《官池春雁,二首之一》今の朝廷は雁がこの池でしばらく休んでいるようなものだ。春水の増水した大江のように、吐蕃は長安に攻め込んだ。これを怨めしく眺めるだけであろう。更に懼れることはあの雁が北から飛んで帰ってきて吐蕃や、ウイグルがこの夕暮れの雲間に隔てたままであることだ。

 

2013年10月25日 同じ日の紀頌之5つのブログ
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《官池春雁,二首之一》 蜀中転々 杜甫 <576  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3190 杜甫詩1000-576-832/1500

 

 

作者: 杜甫  763  廣德元年  52

卷別: 卷二二七  文體: 七言 

詩題: 官池春雁,二首之一 

寫及地點:  房公湖 (劍南道北部 漢州 漢州) 別名:房公西湖、房公池、官池     

 

 

官池春雁,二首之一

(軍営を整えるのは、春というのに狂った雁のためである。その一)

自古稻粱多不足,至今鸂鶒亂為群。 

昔よりこの方、稲と大粟というものは多量で豊富ということはなくいつも不足気味である。今に至るや、鴛鴦というほど連合していたものが各地で略奪をほしいままに乱を起こして飛び交っているから、それを征伐するために群れの整備をなしている。

且休悵望看春水,更恐歸飛隔暮雲。 

今の朝廷は雁がこの池でしばらく休んでいるようなものだ。春水の増水した大江のように、吐蕃は長安に攻め込んだ。これを怨めしく眺めるだけであろう。更に懼れることはあの雁が北から飛んで帰ってきて吐蕃や、ウイグルがこの夕暮れの雲間に隔てたままであることだ。

官の池春の雁,二首の一

古より稻粱 多く足りず,今に至る 鸂鶒 亂れて群を為す。 

且く休む 悵望して 春水を看るを,更に恐れる 歸り飛びて暮雲を隔てるを。

 

 

官池春雁,二首之二

青春欲盡急還紫塞寧論尚有霜。 

翅在雲天終不遠,力微矰繳須防。 

花鴨003 

 

『官池春雁二首之一』 現代語訳と訳註

(本文)

官池春雁,二首之一

自古稻粱多不足,至今鸂鶒亂為群。 

且休悵望看春水,更恐歸飛隔暮雲。 

 

 

(下し文)

官の池春の雁,二首の一

古より稻粱 多く足りず,今に至る 鸂鶒 亂れて群を為す。 

且く休む 悵望して 春水を看るを,更に恐れる 歸り飛びて暮雲を隔てるを。 

 

 

(現代語訳)

(軍営を整えるのは、春というのに狂った雁のためである。その一)

昔よりこの方、稲と大粟というものは多量で豊富ということはなくいつも不足気味である。今に至るや、鴛鴦というほど連合していたものが各地で略奪をほしいままに乱を起こして飛び交っているから、それを征伐するために群れの整備をなしている。

今の朝廷は雁がこの池でしばらく休んでいるようなものだ。春水の増水した大江のように、吐蕃は長安に攻め込んだ。これを怨めしく眺めるだけであろう。更に懼れることはあの雁が北から飛んで帰ってきて吐蕃や、ウイグルがこの夕暮れの雲間に隔てたままであることだ。

 

 

(訳注)

官池春雁,二首之一

(軍営を整えるのは、春というのに狂った雁のためである。その一)

鴛鴦のように連合軍としていたウイグル軍や、北から南へ飛んでくる雁を吐蕃に喩えて批判し、防衛軍に激励している詩である。官池とは節度使の軍営を指すものである。

『房湖園』: 広漢県城の広漢公園にあり、房琯は唐の玄宗のときに丞相を勤め、ねたまれ漢州刺史に左遷され、西湖(房公西湖)と城湖(房湖)を開削した。 

 

自古 稻粱 不足 ,至今 鸂鶒 為群

昔よりこの方、稲と大粟というものは多量で豊富ということはなくいつも不足気味である。今に至るや、鴛鴦というほど連合していたものが各地で略奪をほしいままに乱を起こして飛び交っているから、それを征伐するために群れの整備をなしている。

「古」(今昔)、古。

「稻粱」いねと大粒粟。稻:水稲・晩稲・陸稲。(漢)穀物。粱:大粒のアワ。安史軍に対して援軍をウイグルに求めたためにたいそうな利権を与えてしまったことを云う。

「鸂鶒」おしどり。ここでは、安史軍を征伐するために連合軍としていたウイグル軍のことを指す。

『江頭五詠:鸂鶒』

故使籠寬織,須知動損毛。

看雲莫悵望,失水任呼號。

六翮曾經剪,孤飛卒未高【孤飛只未高】。

且無鷹隼慮,留滯莫辭勞。

江頭五詠:鸂鶒 蜀中転々 杜甫 <521  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2800 杜甫詩1000-521-754/1500

「亂」安史軍を滅ぼしたら、ウイグル軍は各地で略奪をほしいままにした。そこに、吐蕃が付け込んで攻め入ったのである。長安の代宗は河南陝州に逃げたのである

 

 

且休 悵望 春水 ,更恐 歸飛 暮雲

今の朝廷は雁がこの池でしばらく休んでいるようなものだ。春水の増水した大江のように、吐蕃は長安に攻め込んだ。これを怨めしく眺めるだけであろう。更に懼れることはあの雁が北から飛んで帰ってきて吐蕃や、ウイグルがこの夕暮れの雲間に隔てたままであることだ。

「悵望」うらめしくながめる。

「春水」春の雪解け水で増水した河川をあらわす。吐蕃、ウイグルは山から、北から攻め入ってきたことを云う。。

「歸飛」吐蕃が攻め込んだために代宗は逃げたことを示す。
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