杜甫詩 (11)762年寶應元年 杜甫51歳 浣花渓草堂~蜀中転々 43首


綿州の涪江の東津でやれている。そこでは魴魚がぴちぴちとはね色は銀よりも白くかがやいている。
漁師が舟を川一線にただよわせて大きな網を沈める、そうして水面をたたきよこ一文字に江水をたちきってあみをひくと一ぺんに数百匹の魴がだきこまれる。
網の中にかかった平凡なおおくのさかなはみんなのけてすててしまう。まごいは神力あるかの如くあみからおどりだして飛び出ていってしまう。
淵の奥深い穴に潜んでいる水竜は声をたてずひっこんでいるし、としふけた蛟は魚たちが害せられるのを見て怒っている、吹きまわす風が颯颯として沙や塵をとばしている。
