杜甫 奉節-9 《1527 火 -1(雨乞いのための山火事についてのべた詩。)春、杜甫が菱州に来てすぐに種まきをしたけれど、旱魃に遭い困ってこの詩を作った。 〔ここ楚の地に伝説があり、それは大旱魃の雨乞いの儀式には、やまを焼き、太鼓を敲くけれど、古代の神農の書に有り、それと合致するものである。〕

 
 2014年12月18日の紀頌之5つのブログ 
 ●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩六朝謝朓・庾信 後世に多大影響を揚雄・司馬相如・潘岳・王粲.鮑照らの「賦」、その後に李白再登場 
 Ⅰ李白と李白に影響を与えた詩
 
LiveDoorブログ
151 《卷20-11 登新平樓》Index-10 Ⅱ―5-730年開元十八年30歳 <151> Ⅰ李白詩1347 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ5283 
 孟浩然 詩 index李白詩index謝霊運 詩 index司馬相如 《 子虛賦 ・上林賦 》揚雄 《 甘泉賦 》 ●諸葛亮(孔明)出師表 
 曹植(曹子建)詩 65首 index文選 賦)兩都賦序・西都賦・東都賦 (班固)《李白 全詩》
  総合案内
(1)漁父辞 屈原『楚辞・九歌』東君 屈原《楚辞 『九辯』》 宋玉  <案内> 
 ●唐を代表する 中唐 韓愈 全500首  
 Ⅱ中唐詩・晩唐詩
  LiveDoorブログ
29-§3-1 《讀巻03-12 答崔立之書 -(6)§3-1》韓愈(韓退之)ID 798年貞元14年 31歳<1260> Ⅱ 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ5284 
 ・李商隠詩 (1) 136首の75首・李商隠詩 (2) 135首の61首●韓愈index-1 ・孟郊、張籍と交遊・汴州乱41首●韓愈詩index-2[800年 33歳~804年 37歳]27首●韓愈詩index-3 805年 38歳・]陽山から江陵府 36首●韓愈詩index-4 806年 39歳 江陵府・権知国子博士 51首(1)25首 
 index-5 806年39歳 50首の(2)25首index-6[807年~809年 42歳]20首index-7[810年~811年 44歳] 34首index-8 [812年~814年47歳]46首index-9[815年~816年 49歳] 57首index-10[817年~818年 51歳]・「平淮西碑」28首 
 index-11 819年 52歳 ・『論佛骨表』左遷 38首index-12 820年 53歳 ・9月國子祭酒に。18首index-13 821年~822年 55歳 22首index-14 823年~824年 57歳・病気のため退職。没す。 14首韓愈 哲学・儒学「五原」賦・散文・上奏文・碑文など 
 孟郊張籍     
 ●杜甫の全作品1500首を取り上げて訳注解説 ●理想の地を求めて旅をする。" 
 Ⅲ杜甫詩全1500首   LiveDoorブログ766年大暦元年55歲-17-1奉節-9《巻15-27 火 -1》 杜甫index-15 杜甫<880> 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ5285 
 杜甫詩(1)736~751年 青年期・李白と交遊期・就活の詩 53首杜甫詩(2)752年~754年、43歳 73首(青年期・就活の詩) 杜甫詩(3)755年~756年、45歳 安史の乱に彷徨う 26首杜甫詩(4)作時757年、46歳 安史軍捕縛、脱出、左拾遺 43首杜甫詩(5)758年;乾元元年、47歳 左拾遺、朝廷疎外、左遷 53首杜甫詩 (6)759年;乾元二年、48歳 三吏三別 官を辞す 44首 
 杜甫詩(7)759年;乾元二年、48歳 秦州抒情詩 66首杜甫詩(8)作時759年、48歳 秦州発、同谷紀行、成都紀行 36首杜甫詩(9)760年;上元元年、49歳 成都浣花渓草堂 45首杜甫詩(10)761年;上元二年、50歳 成都浣花渓草堂 82首杜甫詩(11)762年寶應元年 杜甫51歳  浣花渓草堂~蜀中転々 43首杜甫詩(12)762年寶應元年 杜甫51歳 蜀中転々 49首 
 ●これまで分割して掲載した詩を一括して掲載・改訂掲載・特集  不遇であった詩人だがきめの細やかな山水詩をかいている 
 Ⅳブログ漢・唐・宋詞詩集 Fc2ブログ 
        
