君をこうした度量の大きい士太夫と看る、だから外部からどんな困辱があろうと、自分を軽んずるようなことをしてはならない。そんな場合は内力を維持し、他日の神変を待つことである。
765年永泰元年54歲-04 《三韻三篇,三首之一》 杜甫index-14 764年 杜甫<804> 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ4750 杜甫詩1500-804-1121/2500765年永泰元年54歲-04
作年:765年永泰元年54歲-
杜少陵集 巻十四
卷別: 卷二二一 文體: 五言古詩
詩題: 三韻三篇,三首之一
杜甫は、厳武の留守中に幕府での仕事中に若い者たちに侮辱されたことを腹に据えかねて、詩を作っている。以下の七首である。
<!--[if !supportLists]-->1. <!--[endif]-->除草
<!--[if !supportLists]-->2. <!--[endif]-->莫相疑行
<!--[if !supportLists]-->3. <!--[endif]-->三韻三篇,三首之一
<!--[if !supportLists]-->4. <!--[endif]-->三韻三篇,三首之二
<!--[if !supportLists]-->5. <!--[endif]-->三韻三篇,三首之三
<!--[if !supportLists]-->6. <!--[endif]-->青絲
7. 赤霄行
三韻三篇,三首之一
(六句三韻の詩が三篇で、其一は、磊落の士とはどういうものか、その心がけをいったもの)
高馬勿唾面,長魚無損鱗。
背丈の高い馬、大宛国産の駿馬にたいして、顔面にむちうってはしらせるということがあってはならない、丈の長い魚に対してその鱗を損なうようなことをしてはならない。
辱馬馬毛焦,困魚魚有神。
誉めて育てる馬に対して侮辱などすると毛色が赤くてもやつれて、つやがなくなるものであるし、魚を困窮させることがあっても魚には不思議な霊力がある。
君看磊落士,不肯易其身。
君をこうした度量の大きい士太夫と看る、だから外部からどんな困辱があろうと、自分を軽んずるようなことをしてはならない。そんな場合は内力を維持し、他日の神変を待つことである。
(三韻三篇,三首の一)
高馬 面を唾【むちう】つこと勿れ,長魚 鱗を損すること無れ。
馬を辱しむれば 馬 毛焦す,魚を困せしむるも 魚 神有り。
君 磊落の士と看ん,肯えて其の身を易【かろがろ】しくせず。
『三韻三篇,三首之一』 現代語訳と訳註
(本文)
三韻三篇,三首之一
高馬勿唾面,長魚無損鱗。
辱馬馬毛焦,困魚魚有神。
君看磊落士,不肯易其身。
(下し文)
(三韻三篇,三首の一)
高馬 面を唾【むちう】つこと勿れ,長魚 鱗を損すること無れ。
馬を辱しむれば 馬 毛焦す,魚を困せしむるも 魚 神有り。
君 磊落の士と看ん,肯えて其の身を易【かろがろ】しくせず。
(現代語訳)
(六句三韻の詩が三篇で、其一は、磊落の士とはどういうものか、その心がけをいったもの)
背丈の高い馬、大宛国産の駿馬にたいして、顔面にむちうってはしらせるということがあってはならない、丈の長い魚に対してその鱗を損なうようなことをしてはならない。
誉めて育てる馬に対して侮辱などすると毛色が赤くてもやつれて、つやがなくなるものであるし、魚を困窮させることがあっても魚には不思議な霊力がある。
君をこうした度量の大きい士太夫と看る、だから外部からどんな困辱があろうと、自分を軽んずるようなことをしてはならない。そんな場合は内力を維持し、他日の神変を待つことである。
(訳注)
三韻三篇,三首之一
(六句三韻の詩が三篇で、其一は、磊落の士とはどういうものか、その心がけをいったもの)
高馬勿唾面,長魚無損鱗。
背丈の高い馬、大宛国産の駿馬にたいして、顔面にむちうってはしらせるということがあってはならない、丈の長い魚に対してその鱗を損なうようなことをしてはならない。
高馬 背丈の高い馬。大宛国産の駿馬。高士に喩える。
長魚 丈の長い魚。思慮深い士にたとえる。
辱馬馬毛焦,困魚魚有神。
誉めて育てる馬に対して侮辱などすると毛色が赤くてもやつれて、つやがなくなるものであるし、魚を困窮させることがあっても魚には不思議な霊力がある。
毛焦 毛色が赤くてもやつれて、つやがなくなるものである。
有神 不思議な霊力がある。
君看磊落士,不肯易其身。
君をこうした度量の大きい士太夫と看る、だから外部からどんな困辱があろうと、自分を軽んずるようなことをしてはならない。そんな場合は内力を維持し、他日の神変を待つことである。