杜甫《揚旗―#1》錦江に降る雨は長い夏に颯爽とした風を伴っている。西川節度使の幕府に清々しさがいっぱいに広がる。我が厳武公は次々と賓客と会見される。粛々として進み時には異民族の言葉も飛び交うようだ。


2014年2月22日 の紀頌之5つのブログ
●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩六朝謝朓・庾信 後世に多大影響を揚雄・司馬相如・潘岳・王粲.鮑照らの「賦」、その後に李白再登場
Ⅰ李白と李白に影響を与えた詩
 
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●唐を代表する中唐の韓愈の儒家としての考えのよくわかる代表作の一つ
Ⅱ中唐詩・晩唐詩
 
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《韶州留別張端公使君〔時憲宗元和十四年十月。〕》韓愈(韓退之) Ⅱ中唐詩 <961>  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3789韓愈詩-256
●杜甫の全作品1141首を取り上げて訳注解説 ●理想の地を求めて旅をする。"
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●これまで分割して掲載した詩を一括して掲載・改訂掲載・特集  不遇であった詩人だがきめの細やかな山水詩をかいている
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廣徳2764-35-1 《揚旗―#1》 ふたたび成都 杜甫<666-#1> 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3790 杜甫詩1000-666-#1-952/1500 771

 

 

作時年:  764  廣德二年  53

卷別: 卷二二○  文體: 五言古詩 

詩題: 揚旗〔二年夏六月,成都尹嚴公置酒公堂,觀騎士試新旗幟。〕 

作地點: 目前尚無資料 

 

揚旗
(旗をかかげる。)〔二年夏六月,成都尹嚴公置酒公堂,觀騎士試新旗幟。〕  

〔廣徳二年夏六月、成都の長官である厳武公が節度使幕府の講堂に宴会をもようされた。その際、騎士団の新しい軍旗が出来上がり試みに端にもとずいて観閲されたのである。〕#1

江雨颯長夏,府中有餘清。 

錦江に降る雨は長い夏に颯爽とした風を伴っている。西川節度使の幕府に清々しさがいっぱいに広がる。

我公會賓客,肅肅有異聲。 

我が厳武公は次々と賓客と会見される。粛々として進み時には異民族の言葉も飛び交うようだ。

初筵軍裝,羅列照廣庭。 

節度使軍ばかりか来賓の軍隊を謁見されてから初めて宴がひらかれ、廣い庭にきちんとした並びに、明かりに照らされてととのえられる。

庭空六馬入,駊騀揚旗旌。

厳武公にあっては「六馬」の故事にあたることはなく準備万端整っており、節度使軍の騎馬隊の旌旗と歩兵軍団旗がそろって並ぶのがどこまでも続いている。

#2 

回回偃飛蓋,熠熠迸流星。

來纏風飆急,去擘山岳傾。

材歸俯身盡,妙取略地平。

虹霓就掌握,舒卷隨人輕。

#3 

三州陷犬戎,但見西嶺青。 

公來練猛士,欲奪天邊城。 

此堂不易升,庸蜀日已寧。 

吾徒且加餐,休適蠻與荊。 

 

揚旗〔二年 夏六月,成都尹嚴公 公堂に置酒し,騎士を觀し 新旗幟を試る。〕 

江雨 長夏に颯とし,府中 餘清有り。 

我が公は賓客に會し,肅肅として異聲有り。 

初筵 軍裝をし,羅列して 廣庭を照す。 

庭空は六馬入り,駊騀 旗旌を揚ぐ。

 

回回として蓋を飛ばし偃【のいふ】し,熠熠として流星を迸る。

來纏すれば 風飆急なり,去擘するは山岳傾けり。

材は 身盡くし俯して歸り,略地の平らかにするを妙取す。

虹霓【こうげい】掌握に就き,舒卷【じょかん】人輕に隨う。

 

三州 犬戎に陷ち,但し西嶺の青を見ん。 

公 來りて猛士に練り,天邊の城を奪んと欲す。 

此の堂は升るに易からず,蜀に庸すは日び已に寧す。 

吾が徒 且つ加餐し,蠻と荊とに適くを休む。 

杜甫像00 

 

『揚旗』 現代語訳と訳註

(本文) #1

揚旗〔二年夏六月,成都尹嚴公置酒公堂,觀騎士試新旗幟。〕  

江雨颯長夏,府中有餘清。 

我公會賓客,肅肅有異聲。 

初筵軍裝,羅列照廣庭。 

庭空六馬入,駊騀揚旗旌。
 

(下し文)

揚旗〔二年 夏六月,成都尹嚴公 公堂に置酒し,騎士を觀し 新旗幟を試る。〕 

江雨 長夏に颯とし,府中 餘清有り。 

我が公は賓客に會し,肅肅として異聲有り。 

初筵 軍裝をし,羅列して 廣庭を照す。 

庭空は六馬入り,駊騀 旗旌を揚ぐ。

 

(現代語訳)