 ●花間集全詩●森鴎外の小説『魚玄機』、芸妓で高い評価を受けた『薛濤』の詩。唐時代にここまで率直な詩を書く女性が存在した奇跡の詩。唐から五代詩詞。花間集 
 Ⅴ.唐五代詞詩・宋詞詩・女性 LiveDoor『花間集』全詩訳注解説(改訂)-1溫庭筠18《更漏子六首其四》溫庭筠66首巻一18-〈18〉漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ-5287 
 薛濤の全詩花間集(1)花間集(2)花間集(3)花間集(4)花間集(5) 
 魚玄機全詩●花間集(6)●花間集(7)●花間集(8)●花間集(9)●花間集(10) 
 温庭筠66首 花間集1・2巻皇甫松11首 花間集二巻韋莊47首 花間集二巻薛昭蘊19首 花間集三巻牛嶠31首 花間集三・四巻張泌27首 花間集四巻 
 毛文錫31首 花間集5巻牛希濟11首 花間集5巻欧陽烱17首 花間集5・6巻和凝20首 花間集6巻顧夐56首 花間集6・7巻孫光憲47首 花間集7・8巻 
 魏承班15首 花間集8・9巻鹿虔扆6首 花間集9巻閻選8首 花間集9巻尹鶚6首 花間集9巻毛熙震29首 花間集9・10巻李珣39首 花間集10巻 
  ■最近Best5 賦・詩・詞(漢詩4ブログ各部門)漢詩総合サイト 07ch 
 杜甫全詩案内韓愈全詩案内李白全集文選古詩源花間集案内 
 


766年大暦元年55-17-1奉節-9 《1527火 -1 杜甫index-15 杜甫<880 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ5285 杜甫詩1500-880-1228/2500766年大暦元年55-17-1

 

 

年:766年大暦元年55-17首目

卷別:    卷二二一              文體:    五言古詩

奉節-9 《巻15-27 火 -1

詩題:   

作地點:              夔州(山南東道 / 夔州 / 夔州)

 

 


(雨乞いのための山火事についてのべた詩。)春、杜甫が菱州に来てすぐに種まきをしたけれど、旱魃に遭い困ってこの詩を作った。

〔楚俗。大旱則樊山撃鼓。有合神農書。〕

 〔ここ楚の地に伝説があり、それは大旱魃の雨乞いの儀式には、やまを焼き、太鼓を敲くけれど、古代の神農の書に有り、それと合致するものである。〕

楚山經月火,大旱則斯舉。

この地方では干ばつの雨乞いに、一月以上にもわたって山に火をつけることがあるが、それは旱魃が非常な場合にはじめて行はれるということである。

舊俗燒蛟龍,驚惶致雷雨。

これまでの俗説によると蛟龍を焼くとそれが驚きおそれて雷雨をまねきよせることができるというのである。

爆嵌魑魅泣,崩凍嵐陰昈。

谷間の雲の湧きでる巌穴のあるところで火をおこすから魅魅の類が泣くし、雲を生じることになる。いままでは凍りついて水が滴り落ちなかったが、焼かれたことでそれが崩れ、嵐も陰ったところもあかあかとあかるくなるから、水になり雨となるというのだ。

