杜甫《西山,三首之二〔即岷山,捍阻羌夷,全蜀巨障。〕》吐蕃に攻め入られて防戦一方の三城の兵軍は艱難辛苦の状態である。遠く万里のさきにおいて、秋口からの吐蕃の侵入をふせいでいるのだ。いま敵の兵馬の塵は西蜀の火井の方面を侵略し、秋の長雨、晩秋の雪に松州はかこまれその城門は閉じられている。

2013年12月5日  の紀頌之5つのブログ
●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩六朝謝朓・庾信 後世に多大影響を揚雄・司馬相如・潘岳・王粲.鮑照らの「賦」、その後に李白再登場
Ⅰ李白と李白に影響を与えた詩
 
LiveDoorブログ
班孟堅(班固)《西都賦》(15)#5-4 文選 賦<112―15>18分割55回 Ⅱ李白に影響を与えた詩969 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3393
●唐を代表する中唐の韓愈の儒家としての考えのよくわかる代表作の一つ
Ⅱ中唐詩・晩唐詩
 
 LiveDoorブログ
《獨釣,四首之三》元和十三年韓愈(韓退之) Ⅱ中唐詩 <882>  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3394韓愈詩-225
●杜甫の全作品1141首を取り上げて訳注解説 ●理想の地を求めて旅をする。"
Ⅲ杜甫詩1000詩集  LiveDoorブログ 710 《西山,三首之二〔即岷山,捍阻羌夷,全蜀巨障。〕》 蜀中転々 杜甫 <617>  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3395
●これまで分割して掲載した詩を一括して掲載・改訂掲載・特集  不遇であった詩人だがきめの細やかな山水詩をかいている
Ⅳブログ漢・唐・宋詞詩集 Fc2ブログ 214  《游子吟》 孟郊  唐宋詩 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 3396 (12/05)
●●森鴎外の小説『魚玄機』、芸妓で高い評価を受けた『薛濤』の詩。唐時代にここまで率直な詩を書く女性が存在した奇跡の詩
Ⅴ.唐五代詞詩・宋詞詩・女性 LiveDoor 酔花間 毛文錫【もうぶんせき】  ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-370-8-#6  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3397
 
 ■最近の人気の文・賦・詩・詞(漢詩の5ブログ各部門)
 ■主要詩人の一覧・詩目次・ブログindex
『楚辞・九歌』東君 屈原詩<78-#1>505 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1332http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67664757.html
『楚辞』九辯 第九段―まとめ 宋玉  <00-#35> 664 漢文委員会kanbuniinkai 紀頌之の漢詩ブログ2304  http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10-rihakujoseishi/archives/6471825.html
安世房中歌十七首(1) 唐山夫人 漢詩 http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67710265.html 
為焦仲卿妻作 序 漢詩<143>古詩源 巻三 女性詩http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67729401.html
於凊河見輓船士新婚別妻一首 曹丕(魏文帝) 魏詩http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67759129.html
朔風 (一章) 曹植 魏詩<25-#1>文選雑詩 上 http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67780868.html
謝靈運詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/1901_shareiun000.html 謝靈運詩六朝期の山水詩人。この人の詩は上品ですがすがしい男性的な深みのある詩である。後世に多大な影響を残している。
謝靈運が傲慢で磊落だったというが彼の詩からはそれを感じさせるということは微塵もない。謝靈運、謝朓、孟浩然は好きな詩人である。
登永嘉緑嶂山詩 #1 謝霊運 <20> 詩集 386ーhttp://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67474554.html
登池上樓 #1 謝霊運<25>#1  ー http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67502196.html
孟浩然の詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/209mokonen01.html 孟浩然の詩盛唐初期の詩人であるが謝霊運の詩に傾倒して山水詩人としてとてもきれいな詩を書いている。特に山水画のような病者の中で細やかな部分に動態を感じさせる表現力は素晴らしい。
李商隠詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/3991_rishoin000.html 
李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。
女性詩人 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。
孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
李商隠詩 http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150首
魚玄機 詩 全首130回賦得江邊柳 魚玄機  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-65-1-#五言律詩  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1876
薛濤 詩詞全首100 井梧吟 薛濤 唐五代詞・宋詩 薛濤-136-8-#1  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2227
主に花間集から
温庭筠 70首『菩薩蠻 一』温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-1-1-#1 花間集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1620
韋荘 50首 菩薩蠻 一 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩花間集Gs-247-5-#1  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2617
皇甫松 10首 採蓮子二首  其一 皇甫松  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-307-5-#61  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3082
牛嶠  20首 女冠子四首 其一 牛嶠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-312-5-#66  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3107
『花間集』継続中 
杜甫全詩 韓愈全詩 花間集 古詩源 玉台新詠

