杜甫《客居 -#5》堯舜の時代の稷と契のような賢臣であれば仕事をするのになんら難しいことはないのだが、犬戎のような異民族の輩に、どうしてあんなにも容易く併呑されなければならないのであろうか。

 
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 杜甫詩(7)759年;乾元二年、48歳 秦州抒情詩 66首杜甫詩(8)作時759年、48歳 秦州発、同谷紀行、成都紀行 36首杜甫詩(9)760年;上元元年、49歳 成都浣花渓草堂 45首杜甫詩(10)761年;上元二年、50歳 成都浣花渓草堂 82首杜甫詩(11)762年寶應元年 杜甫51歳  浣花渓草堂~蜀中転々 43首杜甫詩(12)762年寶應元年 杜甫51歳 蜀中転々 49首 
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766年大暦元年55-3-5 《客居 -#5》 杜甫index-15 杜甫<866ー#5> 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ5125 杜甫詩1500-866ー#5-1196/2500766年大暦元年55-3-5

 

 

年:766年大曆元年55

卷別:    卷二二一              文體:    五言古詩

詩題:    客居

作地點:              雲安(山南東道 / 夔州 / 雲安)

 

 

客居#1

(雲安の寓居において、思いつくことを述べたもの)

客居所居堂,前江後山根。

旅の途中で持病の療養をするために雲安の寓居を居室としたが、その家の前は長江の流れがあり、後ろは、山の根元に建っている。

下塹萬尋岸,蒼濤鬱飛翻。

すぐ下には運河堀があり、一万尋の崖があり、本流には深緑の大波が断ち、盛んに翻っている。

蔥青眾木梢,邪豎雜石痕。

青青と盛んに繁り、おおくのこずえにはがしげっている。よこたてななめに石痕が入り混じっているのだ。

子規晝夜啼,壯士斂精魂。

ホトトギスが昼も夜も泣いているし、この泣き声を聞いていると、どんなに勇壮な武士であっても、その意気盛んな精魂を次第に失っていくのである。

(客居)

客居は居る所の堂,前には江 後には山根。

下塹は 萬尋の岸,蒼濤は鬱として飛翻す。

蔥青なり 眾木の梢,邪豎【じゃじゅ】石痕雜わる。

子規 晝夜啼く,壯士 精魂を斂【おさ】む。

 

#2

峽開四千里,水合數百源。

三峡を下ってからでも海洋まで4000里もあるし、数百の河川支流、源流があつまってながれるのである。

人虎相半居,相傷終兩存。

人と虎とが半分半分に棲んでいるのであるが、互いに傷害せしめながらも両方とも一緒に生存している。

蜀麻久不來,鹽擁荊門。

近頃、上流から蜀の麻が久しく来ず、下流では呉の塩が荊門の辺りで止められている。

西南失大將,商旅自星奔。

都の西南にある成都では大将(郭英乂)を失ったので、商人旅人は自然にみだれて逃げる。

峽は開く 四千里,水は合す 數百源。

人虎 相い半ばして居る,相い傷みても終に兩存す。

蜀麻 久しく來らず,鹽【ごえん】荊門を擁せらる。

西南 大將を失う,商旅 自ら星奔す。

 

#3

今又降元戎,已聞動行軒。

今、また元帥の杜鴻漸が成都に遣わされたというし、既に馬車が出発ということを聞いた。

舟子候利涉,亦憑節制尊。

舟人らは都合よく長江を行き交うことが出来ているだろうか、あるいはまた、これができれば、この事は軍権を尊くしていることによるものである。

我在路中央,生理不得論。

自分は今荊州に行く旅の途中であるが、暮らし向きの事は相変わらず安心できる方法が得られてはいない。

臥愁病廢,徐步視小園。

病気療養で寝たきりだと、足が役に立たくなることを心配していて、そろそろ歩むことを小さい中庭を眺めることにするのである。

#3

今 又た元戎を降す,已に聞く「行軒を動かす。」と。

舟子 利涉を候【うかが】う,亦た憑る 節制の尊。

我 路の中央に在り,生理 論ずるを得ず。

臥して愁う 病 廢するを,徐步して 小園を視る。

 

#4

短畦帶碧草,悵望思王孫。

そこには短いあぜ道があり、緑の草が帯状に満ちの両脇に生えていて、王孫が朝廷の参列の中を歩いて行くように思えてならない。

鳳隨其皇去,籬雀暮喧繁。

王孫ばかりではなく私ら夫婦も鳳に凰が随行して都を去っていったし、しかも、そこに、籬の雀がピーチクパーチク喧しく囀っている。

覽物想故國,十年別荒村。

成都を去ってからは見るもの聞くもの、すべて故郷を思い出すことばかり、もうかれこれ十年にもなり、荒れた我が村と分かれているのだ。

日暮歸幾翼,北林空自昏。

日暮れれば幾羽の鳥たちは塒に帰るものだ。ここの庭の北林の空しさを見るにつけ、自分の故郷の空しさ暗さを思うのである。

短畦 碧草を帶び,悵望 王孫を思う。

鳳 其の皇を隨えて去り,籬雀 暮に喧繁なり。

物を覽て故國を想い,十年 荒村に別る。

日暮 幾翼か歸り,北林 空しく自ら昏し。

 