羅落沸百泓,根源皆萬古。

火がぐるりと取り巻いてしまうと、太古からそこに水を敲経ている、さまざまの水たまりから湧き上がり、雨降らしの雲になるのだ。

#2

青林一灰燼,雲氣無處所。

入夜殊赫然,新秋照牛女。

風吹巨燄作,河櫂騰煙柱。

勢欲焚崑崙,光彌焮洲渚。

腥至焦長蛇,聲吼纏猛虎。

#3

神物已高飛,不見石與土。

爾寧要謗讟,憑此近熒侮。

薄關長吏憂,甚昧至精主。

遠遷誰撲滅,將恐及環堵。

流汗臥江亭,更深氣如縷。

 

(火)

 〔楚の俗あり。大旱 則ち樊山して 撃鼓す。神農の書に合する有り。〕

楚山 經月の火、大旱には則ち斯に舉ぐ。

舊俗 蛟龍を燒き,惶を驚かせて雷雨に致る。

嵌を爆すれば魑魅泣き,凍を崩して嵐陰 昈【あきら】かなり。

羅落せらて 百泓を沸かし,根源 皆 萬古よりす。

#2

青林 一に灰燼となり,雲氣 處所無し。

夜に入りて 殊に赫然たり,新秋 牛女を照らす。

風吹いて巨燄【きょえん】作【おこ】り,河櫂まで 煙柱騰がる。

勢いは崑崙を焚かんと欲し,光 彌【いよい】よ 洲渚を焮【あぶ】る。

腥【せい】至りて 長蛇を焦し,聲吼えて猛虎に纏う。

#3

神物已高飛,不見石與土。

爾寧要謗讟,憑此近熒侮。

薄關長吏憂,甚昧至精主。

遠遷誰撲滅,將恐及環堵。

流汗臥江亭,更深氣如縷。

sas0011 

 

『火』 現代語訳と訳註解説

(本文)


楚山經月火,大旱則斯舉。

舊俗燒蛟龍,驚惶致雷雨。

爆嵌魑魅泣,崩凍嵐陰昈。

羅落沸百泓,根源皆萬古。

 

(下し文)

(火)

 〔楚の俗あり。大旱 則ち樊山して 撃鼓す。神農の書に合する有り。〕

楚山 經月の火、大旱には則ち斯に舉ぐ。

舊俗 蛟龍を燒き,惶を驚かせて雷雨に致る。

嵌を爆すれば魑魅泣き,凍を崩して嵐陰 昈【あきら】かなり。

羅落せらて 百泓を沸かし,根源 皆 萬古よりす。

 

(現代語訳)

(雨乞いのための山火事についてのべた詩。)春、杜甫が菱州に来てすぐに種まきをしたけれど、旱魃に遭い困ってこの詩を作った。

 〔ここ楚の地に伝説があり、それは大旱魃の雨乞いの儀式には、やまを焼き、太鼓を敲くけれど、古代の神農の書に有り、それと合致するものである。〕

この地方では干ばつの雨乞いに、一月以上にもわたって山に火をつけることがあるが、それは旱魃が非常な場合にはじめて行はれるということである。

これまでの俗説によると蛟龍を焼くとそれが驚きおそれて雷雨をまねきよせることができるというのである。

谷間の雲の湧きでる巌穴のあるところで火をおこすから魅魅の類が泣くし、雲を生じることになる。いままでは凍りついて水が滴り落ちなかったが、焼かれたことでそれが崩れ、嵐も陰ったところもあかあかとあかるくなるから、水になり雨となるというのだ。

火がぐるりと取り巻いてしまうと、太古からそこに水を敲経ている、さまざまの水たまりから湧き上がり、雨降らしの雲になるのだ。

夔州東川卜居図001 

(訳注)


(雨乞いのための山火事についてのべた詩。)春、杜甫が菱州に来てすぐに種まきをしたけれど、旱魃に遭い困ってこの詩を作った。

 〔楚俗。大旱則樊山撃鼓。有合神農書。〕

 〔ここ楚の地に伝説があり、それは大旱魃の雨乞いの儀式には、やまを焼き、太鼓を敲くけれど、古代の神農の書に有り、それと合致するものである。〕

神農書

「水経注」によるに廣渓峡(即ち瞿塘峡のこと)の北岸山上に神淵あり、淵北に白鹽崖あり、高さ千余丈ばかり、俯して神淵に臨む。天旱すれば火を岸上に燃し、其の灰燼を推して下神淵を穢すときは則ち雨を降らすといえり。蓋し神淵の周囲の山を焚くなり。大暦元年秋の初、夔州にての作。

