杜甫《閬山歌》 わたしは中原(洛陽)地方が不安定であるので、いまだに故郷へかえらずにいる、あの山の崖の絶壁のところに茅ぶきの書斎をこしらえるべきと考えている。


2014年2月5日 の紀頌之5つのブログ
●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩六朝謝朓・庾信 後世に多大影響を揚雄・司馬相如・潘岳・王粲.鮑照らの「賦」、その後に李白再登場
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廣徳2764-20 《閬山歌》 蜀中転々 杜甫 <660>  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3705 杜甫詩1000-660-935/1500754

 

 

作時年:  764  廣德二年  53

卷別: 卷二二○  文體: 樂府 (七言歌行)

詩題: 閬山歌 

関係地点

閬州 (山南西道 閬州 閬州) 別名:閬、巴城     

靈山 (山南西道 閬州 靈山)     

玉臺山 (山南西道 閬州 閬州) 別名:玉臺     

嵩山 (都畿道 河南府 嵩山) 別名:嵩高山、嵩、嵩丘、嵩高     

華山 (京畿道 華州 華山) 別名:華、太華、華岳、西岳     

 

 

閬山歌

閬州城東靈山白,閬州城北玉台碧。

松浮欲盡不盡雲,江動將崩未崩石。

那知根無鬼神會,已覺氣與嵩華敵。

中原格鬥且未歸,應結茅齋看青壁。

閬州の城の東北には霊山が白くみえ、また城の北には玉台山が碧にみえている。

山の松の期には尽きるかと思えども尽きることない雲が浮かんでおり、山の麓に流れるか陵江の水には今にも崩れるかとおもえどもまだくずれずにいるところの石に水が流れ、揺れ動いているようだ。

このありさまを見ると、この山の根もとには神仙のたぐいが集会しているかもしれないし、集会していないということがどうしてわかるか、こうして観たところで、もはや山の高い雲気が嵩山や華山とひとしいかと思える感じがする。

わたしは中原(洛陽)地方が不安定であるので、いまだに故郷へかえらずにいる、あの山の崖の絶壁のところに茅ぶきの書斎をこしらえるべきと考えている。

 

(閬山の歌)

閬州城東 霊山白く、閬州城北玉台碧なり。

松には浮かぶ 尽きんと欲して 尽きざるの雲、江には動く将に崩れんとして 未だ崩れざるの石。

那ぞ知らん根に鬼神の会する無きを、己に覚ゆ気嵩華と敵するを。

中原 格闘 且つ未だ帰らず、応に茅斎を結びて青壁に著くべし。

 

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閬山歌』 現代語訳と訳註

(本文)

閬山歌

閬州城東靈山白,閬州城北玉台碧。

松浮欲盡不盡雲,江動將崩未崩石。

那知根無鬼神會,已覺氣與嵩華敵。

中原格鬥且未歸,應結茅齋看青壁。

 

 

(下し文)

(閬山の歌)

閬州城東 霊山白く、閬州城北玉台碧なり。

松には浮かぶ 尽きんと欲して 尽きざるの雲、江には動く将に崩れんとして 未だ崩れざるの石。

那ぞ知らん根に鬼神の会する無きを、己に覚ゆ気嵩華と敵するを。

中原 格闘 且つ未だ帰らず、応に茅斎を結びて青壁に著くべし。

 

 

(現代語訳)

閬州の城の東北には霊山が白くみえ、また城の北には玉台山が碧にみえている。

山の松の期には尽きるかと思えども尽きることない雲が浮かんでおり、山の麓に流れるか陵江の水には今にも崩れるかとおもえどもまだくずれずにいるところの石に水が流れ、揺れ動いているようだ。

このありさまを見ると、この山の根もとには神仙のたぐいが集会しているかもしれないし、集会していないということがどうしてわかるか、こうして観たところで、もはや山の高い雲気が嵩山や華山とひとしいかと思える感じがする。

わたしは中原(洛陽)地方が不安定であるので、いまだに故郷へかえらずにいる、あの山の崖の絶壁のところに茅ぶきの書斎をこしらえるべきと考えている。

 

 

(訳注)

閬山歌

○閬山 閬州の山。

閬州の山を見て感ずる所をのべた。広徳二年間州にあっての作。

梓州において杜甫は、頻繁に周辺の各地に出かけている。その年の秋には綿州に行き、冬には射洪県、通川県に行き、翌年の春には涪城県に出向き、梓州に帰ってくると、すぐまた塩亭県に行く。その次には漢州に出かけて夏まで逗留。秋になると閬州へ行き、冬になって梓州に帰る、という調子である。おそらくこれは、各地の刺史や県令にしたがって、送別、歓迎や游賞の宴に加わって詩を作り、生活の資を得ていたものと思われる。したがってこの時期には送別の作や宴席に陪しての作が多い。

 

閬州城東靈山白,閬州城北玉台碧。

閬州の城の東北には霊山が白くみえ、また城の北には玉台山が碧にみえている。

○閬州 四川省保寧府閬中県、梓潼の南にあたる。

○城東 東とはおおよその方位をいう、実は東北である。

○霊山 現在名雲台山、当時の別名仙穴山といい、閬中県の東北十里にあるという。(e

○玉台 山の名、聞州城北七里にある。

 

松浮欲盡不盡雲,江動將崩未崩石。

山の松の期には尽きるかと思えども尽きることない雲が浮かんでおり、山の麓に流れるか陵江の水には今にも崩れるかとおもえどもまだくずれずにいるところの石に水が流れ、揺れ動いているようだ。

○雲 山上にあるくも。

○江 嘉陵江。

○石 江流に横たわる石。

 

那知根無鬼神會,已覺氣與嵩華敵。

このありさまを見ると、この山の根もとには神仙のたぐいが集会しているかもしれないし、集会していないということがどうしてわかるか、こうして観たところで、もはや山の高い雲気が嵩山や華山とひとしいかと思える感じがする。

○根 山根をいう、深谷の洞窟などをさすのであろう。

○鬼神 神仙をいう。

○会 集合する。

○気 雲気。

○与嵩華敵 嵩華は五岳の中にある中岳嵩山と西岳華山。敵は匹敵、雲気のたちのぼる高さが嵩葦とひとしいことをいう。

 

中原格鬥且未歸,應結茅齋看青壁。

わたしは中原(洛陽)地方が不安定であるので、いまだに故郷へかえらずにいる、あの山の崖の絶壁のところに茅ぶきの書斎をこしらえるべきと考えている。

○中原 洛陽地方。

○格闘 うちあいたたかう、戦争のあることをいう。

○結 構えること。

○茅斉 かやぶきの書斎。

○著 その処にくっつけて置く。

○青壁 あおい山崖の絶壁。

 山南西道02