杜甫 漫成一絕
江月去人只數尺,風燈照夜欲三更。
沙頭宿鷺聯拳靜,船尾跳魚撥刺鳴。
(雲安より夔州に向って長江を下る際にどこかで舟を停泊した際に詠んだ詩。)長江に臨んだ月が舟の人々からわずか数尺程度、離れたぐらいに見え、風にあおられてゆれる燈火は夜の暗がりを照らしてもう夜中の三更を過ぎようとしている。砂浜の川べりに鷺が宿していて、その姿は、静かにこぶしを並べているかのようだ、船尾の方向に魚が飛び跳ね、ぴちゃっという音が鳴った。
766年-64杜甫 《1503漫成一絕【漫成】》七言絶句 杜甫詩index-15-766年大暦元年55歲-64 <928> 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ6270
杜甫詩1500-928-1425/2500
年:766年大暦元年55歲
卷別: 卷二二九 文體: 七言絕句
詩題: 漫成一絕【漫成】
漫成一絕
(雲安より夔州に向って長江を下る際にどこかで舟を停泊した際に詠んだ詩。)
江月去人只數尺,風燈照夜欲三更。
長江に臨んだ月が舟の人々からわずか数尺程度、離れたぐらいに見え、風にあおられてゆれる燈火は夜の暗がりを照らしてもう夜中の三更を過ぎようとしている。
沙頭宿鷺聯拳靜,船尾跳魚撥刺鳴。
砂浜の川べりに鷺が宿していて、その姿は、静かにこぶしを並べているかのようだ、船尾の方向に魚が飛び跳ね、ぴちゃっという音が鳴った。
(漫成一絕)
江月 人を去ること 只 數尺,風燈 夜を照らして三更ならんと欲す。
沙頭の宿鷺は 聯拳 靜に,船尾の跳魚は 撥刺として鳴る。
『漫成一絕』 現代語訳と訳註解説
(本文)
漫成一絕
江月去人只數尺,風燈照夜欲三更。
沙頭宿鷺聯拳靜,船尾跳魚撥刺鳴。
江月去人只數尺,風燈照夜欲三更。
沙頭宿鷺聯拳靜【沙頭宿鷺聯拳起】,船尾跳魚撥刺鳴【船尾跳魚跋鳴刺】【船尾跳魚潑鳴刺】。
(下し文)
(漫成一絕)
江月 人を去ること 只 數尺,風燈 夜を照らして三更ならんと欲す。
沙頭の宿鷺は 聯拳 靜に,船尾の跳魚は 撥刺として鳴る。
(現代語訳)
(雲安より夔州に向って長江を下る際にどこかで舟を停泊した際に詠んだ詩。)
長江に臨んだ月が舟の人々からわずか数尺程度、離れたぐらいに見え、風にあおられてゆれる燈火は夜の暗がりを照らしてもう夜中の三更を過ぎようとしている。
砂浜の川べりに鷺が宿していて、その姿は、静かにこぶしを並べているかのようだ、船尾の方向に魚が飛び跳ね、ぴちゃっという音が鳴った。
(訳注)
漫成一絕
(雲安より夔州に向って長江を下る際にどこかで舟を停泊した際に詠んだ詩。)
○漫成 自分の近況を何気ない生活を誰かに知らせるために作る。
上元二年春成都浣花渓の草堂に居ったときのそぞろにふとできあがった詩である。作。
漫成二首其一
野日荒荒白,春流泯泯清。渚蒲隨地有,村徑逐門成。
只作披衣慣,常從漉酒生。眼邊無俗物。多病也身輕。
漫成二首其二
江皋已仲春,花下複清晨。仰面貪看鳥,回頭錯應人。
讀書難字過,對酒滿壺頻。近識峨眉老,知予懶是真。
漫成二首其一 杜甫 成都(4部)浣花渓の草堂(4 - 6) 杜甫 <411> 五言律詩 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2000 杜甫詩1000-411-594/1500
漫成二首其二 杜甫 成都(4部)浣花渓の草堂(4 - 7) 杜甫 <412> 五言律詩 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2005 杜甫詩1000-412-595/1500
江月去人只數尺,風燈照夜欲三更。
長江に臨んだ月が舟の人々からわずか数尺程度、離れたぐらいに見え、風にあおられてゆれる燈火は夜の暗がりを照らしてもう夜中の三更を過ぎようとしている。
○江月 長江下流側から上がって來る月。水面から上がって、対象物がなく遠近感がわからず近くに見える。
○去人 成都を去り、また雲安を後にしているのでこういう。
○三更 夜を五等分いていうので、三更は真夜中。
沙頭宿鷺聯拳靜,船尾跳魚撥刺鳴。
砂浜の川べりに鷺が宿していて、その姿は、静かにこぶしを並べているかのようだ、船尾の方向に魚が飛び跳ね、ぴちゃっという音が鳴った。
○聯拳靜 鷺が砂浜で寝ている姿をいう。こぶしを並べたようだというのである。