。秋になると閬州へ行き、冬になって梓州に帰る、という調子である。おそらくこれは、各地の刺史や県令にしたがって、送別、歓迎や游賞の宴に加わって詩を作り、生活の資を得ていたものと思われる。したがってこの時期には送別の作や宴席に陪しての作が多い。

 

 

前有毒蛇後猛虎,溪行盡日無村塢。

前には毒蛇がいて道をふさぎ、うしろには猛虎の徐知道が成都で暴れている、朝から晩まで谷川に沿うてゆくが村の土手の様なものはみあたらない。

前毒蛇後猛虎 厳武の下にあった剣南兵馬使の徐知道が反乱を起こした。徐知道は兵を北に派遣して剣門の道を塞ぎ、西は卭州を攻め取り、中国西境を寇略していた羌族と手を結んだ。このために成都は大混乱に陥った。

○渓行 渓辺をあるく。

○村塢 はどて。

 

江風蕭蕭雲拂地,山木慘慘天欲雨。

嘉陵江に吹く風はさびしく吹いて雲は地面を払い、山の木はものがなしそうでいまにも雨が降り出しそうな空だ。

 嘉陵江。

 

女病妻憂歸意速,秋花錦石誰複數。

書面でむすめは病気でなり、妻は心配しているというもので自分のかえりたいこころはいそいでいるのだ。秋草の花だの錦紋の石などが渓のそばにあったとてそんな風流のものをだれがかぞえたてていられようぞ。

○女病妻憂 これは後にある書中の内容である、梓州においてむすめが病み、妻がしんばいしていることをいう。

歸意速 家へかえろうとの意で急ぐ。

○秋花 今は冬であるが秋から咲いている花をいう。

○錦石 うつくしい石。

 

別家三月一得書,避地何時免愁苦。

梓州の家から別れて三ケ月目に一本の手紙がきたのだ。騒乱の土地をさけていて、いつ愁苦から免れることができようか。

○別家 家は梓州の家。

〇三月 九月に閬州へきたのであるから、十二月で三か月になる。

○避地 騒乱の土地をさける。

 

七言古詩《發閬中》蜀中転々5P42 杜甫 <572>  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3160 杜甫詩1000-572-826/1500