#5

安得覆八溟,為君洗乾坤。

どうしたら、八方の大海の水をひっくり返して、わが君のために天と地を洗い清めることができるのだろう。

稷契易為力,犬戎何足吞。

堯舜の時代の稷と契のような賢臣であれば仕事をするのになんら難しいことはないのだが、犬戎のような異民族の輩に、どうしてあんなにも容易く併呑されなければならないのであろうか。

儒生老無成,臣子憂四番。

儒者を自認している自分としては江と詩を採って何もできなくなっていることが悔しいのだし、今となっては、家臣であったひとりとして、四方の国境の守りを心配するだけなのだ。

篋中有舊筆,情至時復援。

だからこうして、いま、自分が湧いてきた感情を著すために、篋に収めた使い古しの筆を出して述べているのである。

安んぞ得ん 八溟を覆し,君が為に 乾坤を洗うことを。

稷契は力を為し易し,犬戎 何ぞ吞むに足らん。

儒生 老いて成る無し,臣子 四番を憂う。

篋中 舊筆有り,情 至りて 時に復た援く。

 

 

『客居』 現代語訳と訳註解説

(本文) #5

安得覆八溟,為君洗乾坤。

稷契易為力,犬戎何足吞。

儒生老無成,臣子憂四番。

篋中有舊筆,情至時復援。

 

(下し文) #5

安んぞ得ん 八溟を覆し,君が為に 乾坤を洗うことを。

稷契は力を為し易し,犬戎 何ぞ吞むに足らん。

儒生 老いて成る無し,臣子 四番を憂う。

篋中 舊筆有り,情 至りて 時に復た援く。

 

(現代語訳)

どうしたら、八方の大海の水をひっくり返して、わが君のために天と地を洗い清めることができるのだろう。

堯舜の時代の稷と契のような賢臣であれば仕事をするのになんら難しいことはないのだが、犬戎のような異民族の輩に、どうしてあんなにも容易く併呑されなければならないのであろうか。

儒者を自認している自分としては江と詩を採って何もできなくなっていることが悔しいのだし、今となっては、家臣であったひとりとして、四方の国境の守りを心配するだけなのだ。

だからこうして、いま、自分が湧いてきた感情を著すために、篋に収めた使い古しの筆を出して述べているのである。

安史の乱当時の勢力図 

(訳注) #5

客居

(雲安の寓居において、思いつくことを述べたもの)

766年大曆元年55の三月頃の作。

 

安得覆八溟,為君洗乾坤。

どうしたら、八方の大海の水をひっくり返して、わが君のために天と地を洗い清めることができるのだろう。

為君洗乾坤 わが君のために天と地を洗い清めることができる。杜甫は、758年房琯弁護の発言ではっきりしたように天子を取り巻く奸臣(賀蘭進明・第五琦)と宦官とを一掃しないといけないと思っている。これらについては

757年至徳二載 《乾元元年華州試進士策問五首 (23) 全体》 杜甫<1509-T 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ4340 杜甫詩1500/2500

756年至徳元から二載 《杜甫と房琯房琯関連 1-(1) 杜甫index-5 756年房琯関連 1-(1) 杜甫<1601-1 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ4345 杜甫詩1500-1601-1-1040/2500

758年至徳二載 《奉謝口敕放三司推問狀 房琯関連 1-(9) 杜甫index-14 764 房琯関連 1-(9) 杜甫<1502-9 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ4385 杜甫詩1500-1502-9-1048/2500

等には詳しく述べている。

 

稷契易為力,犬戎何足吞。

堯舜の時代の稷と契のような賢臣であれば仕事をするのになんら難しいことはないのだが、犬戎のような異民族の輩に、どうしてあんなにも容易く併呑されなければならないのであろうか。

稷契(稷 堯舜に仕えた稷と(契)、二人の名臣で、稷は農業をつかさどり、契は教育をつかさどった。

乾元元年758 《乾元元年華州試進士策問五首 (18) Q-5-#5 杜甫 <1509-18 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ4315 杜甫詩1500-1509-18-1034/2500index-21

犬戎何足吞 このころ、回紇、吐蕃、南韶、等、唐を取り巻く外敵から侵略されている。

 

儒生老無成,臣子憂四番。

儒者を自認している自分としては江と詩を採って何もできなくなっていることが悔しいのだし、今となっては、家臣であったひとりとして、四方の国境の守りを心配するだけなのだ。

憂四番 四方の国境の守りを心配する。番は防御する。籬。つまり、国境の守りを心配する。

 

篋中有舊筆,情至時復援。

だからこうして、いま、自分が湧いてきた感情を著すために、篋に収めた使い古しの筆を出して述べているのである。

情至 感情の生じた時。

援【ひ】く 筆を持ってかくこと。
三者の思惑が合致