 

710 《西山,三首之二〔即岷山,捍阻羌夷,全蜀巨障。〕》 蜀中転々 杜甫 <617>  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3395 杜甫詩1000-617-873/1500

 

作時:763年 廣德元年 杜甫52歳 

詩 題:西山,三首之二〔即岷山,捍阻羌夷,全蜀巨障。〕

卷別: 卷二二七  文體: 五言律詩 

掲 載; 杜甫1000首の616首目-場面

杜甫ブログ1500回予定の-872回目   40971

 

 

西山,三首之一〔即岷山,捍阻羌夷,全蜀巨障。〕

(吐蕃が松州に攻め込み、その境となる雪嶺山脈、いわゆる西山のことについて詠う三首の其の一)

彝界荒山頂,蕃州積雪邊。

酒瓶の境といわれる荒れた山脈の頂がある。吐蕃の州は積雪のあるあたりである。

築城依白帝,轉粟上青天。

これをふせぐために味方は城を築くのに白帝の居るかような高いところに依り、兵糧をはこぶのに青天にのぼるほどの困難をしているということだ。

蜀將分旗鼓,羌兵助井泉

そうして蜀武将は旗鼓を分かち、挟み撃ちをしてこれをふせぎ、降参した羌兵までが敵に内応して鎧鍵のことの手伝いをしてくれている。

西戎背和好,殺氣日相纏。

西南国境、吐蕃のものが和好を破った。そのために、蜀全域にこうして日日穀気がまといつつあるということなのだ。

彝界【いかい】荒山の頂にあり,蕃の州は積雪の邊にある。

築城 白帝に依り、転粟【てんぞく】青天に上る。

蜀の将 旗鼓を分かち、羌の兵 井泉【がいせん】を助く。

西南 和好に背き、殺気 日【ひご】とに相い纏う。

 

 

西山,三首 其二

(吐蕃が松州に攻め込み、その境となる雪嶺山脈、いわゆる西山のことについて詠う三首の其の二)

辛苦三城戍,長防萬里秋。

吐蕃に攻め入られて防戦一方の三城の兵軍は艱難辛苦の状態である。遠く万里のさきにおいて、秋口からの吐蕃の侵入をふせいでいるのだ。

煙塵侵火井,雨雪閉松州。

いま敵の兵馬の塵は西蜀の火井の方面を侵略し、秋の長雨、晩秋の雪に松州はかこまれその城門は閉じられている。

風動將軍幕,天寒使者裘。

将軍の陣営の幕には風がはためき、こちらから出した使者は皮衣の裘を着てもおかれた立場ではいたずらに天が寒く感ぜられるだろう。

漫山賊營壘,回首得無憂。

みわたす西の山山には吐蕃の賊どもがとりでを営んで、土塁をかまえている。これでは北の朝廷も西の三城、西蜀の火井の方面も心配だし、あっちもこっちも首を回らして心配せずにいられないのだ。

 

辛苦なり 三城の戍,長防す 萬里の秋。

煙塵 火井を侵し,雨雪 松州を閉す。

風は動く 將軍の幕,天は寒し 使者の裘。

漫山の賊は 壘を營み,首を回らして憂い無きを得んや。

 

西山,三首 其三

子弟猶深入,關城未解圍。

蠶崖鐵馬瘦,灌口米船稀。

辯士安邊策,元戎決勝威。

今朝烏鵲喜,欲報凱歌歸。

 

