杜甫《太子張舍人遺織成褥段―#2このようないい物をもら貰うことは身に余るもので、今度は不吉こと起りはしないかと懼れてしますのです。これほどのものをこのあばら家に敷きこんだとしても、他のものとごちゃごちゃにしてしまうことになる。人の服飾というものはこれによって身分の尊卑をきめるものであり、大切な万古の昔から永久の決まりというべきものです。


2014年2月26日 の紀頌之5つのブログ
●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩六朝謝朓・庾信 後世に多大影響を揚雄・司馬相如・潘岳・王粲.鮑照らの「賦」、その後に李白再登場
Ⅰ李白と李白に影響を与えた詩
 
LiveDoorブログ
張平子(張衡)《西京賦》(15)(末央宮の内外)#6 文選 賦<114―(15)>31分割68回 Ⅱ李白に影響を与えた詩1052 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3808
●唐を代表する中唐の韓愈の儒家としての考えのよくわかる代表作の一つ
Ⅱ中唐詩・晩唐詩
 
 LiveDoorブログ
《除官赴闕至江州寄鄂岳李大夫〔李程也。元和十五年,自袁州詔拜國子祭酒,行次盆城作。〕》韓愈(韓退之) Ⅱ中唐詩 <965>漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3809韓愈詩-260
●杜甫の全作品1141首を取り上げて訳注解説 ●理想の地を求めて旅をする。"
Ⅲ杜甫詩1000詩集  LiveDoorブログ 廣徳2年764-36-2 《太子張舍人遺織成褥段―#2》 ふたたび成都 杜甫<667-#2> 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3810 杜甫詩1000-667-#2-956/1500775
●これまで分割して掲載した詩を一括して掲載・改訂掲載・特集  不遇であった詩人だがきめの細やかな山水詩をかいている
Ⅳブログ漢・唐・宋詞詩集 Fc2ブログ
●●森鴎外の小説『魚玄機』、芸妓で高い評価を受けた『薛濤』の詩。唐時代にここまで率直な詩を書く女性が存在した奇跡の詩。唐から五代詩詞。花間集
Ⅴ.唐五代詞詩・宋詞詩・女性 LiveDoor 13 -1 虞美人六首 其一 顧太尉敻(顧夐【こけい】)五十五首ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-453-13-#1  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3812
  花間集(1) 花間集(2) 花間集(3) 花間集(4) 花間集(5)
           
 ■最近の人気の文・賦・詩・詞(漢詩の5ブログ各部門)
 ■主要詩人の一覧・詩目次・ブログindex
『楚辞・九歌』東君 屈原詩<78-#1>505 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1332http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67664757.html
『楚辞』九辯 第九段―まとめ 宋玉  <00-#35> 664 漢文委員会kanbuniinkai 紀頌之の漢詩ブログ2304  http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10-rihakujoseishi/archives/6471825.html
安世房中歌十七首(1) 唐山夫人 漢詩 http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67710265.html 
為焦仲卿妻作 序 漢詩<143>古詩源 巻三 女性詩http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67729401.html
於凊河見輓船士新婚別妻一首 曹丕(魏文帝) 魏詩http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67759129.html
朔風 (一章) 曹植 魏詩<25-#1>文選雑詩 上 http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67780868.html
謝靈運詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/1901_shareiun000.html 謝靈運詩六朝期の山水詩人。この人の詩は上品ですがすがしい男性的な深みのある詩である。後世に多大な影響を残している。
謝靈運が傲慢で磊落だったというが彼の詩からはそれを感じさせるということは微塵もない。謝靈運、謝朓、孟浩然は好きな詩人である。
登永嘉緑嶂山詩 #1 謝霊運 <20> 詩集 386ーhttp://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67474554.html
登池上樓 #1 謝霊運<25>#1  ー http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67502196.html
孟浩然の詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/209mokonen01.html 孟浩然の詩盛唐初期の詩人であるが謝霊運の詩に傾倒して山水詩人としてとてもきれいな詩を書いている。特に山水画のような病者の中で細やかな部分に動態を感じさせる表現力は素晴らしい。
李商隠詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/3991_rishoin000.html 
李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。
女性詩人 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。
孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
李商隠詩 http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150首
魚玄機の全詩 訳注解説 案内表 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 3816 (02/27)
薛濤の全詩 訳注解説 案内表 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 3811 (02/26)
■ 花間集から
温庭筠66首 花間集1・2巻 皇甫松11首 花間集二巻 韋莊47首 花間集二巻 薛昭蘊19首 花間集三巻 牛嶠31首 花間集三・四巻 張泌27首 花間集四巻
毛文錫31首 花間集5巻 牛希濟11首 花間集5巻 欧陽烱17首 花間集5・6巻 和凝20首 花間集6巻 顧夐56首 花間集6・7巻 孫光憲47首 花間集7・8巻
魏承班15首 花間集8・9巻 鹿虔扆6首 花間集9巻 閻選8首 花間集9巻 尹鶚6首 花間集9巻 毛熙震29首 花間集9・10巻 李珣39首 花間集10巻
『花間集』継続中 
杜甫全詩 韓愈全詩 李白全集 文選 古詩源 花間集

