《薄遊》秋も深まると病葉がまず先に落葉している。冬に咲く花はただ、もうしばらく香りを漂わせている。閬州の城郭にはここを後にして旅立とうとする私の目には涙が流れるのである。今夜もまたここには清らかな月明かりがふりそそぐのだ。


2013年12月7日  の紀頌之5つのブログ
●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩六朝謝朓・庾信 後世に多大影響を揚雄・司馬相如・潘岳・王粲.鮑照らの「賦」、その後に李白再登場
Ⅰ李白と李白に影響を与えた詩
 
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班孟堅(班固)《西都賦》(17)#6-2 文選 賦<112―17>18分割55回 Ⅱ李白に影響を与えた詩971 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3403
●唐を代表する中唐の韓愈の儒家としての考えのよくわかる代表作の一つ
Ⅱ中唐詩・晩唐詩
 
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《論佛骨表》(1)元和十四年韓愈(韓退之) Ⅱ中唐詩 <884>  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3404韓愈詩-227-1
●杜甫の全作品1141首を取り上げて訳注解説 ●理想の地を求めて旅をする。"
Ⅲ杜甫詩1000詩集  LiveDoorブログ 712 《薄遊》 蜀中転々 杜甫 <619>  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3405 杜甫詩1000-619-875/1500五言律詩
●これまで分割して掲載した詩を一括して掲載・改訂掲載・特集  不遇であった詩人だがきめの細やかな山水詩をかいている
Ⅳブログ漢・唐・宋詞詩集 Fc2ブログ 216  《帰信吟》 孟郊  唐宋詩 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 3406 (12/07)
●●森鴎外の小説『魚玄機』、芸妓で高い評価を受けた『薛濤』の詩。唐時代にここまで率直な詩を書く女性が存在した奇跡の詩
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謝靈運が傲慢で磊落だったというが彼の詩からはそれを感じさせるということは微塵もない。謝靈運、謝朓、孟浩然は好きな詩人である。
登永嘉緑嶂山詩 #1 謝霊運 <20> 詩集 386ーhttp://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67474554.html
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孟浩然の詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/209mokonen01.html 孟浩然の詩盛唐初期の詩人であるが謝霊運の詩に傾倒して山水詩人としてとてもきれいな詩を書いている。特に山水画のような病者の中で細やかな部分に動態を感じさせる表現力は素晴らしい。
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李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。
女性詩人 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。
孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
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712 《薄遊》 蜀中転々 杜甫 <619  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3405 杜甫詩1000-619-875/1500五言律詩         

 

763年この年の夏ごろから、杜甫は梓州刺史章彝(前任の杜済は綿州刺史に転じていた)の客分となり、その主催する送別や歓迎の宴に出席したり、遊覧・遊猟に随行している。杜甫の詩人としての名も、かなり揚がっていたらしく、彼はそれによって一家の生活を支え、また東下の旅費を蓄えていた。しかしこのころ、辺境の情勢は緊迫の度を加え、吐蕃の軍は長安に迫り、西南方面(松・雅・保州)においては巴・蜀を圧迫していた。そうして、十月になるとついに長安に攻めこみ、代宗は東の方の陝州(河南省陝県)に逃げてしまった。しばらくして郭子儀が反撃に転じ、吐蕃軍は遁走したが、まさに安禄山の乱の再現かと思われた。

杜甫はそれらの情報を伝え聞きながら、今はただ一つしか残されていない東方への道、長江を下るべく、ひたすら旅の準備をととのえていた。その大部分は章彝の援助に頼るしかなかったため、彼は章彝とその幕僚の機嫌を損ねないように、言行を慎重にしていたらしい。そのためであろう、杜甫が東方の旅に出発することを申し出ると、彼らは送別会を開いてくれ、章彝は無事な旅を祈って、梓州特産の桃竹の杖を二本、杜甫に贈った。

出発も間近に迫ったある日、都に帰った厳武のはからいであろうか、杜甫を京兆府の功曹参軍(庶務課長)に任ずるとの連絡があった。しかし、すでに三峡を下って呉・楚の地に赴く決心をしていた杜甫は、それを辞退した。

 

 

