杜甫  移居夔州郭  

伏枕雲安縣,遷居白帝城。春知催柳別,江與放船清。

農事聞人,山光見鳥情。禹功饒斷石,且就土微平。
(晩春になって雲安から引き移って夔州城郭に行こうとした時に作った詩)自分は雲安縣で病の枕に伏していたが、こんど夔州の白帝城の方へ住居をうつそうとおもう。春景色は柳の芽をださせて別れの記念物をつくらせるようにしてかることがわかるし、江の水も自分の船出のために清んでくれている様だ。夔州では、農事ができると人の話に聞くし、山には太陽がさんさんと照り、さだめし鳥がよろこんで棲んでいるというこころもちをうかがうことができるだろう。

 

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杜甫詩1500-931-2-1429/2500

年:766年大暦元年55

卷 別:              卷二二九              文體:    五言律詩

詩 題:              移居夔州郭

作地點:              目前尚無資料

及地點:              夔州 (山南東道 夔州 夔州) 別名:夔府、信州             

雲安 (山南東道 夔州 雲安) 別名:南楚        

白帝城 (山南東道 夔州 奉節) 別名:白帝、白帝樓、公孫城     

 

 

移居州郭

(晩春になって雲安から引き移って夔州城郭に行こうとした時に作った詩)

伏枕雲安縣,遷居白帝城。

自分は雲安縣で病の枕に伏していたが、こんど夔州の白帝城の方へ住居をうつそうとおもう。

春知催柳別,江與放船清。

春景色は柳の芽をださせて別れの記念物をつくらせるようにしてかることがわかるし、江の水も自分の船出のために清んでくれている様だ。

農事聞人山光見鳥情。

夔州では、農事ができると人の話に聞くし、山には太陽がさんさんと照り、さだめし鳥がよろこんで棲んでいるというこころもちをうかがうことができるだろう。

禹功饒斷石,且就土微平。

峡中では禹の疏鑿のおかげで、きれぎれの石が多いので困るが、これからまず、少し平らな地面のあるところへ寄り付こうと思うのである。

 

(居をに移さん)

枕に伏す 雲安縣,居を遷す 白帝城。

春は知る柳を催して別れしむるを、,江は放船を與【ため】にして清し。

農事 人のくを聞く山光 鳥情を見る。

禹功 斷石饒し,且く就かん 土の微平なるに。

 

夔州東川卜居図詳細 001 

『移居夔州郭』 現代語訳と訳註解説
(
本文)

移居夔州郭

伏枕雲安縣,遷居白帝城。

春知催柳別,江與放船清。

農事聞人,山光見鳥情。

禹功饒斷石,且就土微平。
(含異文)

移居夔州郭

伏枕雲安縣,遷居白帝城。

春知催柳別,江與放船清【江已放船清】。

農事聞人,山光見鳥情。

禹功饒斷石,且就土微平。


(下し文)
(居を夔州に移さん)

枕に伏す 雲安縣,居を遷す 白帝城。

春は知る柳を催して別れしむるを、,江は放船を與【ため】にして清し。

農事 人のくを聞く,山光 鳥情を見る。

禹功 斷石饒し,且く就かん 土の微平なるに。

(現代語訳)
(晩春になって雲安から引き移って夔州城郭に行こうとした時に作った詩)

自分は雲安縣で病の枕に伏していたが、こんど夔州の白帝城の方へ住居をうつそうとおもう。

春景色は柳の芽をださせて別れの記念物をつくらせるようにしてかることがわかるし、江の水も自分の船出のために清んでくれている様だ。

夔州では、農事ができると人の話に聞くし、山には太陽がさんさんと照り、さだめし鳥がよろこんで棲んでいるというこころもちをうかがうことができるだろう。

峡中では禹の疏鑿のおかげで、きれぎれの石が多いので困るが、これからまず、少し平らな地面のあるところへ寄り付こうと思うのである。


(訳注)

移居夔州郭

(晩春になって雲安から引き移って夔州城郭に行こうとした時に作った詩)

大暦元年春晩、雲安にての作。

移居 居場所を移す。

 

伏枕雲安縣,遷居白帝城。

自分は雲安縣で病の枕に伏していたが、こんど夔州の白帝城の方へ住居をうつそうとおもう。

白帝城 山南東道 夔州 奉節県の長江三峡に位置する地名。別名として、白帝、白帝樓、公孫城という。かつて新末後漢初の群雄公孫述がこの地に築いた城が白帝城と呼ばれたことが由来。永安宮ともいう。 三国時代、蜀の建国者劉備が夷陵の戦いで呉に敗れ、逃れたのが白帝城。劉備は後事を諸葛亮に託し、この城で没した。

 

春知催柳別,江與放船清。

春景色は柳の芽をださせて別れの記念物をつくらせるようにしてかることがわかるし、江の水も自分の船出のために清んでくれている様だ。

催柳別 柳が緑に色づいてくるのを見ると、別れの折楊柳を人に催させるということ。早春の寒食や清明などの節日には,家々では競って柳の枝を買って門や軒端に挿し,あるいは枝を髪に結んだり輪にして頭にいただいたりした。これに類するのが〈折楊柳〉の習俗で,親戚知友が遠方に旅立つときには,城外まで見送り,水辺の柳の枝を折り取り環(わ)の形に結んで贈った。〈環〉は〈還〉で,旅人の無事帰還を祈る意味とされているが,実際には日本の魂(たま)むすびの古俗と同じく,旅人が旅に疲れて魂を失散させないよう,しっかりとつなぎとめる意味であった。

 ために。

放船 船を長江の流れに放ちだす。

 

農事聞人山光見鳥情。

夔州では、農事ができると人の話に聞くし、山には太陽がさんさんと照り、さだめし鳥がよろこんで棲んでいるというこころもちをうかがうことができるだろう。

農事聞人山光見鳥情 菱州に行ってから農業をしたいという、其の地の環境をいう。

鳥情 鳥が喜んで住んでいるこころ。

 

禹功饒斷石,且就土微平。

峡中では禹の疏鑿のおかげで、きれぎれの石が多いので困るが、これからまず、少し平らな地面のあるところへ寄り付こうと思うのである。

禹功 禹の疏鑿(山を切り開いて水を通すこと。)のおかげ。伝説上の聖王。三皇五帝の一人。姓はじ。治水に功があり,舜より禅譲を受けて夏の国を治めたといわれる。

 こちらからそこへよりつく。

土微平 すこしたいらな地面、夔州の地形をいふ。

蜀中転々圖

 

 

 

(居を夔州に移さん)

枕に伏す 雲安縣,居を遷す 白帝城。

春は知る柳を催して別れしむるを、,江は放船を與【ため】にして清し。

農事 人のくを聞く山光 鳥情を見る。

禹功 斷石饒し,且く就かん 土の微平なるに。