 

廣徳2764-36-2 《太子張舍人遺織成褥段―#2》 ふたたび成都 杜甫<667-#2> 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3810 杜甫詩1000-667-#2-956/1500775

 

 

太子張舍人遺織成褥段#1

(太子舎人張某が「しとね」にする毛織の絨段をくれたことをよんだ詩。広徳二年、成都にあっての作。)#1

客從西北來,遺我翠織成。

シルクロード通過して西北の地方から来たひとりの客が自分に翠色の毛織物をくれた。

開緘風濤湧,中有掉尾鯨。

はこの封緘を開くと風涛が湧きおこり、なかに尾をうごかしている鯨がみえる。

逶迤羅水族,瑣細不足名。

また魚類がうねうねとつづいているがそんな小さなものはとりたてていうほどのこともない。

客雲充君褥,承君終宴榮。

客が云うには、“此の品はあなたの「しとね」にあててください、あなたが宴席のとき始終しいてくださるご光栄を頂きたいものでございます。”

空堂魑魅走,高枕形神清。

“これをおしきになればさびしい座敷でも怪物でさえも逃げ出し、この上は、高枕でおやすみになれば身体も心もすがすがしくなるとおもいます。”と。

#2

領客珍重意,顧我非公卿。

自分はこれに答えていう、「あなたの貴いお心持ちは受け入れるのですが、冷静に顧みて、わたくしは三公九卿、高位の臣ではありません。

留之懼不祥,施之混柴荊。

このようないい物をもら貰うことは身に余るもので、今度は不吉こと起りはしないかと懼れてしますのです。これほどのものをこのあばら家に敷きこんだとしても、他のものとごちゃごちゃにしてしまうことになる。
服飾定尊卑,大哉萬古程。

人の服飾というものはこれによって身分の尊卑をきめるものであり、大切な万古の昔から永久の決まりというべきものです。

今我一賤老,裋褐更無營。

今わたくしは一介のいやしい老人で粗末な毛織のうわチョッキを着て満足しておるもので、ほかに何かを得たいというようなことはないのです。

煌煌珠宮物,寢處禍所嬰。

こんな煌煌とかがやいた竜宮や宮中の品物は、その上に寝たり居たりしては禍にかかることになるでしょう。」

#3

歎息當路子,干戈尚縱橫。掌握有權柄,衣馬自肥輕。

李鼎死岐陽,實以驕貴盈。來瑱賜自盡,氣豪直阻兵。

#4

皆聞黃金多,坐見悔吝生。奈何田舍翁,受此厚貺情。

錦鯨卷還客,始覺心和平。振我粗席塵,愧客茹藜羹。

 

(太子の張舎人織成の褥段【じょくだん】を遺る)

客西北より来たり、我に翠織【すいしょく】成を遺る。

鍼を開けば風涛【ふうとう】湧き、中に掉尾【とうび】の鯨有り。

逶迤【いい】水族羅なり、瑣細【ささい】名いうに足らず。

客は云う君が褥【しとね】に充てて、君が終宴の栄を承けしめん。

空堂 魑魅【ちみ】走り、枕を高くすれば形神しと。』

 

客の珍重なる意を領す、顧【おも】うに我は公卿に非ず。

之を留むるは不祥ならんことを懼れ、之を施せば柴荊【さいけい】に混ず。

服飾は尊卑を定め、大なる哉 万古の程。

今我一賤の老なり、裋褐【じゅかつ】更に営むこと無し。

煌煌たり珠宮の物、寝処するは禍の嬰【かか】る所なり。』

 