詩 題:薄遊

卷別: 卷二二七  文體: 五言律詩 

作時:763 廣德元年 杜甫52歳 

作地點: 閬州(山南西道 / 閬州 / 閬州別名:閬、巴城      掲 載; 杜甫1000首の619首目-場面

杜甫ブログ1500回予定の-875回目   40974

 

 

薄遊 

(夕暮れにゆっくりと遊ぶ。)

淅淅風生砌,團團日隱牆。 

ザーザーと、風が吹き付け建物の端っこで音たてる。マールイマールイ太陽が、土塀の陰に隠れてくる。

遙空秋雁滅,半嶺暮雲長。 

秋に南に帰る雁が遙か空遠く消えていく。峯の中腹に夕方の雲がかかり長く連なっている。

葉多先墜,寒花只暫香。 

秋も深まると病葉がまず先に落葉している。冬に咲く花はただ、もうしばらく香りを漂わせている。

巴城添淚眼,今夜復清光。 

閬州の城郭にはここを後にして旅立とうとする私の目には涙が流れるのである。今夜もまたここには清らかな月明かりがふりそそぐのだ。

(薄【いささ】か遊 ぶ)

淅淅たり風は砌を生じ,團團たり日は牆に隱る。 

遙か空 秋雁 滅し,半ばする嶺は暮雲長ず。 

病葉 多く先墜し,寒花 只だ暫香す。 

巴城 添けなくも眼に淚し,今夜復た清光す。 

tsuki04 

『薄遊』 現代語訳と訳註

(本文)

薄遊 

淅淅風生砌,團團日隱牆。 

遙空秋雁滅,半嶺暮雲長。 

病葉多先墜,寒花只暫香。 

巴城添淚眼,今夜復清光。 

(含異文)

淅淅風生砌【漸漸風生砌】,團團日隱牆【團團月隱牆】。

遙空秋雁滅【遙空秋雁過】【滿空秋雁滅】【滿空秋雁過】,半嶺暮雲長【半嶺暮雲張】。

病葉多先墜【病葉多先墮】,寒花只暫香。

巴城添淚眼,今夜復清光【今夜復秋光】。 

 

(下し文)

(薄【いささ】か遊 ぶ)

淅淅たり風は砌を生じ,團團たり日は牆に隱る。 

遙か空 秋雁 滅し,半ばする嶺は暮雲長ず。 

病葉 多く先墜し,寒花 只だ暫香す。 

巴城 添けなくも眼に淚し,今夜復た清光す。 

 

(現代語訳)

(夕暮れにゆっくりと遊ぶ。)

ザーザーと、風が吹き付け建物の端っこで音たてる。マールイマールイ太陽が、土塀の陰に隠れてくる。

秋に南に帰る雁が遙か空遠く消えていく。峯の中腹に夕方の雲がかかり長く連なっている。

秋も深まると病葉がまず先に落葉している。冬に咲く花はただ、もうしばらく香りを漂わせている。

閬州の城郭にはここを後にして旅立とうとする私の目には涙が流れるのである。今夜もまたここには清らかな月明かりがふりそそぐのだ。

aki010 

(訳注)

薄遊 

(夕暮れにゆっくりと遊ぶ。)

 

淅淅 風生 ,團團 隱牆

ザーザーと、風が吹き付け建物の端っこで音たてる。マールイマールイ太陽が、土塀の陰に隠れてくる。

「淅淅」風の音のするさま。

「砌」建物の間際。

「團團」まるい、まんまる(物)、景物形態、團。

「牆」土塀、かきね。

 

遙空 秋雁 ,半嶺 暮雲

秋に南に帰る雁が遙か空遠く消えていく。峯の中腹に夕方の雲がかかり長く連なっている。

 

病葉 先墜 ,寒花 只暫

秋も深まると病葉がまず先に落葉している。冬に咲く花はただ、もうしばらく香りを漂わせている。

「寒花」(1)冬に咲く花。 (2)雪を冬の花に見立てていう語。

 

巴城 添淚眼 ,今夜 復清光

閬州の城郭にはここを後にして旅立とうとする私の目には涙が流れるのである。今夜もまたここには清らかな月明かりがふりそそぐのだ。

「巴城」閬州  別名:閬、巴城。