 

『西山,三首之二』現代語訳と訳註

(本文)

西山,三首 其二

辛苦三城戍,長防萬里秋。

煙塵侵火井,雨雪閉松州。

風動將軍幕,天寒使者裘。

漫山賊營壘,回首得無憂。

 

 

(下し文)

辛苦なり 三城の戍,長防す 萬里の秋。

煙塵 火井を侵し,雨雪 松州を閉す。

風は動く 將軍の幕,天は寒し 使者の裘。

漫山の賊は 壘を營み,首を回らして憂い無きを得んや。

 

 

(現代語訳)

(吐蕃が松州に攻め込み、その境となる雪嶺山脈、いわゆる西山のことについて詠う三首の其の二)

吐蕃に攻め入られて防戦一方の三城の兵軍は艱難辛苦の状態である。遠く万里のさきにおいて、秋口からの吐蕃の侵入をふせいでいるのだ。

いま敵の兵馬の塵は西蜀の火井の方面を侵略し、秋の長雨、晩秋の雪に松州はかこまれその城門は閉じられている。

将軍の陣営の幕には風がはためき、こちらから出した使者は皮衣の裘を着てもおかれた立場ではいたずらに天が寒く感ぜられるだろう。

みわたす西の山山には吐蕃の賊どもがとりでを営んで、土塁をかまえている。これでは北の朝廷も西の三城、西蜀の火井の方面も心配だし、あっちもこっちも首を回らして心配せずにいられないのだ。


成都西側002 

(訳注)

西山,三首之二〔即岷山,捍阻羌夷,全蜀巨障。〕

(吐蕃が松州に攻め込み、その境となる雪嶺山脈、いわゆる西山のことについて詠う三首の其の二)

吐蕃が松州を囲んだときのことをのべる、雪嶺がその境にあるので「西山」と題した。

○西山 雪嶺をいう、吐蕃との接境である。

 

〔即岷山,捍阻羌夷,全蜀巨障。〕

〔西山とは岷山を云う、羌夷からの攻撃を阻み守る、蜀全域の大きな禍から。〕

 

 

辛苦三城戍,長防萬里秋。

吐蕃に攻め入られて防戦一方の三城の兵軍は艱難辛苦の状態である。遠く万里のさきにおいて、秋口からの吐蕃の侵入をふせいでいるのだ。

〇三城 松州(k-26)・維州(h-18)・保州(h-13)の三州の城。

○防秋 秋口からの吐蕃の侵入をふせぐ。

 

煙塵侵火井,雨雪閉松州。

いま敵の兵馬の塵は西蜀の火井の方面を侵略し、秋の長雨、晩秋の雪に松州はかこまれその城門は閉じられている。

○火井 おなじ西蜀の卭州の火井(h-10)をさす。司馬相如と卓文君の所縁の地。

○閉 城門をとじる、すなわち敵にかこまれて籠城していること。

 

風動將軍幕,天寒使者裘。

将軍の陣営の幕には風がはためき、こちらから出した使者は皮衣の裘を着てもおかれた立場ではいたずらに天が寒く感ぜられるだろう。

○風動 陣幕の不安な様子をいう。

○使者裘 和親を議するために使者をだしたのである。裘は皮衣。冬の寒さを防ぐために着用した毛皮。いろいろな動物の毛皮を用いたが,狐と羔(こう)(黒い小羊)が最も有名。一般に毛の方を外に出し,歴代,裘工(きゆうこう)を置いて製作にあたらせた。

 

漫山賊營壘,回首得無憂。

みわたす西の山山には吐蕃の賊どもがとりでを営んで、土塁をかまえている。これでは北の朝廷も西の三城、西蜀の火井の方面も心配だし、あっちもこっちも首を回らして心配せずにいられないのだ。

○漫山 山にはびこる。

○廻首 杜甫は蜀の東側の閬州に居る。松州は蜀の最西端ある姿勢は東の地から北の都を向いていて、西の松州の方面へむくことをいう。
nat0003