嘆息す当路の子、千戈尚お縦横なり。

掌握 権柄【けんぺい】有り、衣馬自ずから肥軽【ひけい】。

李鼎【りてい】 岐陽【きよう】に死するは、実に驕貴【きょうき】盈【み】つるを以てなり。

【らいてん】自尽を賜うは、気豪にして直ちに兵もて阻めばなり。

皆聞く黄金多しと、坐ろに見る悔吝【かいりん】の生ずるを。

奈何ぞ田舎翁、此の厚貺【こうきょう】の情を受けん。』

錦鯨【きんげい】巻きて客に還す、始めて覚ゆ心の和平なるを。

我が粗席の塵を振い 客に藜羹【れいこう】を茄【く】らわしむるに愧ず』

 

8世紀唐と周辺国00 

太子張舍人遺織成褥段』 現代語訳と訳註

(本文)

#2

領客珍重意,顧我非公卿。

留之懼不祥,施之混柴荊。

服飾定尊卑,大哉萬古程。

今我一賤老,裋褐更無營。

煌煌珠宮物,寢處禍所嬰。

 

(下し文)

客の珍重なる意を領す、顧【おも】うに我は公卿に非ず。

之を留むるは不祥ならんことを懼れ、之を施せば柴荊【さいけい】に混ず。

服飾は尊卑を定め、大なる哉 万古の程。

今我一賤の老なり、裋褐【じゅかつ】更に営むこと無し。

煌煌たり珠宮の物、寝処するは禍の嬰【かか】る所なり。』

 

(現代語訳)

自分はこれに答えていう、「あなたの貴いお心持ちは受け入れるのですが、冷静に顧みて、わたくしは三公九卿、高位の臣ではありません。

このようないい物をもら貰うことは身に余るもので、今度は不吉こと起りはしないかと懼れてしますのです。これほどのものをこのあばら家に敷きこんだとしても、他のものとごちゃごちゃにしてしまうことになる。

人の服飾というものはこれによって身分の尊卑をきめるものであり、大切な万古の昔から永久の決まりというべきものです。

今わたくしは一介のいやしい老人で粗末な毛織のうわチョッキを着て満足しておるもので、ほかに何かを得たいというようなことはないのです。

こんな煌煌とかがやいた竜宮や宮中の品物は、その上に寝たり居たりしては禍にかかることになるでしょう。」

江畔独歩尋花 

(訳注) 2

太子張舍人遺織成褥段

(太子舎人張某が「しとね」にする毛織の絨段をくれたことをよんだ詩。広徳二年、成都にあっての作。)

 

領客珍重意,顧我非公卿。

自分はこれに答えていう、「あなたの貴いお心持ちは受け入れるのですが、冷静に顧みて、わたくしは三公九卿、高位の臣ではありません。

○領 うけいれる。

○珍重意 珍重とは珍とし貴重なものであることをいう。

○公卿 三公九卿、高位の臣。

 

留之懼不祥,施之混柴荊。

このようないい物をもら貰うことは身に余るもので、今度は不吉こと起りはしないかと懼れてしますのです。これほどのものをこのあばら家に敷きこんだとしても、他のものとごちゃごちゃにしてしまうことになる。

○留之 之とは樽段をさす、留とはもらって自分の手もとにとめおくこと。

○不祥 不書。

○施之 施とは用いること、敷きこむことをいう、之は褥段。

○混柴荊 柴荊の門庭において他物と混雑することをいう。

 

服飾定尊卑,大哉萬古程。

人の服飾というものはこれによって身分の尊卑をきめるものであり、大切な万古の昔から永久の決まりというべきものです。

○服飾 身につけかざるもの。

○定尊卑 人の身分のとうときといやしきとをきめる。

○万古程 千年万年にわたってかわらぬ「のり」のこと。

 

今我一賤老,裋褐更無營。

今わたくしは一介のいやしい老人で粗末な毛織のうわチョッキを着て満足しておるもので、ほかに何かを得たいというようなことはないのです。

○裋褐 毛で織った粗末な着物の上に着る毛布のような上チョッキ。裋褐の意味や日本語訳。ピンインshùhè((文語文[昔の書き言葉])) 粗末な木綿の服.

○更無営 他に求め為すことがない、それで満足している。

 

煌煌珠宮物,寢處禍所嬰。

こんな煌煌とかがやいた竜宮や宮中の品物は、その上に寝たり居たりしては禍にかかることになるでしょう。」

○煌煌 かがやくさま、「物」へかかる語。

○珠宮「楚辞」にみえる、竜宮のこと、禁中をさしていう。

○寝処 寝たり起きたりその上に居ることをいう。以上は褥段を受けてはならぬことをいう。
成都遂州00