杜甫《征夫》このあたり、十軒の家にはたして幾人が残っているだろうか。あちこちの山里には人かげも稀で、ただいたずらに空虚なところばかりである。
 

2013年11月24日  の紀頌之5つのブログ
●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩六朝謝朓・庾信 後世に多大影響を揚雄・司馬相如・潘岳・王粲.鮑照らの「賦」、その後に李白再登場
Ⅰ李白と李白に影響を与えた詩
 
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班孟堅(班固)《西都賦》(4)#2-2 文選 賦<112―4>18分割55回 Ⅱ李白に影響を与えた詩958 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3338
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Ⅱ中唐詩・晩唐詩
 
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●杜甫の全作品1141首を取り上げて訳注解説 ●理想の地を求めて旅をする。"
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謝靈運が傲慢で磊落だったというが彼の詩からはそれを感じさせるということは微塵もない。謝靈運、謝朓、孟浩然は好きな詩人である。
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孟浩然の詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/209mokonen01.html 孟浩然の詩盛唐初期の詩人であるが謝霊運の詩に傾倒して山水詩人としてとてもきれいな詩を書いている。特に山水画のような病者の中で細やかな部分に動態を感じさせる表現力は素晴らしい。
李商隠詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/3991_rishoin000.html 
李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。
女性詩人 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。
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699 《征夫》 蜀中転々 杜甫 <606  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3340 杜甫詩1000-606-862/1500

 

 

詩 題:征夫 作時:763 廣德元年 杜甫52歳 

卷別:    卷二二七              文體:  五言律詩

掲 載; 杜甫1000首の606首目-場面

杜甫ブログ1500回予定の-862回目

 

 

征夫

十室幾人在,千山空自多。

このあたり、十軒の家にはたして幾人が残っているだろうか。あちこちの山里には人かげも稀で、ただいたずらに空虚なところばかりである。

路衢唯見哭,城市不聞歌。

四方路上、ちまたにはただ死者を哭する者を目につくばかり、ところが城市にはいるとたのしい歌声などは聞こえてこない。

漂梗無安地,銜枚有荷戈。

漂泊のわが身に安住の地はないが、それにもまして戈を背負わされた人民は、箸枚をふくまされ、我慢して従軍しているのだ。

官軍未通蜀,吾道竟如何。

官軍の掃討・征伐軍はまだこの蜀にはやって來ない。ああ私の前途は、どうなってゆくのだろう。(征夫【せいふ】)

十室 幾人か在る,千山 空しく自ら多し。

路衢【ろく】唯だ哭するを見る,城市 歌うを聞かず。

漂梗【ひょうこう】安地無く,銜枚【かんばい】荷戈【かか】有り。

官軍 未だ蜀に通ぜず,吾が道 竟に如何【いかん】。

終南山05 

 

『征夫』 現代語訳と訳註

(本文)

征夫

十室幾人在,千山空自多。

路衢唯見哭,城市不聞歌。

漂梗無安地,銜枚有荷戈。

官軍未通蜀,吾道竟如何。

 

(下し文)

(征夫【せいふ】)

十室 幾人か在る,千山 空しく自ら多し。

路衢【ろく】唯だ哭するを見る,城市 歌うを聞かず。

漂梗【ひょうこう】安地無く,銜枚【かんばい】荷戈【かか】有り。

官軍 未だ蜀に通ぜず,吾が道 竟に如何【いかん】。

 

(現代語訳)

このあたり、十軒の家にはたして幾人が残っているだろうか。あちこちの山里には人かげも稀で、ただいたずらに空虚なところばかりである。

四方路上、ちまたにはただ死者を哭する者を目につくばかり、ところが城市にはいるとたのしい歌声などは聞こえてこない。

漂泊のわが身に安住の地はないが、それにもまして戈を背負わされた人民は、箸枚をふくまされ、我慢して従軍しているのだ。

官軍の掃討・征伐軍はまだこの蜀にはやって來ない。ああ私の前途は、どうなってゆくのだろう。

 

(訳注)

征夫

閬州にての作で。時に吐蕃が松州を囲み、蜀の人民はまた征戈に苦しんでいた。

倦夜倦秋夜』『對雨』『警急〔自注:時高公適領西川節度。〕』『王命』『征夫』『送元二適江左』と同時期のもの。

 

 

十室幾人在,千山空自多。

このあたり、十軒の家にはたして幾人が残っているだろうか。あちこちの山里には人かげも稀で、ただいたずらに空虚なところばかりである。

・この二句は世情不安で住民が逃げ出していなくなったことを云う。

 

路衢唯見哭,城市不聞歌。

四方路上、ちまたにはただ死者を哭する者を目につくばかり、ところが城市にはいるとたのしい歌声などは聞こえてこない。

・衢 ちまた。四方に通じる道。よつつじ。

 

漂梗無安地,銜枚有荷戈。

漂泊のわが身に安住の地はないが、それにもまして戈を背負わされた人民は、箸枚をふくまされ、我慢して従軍しているのだ。

・漂梗 梗は桃梗。桃の枝で作ったまじないの人形。桃梗は大雨におうて、泛々としてとどまる所を知らぬ、ということで、杜甫の漂泊・流寓の身の上をたとえる。

・銜枚 軍兵が声を立てぬように、口に箸のようなものをくわえさせ我慢のさまを云う。

・荷戈 戈をになうもの。兵士。

 

官軍未通蜀,吾道竟如何。

官軍の掃討・征伐軍はまだこの蜀にはやって來ない。ああ私の前途は、どうなってゆくのだろう。
蜀中転々圖