杜甫《雷》「封必舞雩,峽中喧擊鼓。」(封は必ず舞雩【ぶう】し,峽中は擊鼓を喧しとす。

擊鼓 雨乞いのために太鼓を打ち鳴らす。「神農禱雨書」・《神農求雨書》曰:春甲乙不雨,東爲青龍,又爲大龍,東方老人舞之,壬癸雨。 又曰:北如此不雨,命巫祝雨,曝之不雨,禱山神,積薪其旁,擊鼓而焚之。

 

 

杜甫は夔州到着後まもなく、ある畑を確保して自家用のための野菜を作ろうとした。しかしその夏は日照りが続き、当初の思惑ははずれてしまった。秋になると豪雨が襲ったりもしたが、いい雨も降り、野菜はある程度順調にそだった。そういう中で住家の軒先に萵苣を作ったりもしたが、それはみごと失敗に終わった。

 

 夔州一年目、大暦元年の夏は異常な旱魃続きだった。

そのことは杜甫の《雷》《火》《熱三首》《毒熱寄簡崔評事十六弟》などの詩に連続して描かれている。雨乞いのため当地独特の風習も行われたが、旱魃は三ヶ月あまりの長きに及んだ。そのことは《七月三日亭午已後較熱退晚,加小涼穩睡有詩,因論壯年樂事,戲呈元二十一曹長》の詩に、

  閉目踰十旬、 目を閉ずること十旬を踰ゆるも

  大江不止渇。 大江もこの渇()るるを止(とど)めず

とあることからわかる。目も開けられぬほどの旱天が十旬、つまり百日も続き、長江の大河の流れでさえ、この天気枯渇の状態は止めることができなかったという。

 一年目の夏の《雷》の詩によれば、そんな思いがけない大旱のなかで、杜甫の野菜作りの目論見はすっかり当てが外れてしまった。

 

 

楚山經月火,大旱則斯舉。

この地方では干ばつの雨乞いに、一月以上にもわたって山に火をつけることがあるが、それは旱魃が非常な場合にはじめて行はれるということである。

楚山 夔州の山。

 

舊俗燒蛟龍,驚惶致雷雨。

これまでの俗説によると蛟龍を焼くとそれが驚きおそれて雷雨をまねきよせることができるというのである。

驚惶 蛟龍が懼れ驚くこと。

 

爆嵌魑魅泣,崩凍嵐陰昈。

谷間の雲の湧きでる巌穴のあるところで火をおこすから魅魅の類が泣くし、雲を生じることになる。いままでは凍りついて水が滴り落ちなかったが、焼かれたことでそれが崩れ、嵐も陰ったところもあかあかとあかるくなるから、水になり雨となるというのだ。

爆嵌魑魅泣 いわやの洞窟の中から雲を生じると考えられていたので、その洞窟の前でいぶすように火を焚くことで雨の雲を呼ぶということ。その洞窟に魑魅魍魎が棲んでいていぶされて泣くことで、起きだし雲を湧かせるということになる。

崩凍 地底で凍ったままだと雲が湧いてこないので火で焼けばとける。それが雲となる。

嵐陰 嵐は山の気で、陰はくも。

昈 火の手が空を染めること。

 

羅落沸百泓,根源皆萬古。

火がぐるりと取り巻いてしまうと、太古からそこに水を敲経ている、さまざまの水たまりから湧き上がり、雨降らしの雲になるのだ。

羅落 日の勢いが周りを包み込むこと。

沸百泓 凍っていたものが溶け、百の水たまりになり、その水が沸騰する。