杜甫≪惠義寺送王少尹赴成都≫広範囲なところで草が盛んに繁る谷の中にこのてらがある。美しく清らかな建物は林のに在り、その林は峯の方まで続いている。寺の高楼に上って欄干からとおくをみる。寺にはうまく建物が配置されており、いつもなんとなくここに何度もやってくる。
739 《惠義寺送王少尹赴成都〔得峰字。〕〔草堂逸詩拾遺-(15)〕》 蜀中転々 杜甫 <646> 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3540 杜甫詩1000-646-902/1500〔草堂逸詩拾遺-(15)〕
詩 題:惠義寺送王少尹赴成都〔得峰字。〕〔草堂逸詩拾遺-(15)〕
作時:763年 廣德元年 杜甫52歳
卷別: 卷二三四
文體: 五言律詩
作地點: 梓州(劍南道北部 / 梓州 / 梓州)
及地點: 惠義寺 (劍南道北部 梓州 郪縣) ・成都 (劍南道北部 益州 成都) 別名:蜀
交遊人物: 王少尹
掲 載; 杜甫1000首の646首目-場面
杜甫ブログ1500回予定の-902回目
41001
〔草堂逸詩拾遺-(15)〕
〔草堂逸詩拾遺-(15)〕
惠義寺送王少尹赴成都〔得峰字。〕
(惠義寺において王少尹どのが成都に赴くというのを送別する〔「峰」韻字を得る。〕)
苒苒谷中寺,娟娟林表峰。
広範囲なところで草が盛んに繁る谷の中にこのてらがある。美しく清らかな建物は林のに在り、その林は峯の方まで続いている。
闌干上處遠,結構坐來重。
寺の高楼に上って欄干からとおくをみる。寺にはうまく建物が配置されており、いつもなんとなくここに何度もやってくる。
騎馬行春徑,衣冠起晚鐘。
昼には馬に乗って春けしにに変わったこの道をゆく。正式の衣服を整えて夕方には,四時の終わりの鐘をついて鳴らす。
雲門青寂寂,此別惜相從。
高い所にある寺の門には雲がかかり、木々の青さの野かに静かに存在する。こうした中であなたとのこの別れをするというのは互いに惜しいということがついて回る。
『惠義寺送王少尹赴成都〔得峰字。〕』 現代語訳と訳註
(本文)
〔草堂逸詩拾遺-(15)〕
惠義寺送王少尹赴成都〔得峰字。〕
苒苒谷中寺,娟娟林表峰。
闌干上處遠,結構坐來重。
騎馬行春徑,衣冠起晚鐘。
雲門青寂寂,此別惜相從。
(下し文)
惠義寺にて王少尹を成都に赴むくを送る〔得峰字。〕
苒苒【ぜんぜん】として谷中の寺,娟娟【えんえん】として林表の峰。
闌干 遠くする處に上り,結構 坐ろに重ね來る。
騎馬 春徑を行き,衣冠 晚鐘に起る。
雲門 青くして寂寂たり,此の別 相に從って惜む。

(現代語訳)
(惠義寺において王少尹どのが成都に赴くというのを送別する〔「峰」韻字を得る。〕)
広範囲なところで草が盛んに繁る谷の中にこのてらがある。美しく清らかな建物は林のに在り、その林は峯の方まで続いている。
寺の高楼に上って欄干からとおくをみる。寺にはうまく建物が配置されており、いつもなんとなくここに何度もやってくる。
昼には馬に乗って春けしにに変わったこの道をゆく。正式の衣服を整えて夕方には,四時の終わりの鐘をついて鳴らす。
高い所にある寺の門には雲がかかり、木々の青さの野かに静かに存在する。こうした中であなたとのこの別れをするというのは互いに惜しいということがついて回る。
(訳注)
〔草堂逸詩拾遺-(15)〕
惠義寺送王少尹赴成都〔得峰字。〕
(惠義寺において王少尹どのが成都に赴くというのを送別する〔「峰」韻字を得る。〕)
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『赴青城縣出成都寄陶王二少尹』
老被樊籠役,貧嗟出入勞。
客情投異縣,詩態憶吾曹。
東郭滄江合,西山白雪高。
文章差底病,回首興滔滔。
赴青城縣出成都寄陶王二少尹 成都5-(4) 杜甫 <457> 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2230 杜甫詩1000-457-640/1500
苒苒 谷中 寺 ,娟娟 林表 峰 。
広範囲なところで草が盛んに繁る谷の中にこのてらがある。美しく清らかな建物は林のに在り、その林は峯の方まで続いている。
「苒苒」苒は草が盛んに繁るさま。やわらかく弱いさま。くさがしだいにのびるさま。苒苒となるから広範囲なところでが盛んに繁る様子、荏苒。
「娟娟」美しいさま。美しく清らかなさま。しなやかに舞うさま。
「峰」山峰崖嶺、峰。 杜甫が韻字として与えられたもの。
闌干 上處 遠 ,結構 坐來 重 。
寺の高楼に上って欄干からとおくをみる。寺にはうまく建物が配置されており、いつもなんとなくここに何度もやってくる。
「結構」1 全体の構造や組み立てを考えること。また、その構造や組み立て。構成。2 もくろみ。計画。
騎馬 行 春徑 ,衣冠 起 晚鐘 。
昼には馬に乗って春けしにに変わったこの道をゆく。正式の衣服を整えて夕方には,四時の終わりの鐘をついて鳴らす。
「晚鐘」○四時 ・1年の四つの季節、春夏秋冬の総称。四季。・1か月中の四つの時。晦(かい)・朔(さく)・弦・望。・一日中の4回の読経の時。早晨(そうしん)(朝午前4時)・晡時(ほじ)(昼午前10時)・黄昏(こうこん)(夕方午後8時)・後夜(ごや)(夜午後8時)の座禅。ここでは一日中の4回の読経のとき。
雲門 青 寂寂 ,此別 惜 相從 。
高い所にある寺の門には雲がかかり、木々の青さの野かに静かに存在する。こうした中であなたとのこの別れをするというのは互いに惜しいということがついて回る。