(徵士である常少仙君とまた、たがいに流転し別れることを詠う。)自分はこの秋の一時期病気で寝たので、子供に助けられ、その上、杖をついて歩くことが出来た。

 
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765年永泰元年54-39

 

 

年:765年永泰元年54

卷別:    卷二二九              文體:    五言律詩

詩題:    別常徵君

作地點:              雲安(山南東道 / 夔州 / 雲安)

交遊人物:常少仙             

 

 

別常徵君

(徵士である常少仙君とまた、たがいに流転し別れることを詠う。)

兒扶猶杖策,臥病一秋強。

自分はこの秋の一時期病気で寝たので、子供に助けられ、その上、杖をついて歩くことが出来た。

白髮少新洗,寒衣寬總長。

白髪頭の毛量も少なくなったが新たに洗う、寒さに向けて着る着物は、余って丈が長くなってしまった。

故人憂見及,此別淚相忘。

古いなじみの人はこちらの病気のことを心配してくれるのはありがたいと思う、今度の別れには、涙ながらにながめるばかりで自分が流していることを忘れるほどであるばかりである。

各逐萍流轉,來書細作行。

おたがいが、それぞれ浮草のように移り歩いている身の上であるが、これから後に送ってくださる手紙には、細々したことまで幾行も書いて送ってくださるようにお願いしたい。

 

(常徵君に別る)

兒に扶けられて 猶お策を杖く,病に臥して 一きわ 秋強し。

白髮 少なるも新たに洗う,寒衣 寬にして總て長し。

故人 憂い及ばる,此の別淚 相い忘れん。

各の萍を逐いて流轉し,來書 細やかに行を作さん。

 

巫山十二峰003 

『別常徵君』 現代語訳と訳註

(本文)

別常徵君

兒扶猶杖策,臥病一秋強。

白髮少新洗,寒衣寬總長。

故人憂見及,此別淚相忘。

各逐萍流轉,來書細作行。

 

(下し文)

(常徵君に別る)

兒に扶けられて 猶お策を杖く,病に臥して 一きわ 秋強し。

白髮 少なるも新たに洗う,寒衣 寬にして總て長し。

故人 憂い及ばる,此の別淚 相い忘れん。

各の萍を逐いて流轉し,來書 細やかに行を作さん。

 

(現代語訳)

(徵士である常少仙君とまた、たがいに流転し別れることを詠う。)

自分はこの秋の一時期病気で寝たので、子供に助けられ、その上、杖をついて歩くことが出来た。

白髪頭の毛量も少なくなったが新たに洗う、寒さに向けて着る着物は、余って丈が長くなってしまった。

古いなじみの人はこちらの病気のことを心配してくれるのはありがたいと思う、今度の別れには、涙ながらにながめるばかりで自分が流していることを忘れるほどであるばかりである。

おたがいが、それぞれ浮草のように移り歩いている身の上であるが、これから後に送ってくださる手紙には、細々したことまで幾行も書いて送ってくださるようにお願いしたい。

三峡 巫山十二峰001 

(訳注)

別常徵君

(徵士である常少仙君とまた、たがいに流転し別れることを詠う。)

常徵君 常は姓、處士にして官に召された人を徵士という、君は敬語。隠遁しているころの呼び名を常少仙という。 

山南東道夔州 雲安で、765年永泰元年54、秋から冬にかけての作。

 

兒扶猶杖策,臥病一秋強。

自分はこの秋の一時期病気で寝たので、子供に助けられ、その上、杖をついて歩くことが出来た。

 

白髮少新洗,寒衣寬總長。

白髪頭の毛量も少なくなったが新たに洗う、寒さに向けて着る着物は、余って丈が長くなってしまった。

 

故人憂見及,此別淚相忘。

古いなじみの人はこちらの病気のことを心配してくれるのはありがたいと思う、今度の別れには、涙ながらにながめるばかりで自分が流していることを忘れるほどであるばかりである。

故人 古いなじみの人。杜甫の持病のことを知ってくれている友人。

憂見及 こちらの病気のことを心配してくれる。

淚相忘 涙ながらにながめるばかりで自分が流していることを忘れるほどである

 

各逐萍流轉,來書細作行。

おたがいが、それぞれ浮草のように移り歩いている身の上であるが、これから後に送ってくださる手紙には、細々したことまで幾行も書いて送ってくださるようにお願いしたい。

各逐 おたがいが、それぞれが追われるようにして、~する。

 浮草。

來書 これから後に送ってくださる手紙

細作行 々したことまで幾行も書くこと。
巫山十二峰002