(旗をかかげる。)〔廣徳二年夏六月、成都の長官である厳武公が節度使幕府の講堂に宴会をもようされた。その際、騎士団の新しい軍旗が出来上がり試みに端にもとずいて観閲されたのである。〕#1

錦江に降る雨は長い夏に颯爽とした風を伴っている。西川節度使の幕府に清々しさがいっぱいに広がる。

我が厳武公は次々と賓客と会見される。粛々として進み時には異民族の言葉も飛び交うようだ。

節度使軍ばかりか来賓の軍隊を謁見されてから初めて宴がひらかれ、廣い庭にきちんとした並びに、明かりに照らされてととのえられる。

厳武公にあっては「六馬」の故事にあたることはなく準備万端整っており、節度使軍の騎馬隊の旌旗と歩兵軍団旗がそろって並ぶのがどこまでも続いている。

松01 

 

(訳注)

揚旗〔二年夏六月,成都尹嚴公置酒公堂,觀騎士試新旗幟。〕 

旗をかかげる。〔廣徳二年夏六月、成都の長官である厳武公が節度使幕府の講堂に宴会をもようされた。その際、騎士団の新しい軍旗が出来上がり試みに端にもとずいて観閲されたのである。〕

成都尹 成都の市長、長官。この時、東、西川節度使と兼務していた。

嚴公 杜甫の幼友達の子供。

置酒 盛大に酒宴を催すこと。また、酒宴のこと。・「置酒」は酒宴を開くこと。「高会」は盛大な宴会のこと。 

公堂 幕府の公の講堂。

新旗幟 

 

江雨 長夏 ,府中 有餘

錦江に降る雨は長い夏に颯爽とした風を伴っている。西川節度使の幕府に清々しさがいっぱいに広がる。

「江」錦江。

「府」幕府。

 

 

我公 賓客 ,肅肅 異聲

我が厳武公は次々と賓客と会見される。粛々として進み時には異民族の言葉も飛び交うようだ。

「公」厳武公。

「會」會見。

「賓客」賓客が訪れることは、政治情勢が落ち着いてきたことを示す。

「異聲」異民族の言葉も飛び交う。

 

初筵 軍裝 ,羅列 廣庭

節度使軍ばかりか来賓の軍隊を閲見されてから初めて宴がひらかれ、廣い庭にきちんとした並びに、明かりに照らされてととのえられる。

「初筵」飲食、宴席の初のころ。

」検閲、閲覧、閲見する。

「軍裝」軍服。

「羅列」語義類別:人、行為動作、一般行為(手部)、排。

「照」語義類別:其他、現象、自然現象、照。

「廣」語義類別:物、形容詞彙(物)、景物形態、廣。

「庭」語義類別:物、建築物、園林院落、庭。

 

庭空 六馬 駊騀揚旗旌。 

厳武公にあっては「六馬」の故事にあたることはなく準備万端整っており、節度使軍の騎馬隊の旌旗と歩兵軍団旗がそろって並ぶのがどこまでも続いている。

「庭空」庭の空地に六頭の馬が入っている。馬車は5頭立てまでで、六頭までは取り換え用の馬を同時に走らせることはあるにしても空地にはおくことはない。

六馬 六馬についてよいことわざはない。・朽索の六馬を馭するが如しとは。《「書経」五子之歌から》腐った縄で六頭の馬を操るように、非常に困難で危険なことのたとえ。

・六馬和せざれば造父ももって遠きを致すあたわず. , 六馬和せざれば造父も以て遠きを致す能わずとは、どんなことでも、人々の気持ちが一つにならなければ、最後までやりとげることはできないことのたとえ。

駊騀 とっきがどこまでもつづく

『甘泉賦』 

攢幷閭與兮,紛被麗其亡鄂。

崇丘陵之駊騀兮,深溝嶔巖而為谷。

𨓹𨓹離宮般以相燭兮,封巒石關施靡乎延屬。

幷閭【へいりょ】と茇【ばつかつ】とを攢【あつ】め,紛として被麗【ひり】として其れ鄂【かぎ】り亡し。

丘陵の駊騀【はが】たるを崇くし,深溝【しんこう】嶔巖【かんがん】として谷を為す。

𨓹𨓹【おうおう】にして離宮ありて、般【つら】なり以って相い燭【て】らし,封巒【ほうらん】石關ありて、施靡【いび】として延屬【えんぞく】す。

棕櫚やはっかも群生し、散らばってどこまでも茂っている。

丘陵は険しくそびえそれがどこまでも続いて、そこに深く切り立った岩場の谷がある。

その辺りには、あちこちに離宮が立ち並び、それでもって輝きを競っており、封巒観・石関観などが、長く延び、つながっている。

揚雄 《甘泉賦 (8)#3-2 文選 賦<108-(8)#3-29分割26回 Ⅱ李白に影響を与えた詩861 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2853

旗旌 節度使軍のはたとのぼり。旗幟(きし)。騎馬隊の旌旗と歩兵軍団旗
江畔独歩尋花